トンマナとは、「トーン&マナー」の略でコンテンツや広告においてデザイン等を一貫させることを指し、ライティングやWebデザインなど、クリエイティブに関わる業務において非常に重要です。しかし、トンマナが重要だと聞いたことがあるものの、具体的にどのように決めれば良いのか分からなかったり、メリットが分からなかったりする方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、トンマナの概要やトンマナが果たす役割、メリットについてご紹介します。また、ライティング及びデザインのトンマナを決める際に意識するべきことや、注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
トンマナの意味とは
まずは、トンマナの意味をご説明します。トンマナとは「トーン&マナー」の略で、広告やコンテンツにおいて、デザイン等の一貫性を保つことを指します。昨今では数え切れないほどのコンテンツや広告が存在します。たとえば、ユーザーが訪れた広告のトンマナが合っていない場合、間違って別のサイトに訪れたのではないかとユーザーが混乱し、結果的に離脱率が悪化する恐れが考えられるでしょう。
これらを防ぐためにも、コンテンツや広告において全体的なトンマナを統一し、ユーザーが求める情報を理解しやすくすることが重要です。また、Webサイトと企業のイメージカラーを統一させることで、企業ブランディングに繋がる側面もあります。
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トンマナが果たす役割
先程、トンマナの概要をご紹介しました。ここからは、トンマナが果たす役割や、ユーザーにとってなぜトンマナが重要であるかをご説明します。
サイト運営・ライティング
Webサイトのトンマナを統一させることで、ユーザーは自身が求める情報を違和感なく取得することができます。一方で、上述したようにWebサイト全体のトンマナに統一感がないと、ユーザーが求める情報を取得できるWebサイトであるかを判断できなくなり、結果的に離脱率が悪化する恐れがあります。
また、Webサイト運営やライティングのトンマナを統一することで、コンテンツや広告が完成した後の修正作業が少なくなるため、時間効率の面でも非常に重要な役割を果たします。つまり、トンマナを統一することでユーザーに情報を伝えやすくなり、制作側も時間効率が良くなることが特徴です。
トンマナを決定する2つのメリット
ここまで、トンマナの概要や果たす役割を解説しました。ここからは、トンマナを決定する下記2つのメリットを解説します。
・ 企業ブランディングに繋がる
・ スムーズな制作進行が可能になる
それぞれ順番に見ていきましょう。
企業ブランディングに繋がる
トンマナを決定することは、企業ブランディングに繋がります。Webサイト全体のトンマナを決定し、世界観を統一させることで、ユーザーから「〇〇のサイトと言えば、あの企業だよね」と思ってもらいやすくなります。世界観を統一すると聞くと非常に難しく感じるかもしれませんが、まずは全体的な色合いを統一させるだけでも構いません。たとえば、Webサイト全体の色味を薄いオレンジ色に統一するだけでも、ユーザーから見た印象は大きく変わります。
また、サイト全体の配色やフォントを企業のイメージカラーと統一させることで、上述した企業ブランディングにもより繋がりやすくなります。
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スムーズな制作進行が可能になる
トンマナを予め決定することで、全体的な世界観や方針にブレにくくなるため、スムーズな制作進行が可能になります。たとえば配色1つとっても、ボタンの色やコンテンツの背景色、バナーのフォントが予め決まっていれば、都度悩む必要がありませんので、いかにトンマナがスムーズな制作進行に重要であるかが理解できるのではないでしょうか。
ライティングのトンマナで決定するべきこと
ここからは、より具体的にトンマナで決定するべきことを解説します。まず、ライティングのトンマナで決定するべきことは主に4つです。
・ 表記統一
・ 末尾表現
・ 文字数
・ 使用しない文言
それぞれ順番に見ていきましょう。
表記統一
まずは、表記の統一を図りましょう。ライティングでは、最低でも「日本語・数字・記号」の3種類を扱うことが多いです。たとえば日本語のトンマナを決定する際は、「事」と「こと」など漢字と平仮名のどちらを使うのかを統一しましょう。記号であれば、「!」「!」と全角半角がそれぞれ存在するため、これらも予め統一することが大切です。統一することでどのような表記にするべきか迷う時間がなくなるため、ライティングの効率がアップすることにも繋がります。
文章の語尾(末尾表現)
次に、末尾表現もトンマナの1つとして決定しましょう。簡単な例としては「ですます調」で統一するのか、「である調」を使用するのかなどが挙げられます。また、体言止めは使用して良いかなど、細かい点に関しても突き詰めることが大切です。
文字数
一文に対して、何文字まで使用するかを決めましょう。あくまで運営者によって異なりますが、近年はスマートフォンで閲覧するユーザーも増えているため、40文字〜50文字程度に抑えられるのが理想です。ただし、これらの文字数によって制限した結果、ユーザーにとって分かりにくい文章になっては意味がないため、あくまで目安として決めておきましょう。
使用しない文言
最後に、使用しない文言を決めておくことも大切です。このあたりは企業の特色やブランディングによって完全に異なるため、一概に例を出すことはできません。ただし決めておくことで、ライティング及び企業全体としての世界観もより統一されるため、使用しない文言に関しても予め決めておくことが重要です。
SEOへの意識も重要
ライティングのトンマナを決める際は、SEOへの意識を欠かしてはいけません。なぜなら、どれだけトンマナを統一したとしても、検索エンジンから評価される文章でなければ、結果的にユーザーの目に触れにくくなるためです。たとえば、使用しない文言の中に、検索エンジンが文章を理解する際に役立つ「共起語」が含まれているとします。この場合、共起語を使用しなければ検索エンジンが内容を理解することが難しくなるため、上位表示させることも困難になります。
このように、あくまでSEOライティングを行い、検索上位を目指す上でトンマナを決めることが重要です。
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デザインのトンマナで決定するべきこと
先程、ライティングのトンマナで決定するべきことを解説しました。ここからは、デザインのトンマナで決定するべきことをご紹介します。
・ レイアウト
・ フォント
・ 配色
・ 余白
・ 写真やイラスト等の素材
それぞれ順番に見ていきましょう
レイアウト
デザインでは、全体的なレイアウトが統一されていることが非常に重要です。なぜなら、コンテンツごとにレイアウトが異なっていると、ユーザーがコンテンツを読みづらくなり、離脱率が悪化するためです。画像の前後は一行改行する、コンテンツの最後にはまとめ文を設置するなど、細かな点まで突き詰めるようにしましょう。
フォント
ユーザーは潜在的に、明朝体には高級感を感じたり、太ゴシック体にはインパクトを感じたりします。そのため、Webサイト全体で伝えたいイメージや世界観を言語化し、それらに合ったフォントを都度選ぶようにしましょう。
配色
企業のブランドカラーに合わせて、Webサイト全体のメインカラーを決めましょう。次に、差し色となるアクセントカラーや、文字色を決めていきます。ただし、色の種類が多すぎてしまうと、ユーザーはどの色が重要であるか混乱してしまうため、できる限り少数に留めることが重要です。
余白
デザインには、ホワイトスペースと呼ばれる言葉があります。ホワイトスペースとは、何も置かれていない場所のことです。こういった余白やホワイトスペースを上手く活用することで、ユーザーに伝えたい情報をより強調して伝えられます。
写真やイラスト等の素材
Webサイトは、文章だけでは可読性が低くなってしまい、離脱率が悪化します。それらを防ぐためには、Webサイト全体で統一感のある写真やイラストを使用することが大切です。それらを使用する際も、色味が2色の写真や人物が写っているイラストは使用しないなどのトンマナを決めるようにしましょう。
トンマナを決定する際の注意点
ここまで、トンマナの概要や具体的な決定方法を解説してきましたが、最後にトンマナを決定する際の注意点をご説明します。
・ 届けたいユーザー像を明確にする
・ 企業のコンセプトを伝える
それぞれ順番に見ていきましょう。
届けたいユーザー像を明確にする
まずは、Webサイトやコンテンツ、広告を届けたいユーザー像を明確にしましょう。なぜなら、ユーザーによって求めるトンマナは当然異なってくるためです。たとえば、自社商品が高単価であり、なおかつ富裕層のユーザーに向けて売っていく場合、色味をゴールドや黒で統一したり、フォントを明朝体にしたりするなどの案が浮かんできます。
このように、それぞれの届けたいユーザー像を明確にすることで、初めてトンマナを決定できることを覚えておきましょう。
企業のコンセプトを伝える
トンマナでは、企業のコンセプトを伝えることも大切です。単にトンマナが決定しているだけでも見栄えは良いですが、それだけではユーザーに自社のコンテンツやWebサイトを覚えて帰ってもらうことはできません。ブランドの価値やコンセプトがトンマナに落とし込まれているからこそユーザーは良い印象を抱くため、トンマナにどのようにコンセプトを含めるかも深く検討するようにしましょう。
まとめ
本記事では、トンマナの概要や決定するメリット、決定する際の注意点を解説してきました。トンマナを決定することで、企業のブランディングに繋がったり、ユーザーに情報が伝わりやすくなったりするメリットがあります。
まずは、届けたいユーザー像を明確にし、企業が伝えたいコンセプトを改めて確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
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