ホームページを作成する際や、Web業界の何らかの業務に携わる際、JavaScriptという言葉を一度でも聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかし、JavaScriptの特徴や具体的にできることが分からない方も少なくないと思います。
そこで本記事では、JavaScriptの概要や歴史、JavaScriptでできる代表的な3つのことを紹介します。また、JavaScriptの特徴やJavaとの違いも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
JavaScriptとは
まずは、JavaScriptの概要から説明します。JavaScriptとは、ブラウザ上で動くプログラミング言語の1つで、動的なWebページを作成する際に必ず使用します。実際には、JavaScriptが無くともWebページは動きますが、JavaScriptが無くてはWebページ上に様々な動きを与えられません。例えば、ユーザーがクリックした場合にのみ表示されるコンテンツや、グラフィックアニメーションなどの多くは、JavaScriptによって実現されています。そのためJavaScriptは、理想的なWebページを作成する際に使われる、最も代表的なプログラミング言語だと言えるでしょう。
JavaScriptの歴史
JavaScriptは「LiveScript」という名前で、1990年代前半に初めて実装されました。その後、1995年にJavaScriptへと名称が変更され、1997年にコア部分が標準的に使用されるようになりました。
JavaScriptが発表される以前では、HTMLとCSSのみで作られるWebサイトが一般的でした。しかし、HTMLとCSSではどうしても簡素なWebサイトとなってしまい、デザイン的には乏しかったことも事実です。しかし、JavaScriptが出てきたことでリッチなデザインを実現できるようになり、一気にWebサイトのデザインの幅が広がったという歴史があります。
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JavaScriptでできる3つのこと
ここまで、JavaScriptの歴史について解説をしてきました。ここからは、JavaScriptでできる以下3つのことを紹介します。
・ Webサイトに動きを加える
・ Ajax(エイジャックス)
・ フォーム動作に対する制御
それぞれ順番に見ていきましょう。
Webサイトに動きを加える
JavaScriptを活用することで、Webサイトに動きを加えることが可能です。これらは、HTMLやCSSのみでは実装できない部分が多々あります。例えば、JavaScriptを使うことでボタンにアニメーションを加えたり、メニューに効果を付けられたりします。
JavaScriptの実装されていない簡素なボタンやメニューでは、CTR(クリック率)が低下することにも繋がり、Webサイトやページからの売上が発生しにくくなります。また、ユーザーの利便性も悪くなる恐れも考えられます。
ユーザーの利便性を高め、売上やアクセスアップに直結するデザインを実装できることが、JavaScriptのメリットの1つだと言えるでしょう。
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Ajax(エイジャックス)
Ajaxとは、画面を切り替えなくとも、更新したい一部分だけを更新できる機能のことで、非同期通信とも呼ばれます。通常、Webページを更新したい場合は、ページ全体を更新しなければなりません。しかしAjaxでは、ページ全体を更新しなくとも、任意の部分のみ更新することが可能です。
Ajaxの代表的な例は、Googleマップです。Googleマップでは、画面上の足りない部分に対してAjaxが用いられており、スクロールに応じて表示する画面が更新されていきます。また、Webページでマウスのスクロールに対して表示する画面を変更したい場合にも、JavaScriptのAjaxが行われています。
フォーム動作に対する制御
JavaScriptを使うことで、フォーム動作を制御することが可能です。以下2つの例を見てみましょう。
・ エントリーフォームにて、郵便番号を入力すると自動で住所が入力される
・ 間違った情報、足りない情報が入力された場合に、自動でエラーが表示される
実際に本記事を読んでいる方の中にも、上記のような例を見たことがある方がいるのではないでしょうか。これらのイベントに対する動作は、JavaScriptによって行われています。また、上記のような例はユーザーの利便性を高めるため、SEO的にも大きなメリットがあります。
JavaScriptの特徴
ここまで解説してきているとおり、JavaScriptを使うことで、様々なことを実現できるようになります。また、JavaScriptには以下3つの特徴があり、エンジニアやWeb業界で非常に重要視されています。
・ フレームワークが豊富に用意されている
・ ブラウザがあれば実行できる
・ フロント・サーバーどちらでも対応可能
それぞれ順番に見ていきましょう。
フレームワークが豊富に用意されている
JavaScriptには、フレームワーク、ライブラリが豊富に用意されているという特徴があります。例えば、フレームワークでは以下が挙げられます。
・ React(リアクト)
・ Angular(アンギュラー)
・ Vue(ビュー)
フレームワークは「枠組み」のことで、Webページやアプリを開発する際に役立ちます。また、JavaScriptの代表的なライブラリは以下のとおりです。
・ jQuery(ジェイクエリー)
・ Ajax(エイジャックス)
特に上記のjQuery(ジェイクエリー)は、JavaScriptを使いやすいように、あらかじめコードを簡易化しながら拡張してくれているものになります。例えば、JavaScriptでコードを書こうとすると30行かかるところ、jQueryでは5行程度で済むといったケースが多々あります。
上記のように、実装におけるフレームワークやライブラリが豊富に用意されていることで、開発側が工数を削減しやすいというメリットがあります。
ブラウザがあれば実行できる
代表的なプログラミング言語である「PHP」や「Python」などは、開発側で実行環境を用意しなければなりません。しかし、JavaScriptはブラウザ側で実行環境が用意されているため、ブラウザがあれば実行できることが特徴です。
また、ほぼすべてのブラウザに対応しており、日常的に多く使われているGoogle ChromeやSafari、IE、Firefoxなどにはすべて対応しています。ただし、ブラウザによって多少動作が異なる恐れもあるので、開発の際は念の為すべてのブラウザで動作チェックを行うことが重要です。
フロント・サーバーどちらでも対応可能
JavaScriptは、元々フロントサイドでの開発に主軸が置かれていたプログラミング言語です。しかし「Node.js」というソフトが登場したことにより、サーバーサイドの開発も可能になりました。
そのため、JavaScriptさえ覚えてしまえば、フロントサイド、サーバーサイドのどちらにも対応できるようになったのは、JavaScriptが非常に人気な理由の1つです。実際に、「Google Apps Script」というGoogle関連のサービスで使われているマクロに関しても、JavaScriptをベースに組まれています。
JavaScriptとJavaの違い
ここまで、JavaScriptでできることや特徴を解説してきました。しかし、JavaScriptと似た言葉として「Java」という言葉が存在するものの、両者の違いが分からない方は多いのではないでしょうか。これら2つは、言葉こそ似ているものの、まったく異なるものであることは事実です。
Javaは、静的に変数が処理されるプログラミング言語であり、主にSNSなどの大規模システムを開発する際に使用されます。一方のJavaScriptは、大規模システムを開発する際にも一部使われるものの、一般的な用途はWebページ作成やアプリ開発です。
そのため、両者は活用される場面がまったく異なります。混同してしまう方は、JavaScriptはWebページなどの小規模〜中規模のWebサービス開発に、Javaは大規模なシステム開発に使用される違いがあるという捉え方で問題ありません。
まとめ
本記事では、JavaScriptについて解説をしました。JavaScriptを使うことで、Webサイトに動きを加えることができたり、イベントに対する動作を加えられたりします。また、JavaScriptは、魅力的なWebサイトやホームページを作成する際の根幹となる言語です。まずは、JavaScriptでできることを改めて確認し、実現したいWebサイトのイメージを固めることから始めてみてはいかがでしょうか。