しばしば混同されがちな「校正」(こうせい)と「校閲」(こうえつ)。その違いを簡単に説明すると、「記事内容にまで踏み込むかどうか」です。
優れた内容の記事やコンテンツであっても、明らかな誤字脱字や文章の矛盾、内容の信憑性が欠如していては、読者からの信頼を失ってしまう可能性があります。そのため、校正と校閲は、質の高い記事を作成する上で欠かせない工程となります。
本記事では、校正と校閲の違いや各々の役割について詳しく解説します。また、実際に校正や校閲を行う際の具体的なポイントやコツについても触れていきます。これらの知識を身につけることで、より精度の高い記事作成が可能になるでしょう。
目次
校正とは
校正とは、完成した原稿や文章における誤字脱字、表記ゆれ、スペルミス、文法の誤り、内容の矛盾、文章のねじれ、などを発見し、修正する作業のことを指します。この作業により、読者に正確で分かりやすい文章を提供することができます。
校正作業は主に「突き合わせ」と「赤字照合」という2つの工程に分けられます。
「突き合わせ」は、元の原稿と最新の原稿を一文字ずつ丁寧に比較し、修正箇所が正しく反映されているかを確認する作業です。この際、文章全体を読むのではなく、文字単位で確認することが重要です。人間の脳は文章を読む際に正しい表記に自動的に変換してしまう傾向があるため、一文字ずつ確認することで見落としを防ぐことができます。
「赤字照合」は、元の原稿に記された修正指示(赤字で記入されることが多い)が、最新の原稿に正確に反映されているかをチェックする作業です。この工程では、修正点に焦点を当てて確認を行います。
校正作業を行う際は、掲載媒体ごとに定められた表記ルールにも注意を払う必要があります。例えば、ウェブサイトと印刷物では、適切な表記や言い回しが異なる場合があります。
校正の精度を上げるためには、文章を逆から読む、出力してチェックするなど、様々な工夫が効果的です。これらの方法を組み合わせることで、より正確な校正が可能となります。
校閲とは
校閲とは、文章に書かれている内容の事実誤認を防ぐために行う作業です。具体的には、資料の確認や無許可の引用、差別につながる表現が無いかなどを精査し、必要に応じて修正を加えます。校正が誤字脱字といった文章や文法的な問題を修正するのに対し、校閲は文章の内容にまで踏み込み、情報の正確性や適切性を確認する作業が中心となります。
校閲の作業プロセスは主に二つの工程から成り立っています。一つは「素読み」、もう一つは「事実確認」です。
「素読み」では、原稿の内容を綿密に読み込み、文章中の誤字脱字や表現の矛盾などの間違いを探します。例えば、語尾の表現が統一されているか、前後の文章のつながりに論理的な破綻がないかなどを細かくチェックします。
「事実確認」は、素読みをさらに掘り下げた作業です。原稿に記載されている情報(地名や固有名詞、各種データなど)が正確であるかどうかを調査し、検証します。この工程では、信頼できる情報源を用いて、記述内容の裏付けを取ることが重要です。
これらの作業を通じて、校閲者は文章の質を高め、読者に正確で信頼性の高い情報を提供することを目指します。校閲は、出版物やウェブコンテンツの信頼性を確保する上で欠かせない重要な役割を果たしているのです。
校正と校閲の違い
校正と校閲は、文章や原稿の確認作業において異なる役割を果たします。両者の違いを理解することは、質の高い記事や文書を作成する上で重要です。
校正は主に文字や表記のレベルでの確認を行います。誤字脱字、句読点の使用、スペルミスなどを見つけ出し、修正することが主な目的です。また、表記の統一性を確保するため、クライアントや出版社が定めたスタイルガイドに沿っているかどうかも確認します。
一方、校閲は内容面での確認に重点を置きます。事実関係の正確さ、論理の一貫性、表現の適切さなどを精査します。また、著作権侵害や名誉毀損のリスクがないかといった法的な観点からのチェックも行います。
実務においては、校正と校閲の作業を明確に分けずに行うこともあります。特に、ウェブコンテンツの制作現場では、一人の担当者が両方の役割を兼ねることも少なくありません。しかし、それぞれの作業の本質を理解し、適切に対応することで、より質の高い成果物を生み出すことができます。
校正と校閲は、単なるミスの修正にとどまらず、読者にとって理解しやすく、信頼性の高い文章を作り上げるための重要なプロセスです。両者の特性を活かし、バランスの取れた確認作業を行うことで、記事やコンテンツの品質向上に大きく貢献します。
校正者の作業内容
校正を担当する「校正者」は、記事を詳細に比較しながら、誤った文字や表記、スペルミスなどを見つけ出し修正します。具体的には、以下のような点に注意を払いながら内容を精査していきます。
● 誤字脱字
● 表記ゆれ
● 同音異義語
● 慣用句や言い回し
● 固有名詞
● 数字
● 句読点
● 文末表現
● クライアント独自のレギュレーション
校正者は、誤字脱字や表記ゆれの修正はもちろんのこと、同音異義語や慣用句、言い回しなどについても適切に修正を行います。また、固有名詞や数字の表記ミス、「です」「ます」などの文末表現の統一性、さらにはクライアントが定めたレギュレーションに準拠しているかどうかも併せて確認します。
校正作業では、文章を一字一句丁寧に読み込み、細かな誤りを見逃さないよう細心の注意を払います。時には文章を逆から読むなど、独自の手法を用いて精度の高い校正を行うこともあります。この徹底した確認作業により、読者に信頼される高品質な記事作成に貢献しています。
校正に向いている人
校正は文字の間違いを徹底的に探し出す作業です。高い集中力と忍耐力が求められるため、根気強く粘り強い性格の人に向いています。また、細部に注意を払い、正確さを重視する傾向がある人も適性があるでしょう。
校正は「職人」と呼ばれることもあり、自身の仕事に誇りを持てる人にとって魅力的な職種といえます。完璧を追求する姿勢や、品質にこだわる意識が強い人も向いているでしょう。
さらに、言葉や文章に対する深い知識や興味を持つ人も校正に適しています。日本語の正しい使い方や表記ルールに精通していることで、より質の高い校正が可能となります。
校閲者の作業内容
校閲を行う作業担当者を「校閲者」と呼びます。校閲者の主な役割は、原稿内容に誤りがないか様々な視点から事実確認を行うことです。この作業は一般的に「ファクトチェック」と呼ばれ、記事の信頼性を担保する重要な工程となります。また、Webサイト全体の信頼性にも大きく関わる作業です。
校閲者が確認する主なポイントは以下の通りです。
1. 内容の事実確認
● 固有名詞(読み方や表記、など)
● データ内容(数字・単位・年代・日付、など)
● スポット情報(住所・電話番号・企業情報・サイトURL、など)
● 歴史的事実や因果関係(過去の事象の正確性、関係性の妥当性など)
● 内容の事実関係や矛盾(記述内容の真偽、論理的整合性など)
2. 文章表現の誤り
● 表現ミス(主語と述語のねじれ、品詞、二重表現、敬語表現、など)
3. 差別語や不快語のチェック
● 差別表現(国籍、人種、民族、性別、障害者、職業に関する表現など)
校閲者は、これらの項目を丁寧に確認しながら、記事の品質向上に努めます。固有名詞や数値データの正確性はもちろん、歴史的事実や因果関係の妥当性、文章表現の適切さ、さらには差別的な表現の有無まで、幅広い観点からチェックを行います。
この作業を通じて、校閲者は記事の信頼性を高め、読者に正確で価値ある情報を提供することに貢献します。また、不適切な表現や差別的な内容を排除することで、多様な読者に配慮した質の高いコンテンツ作りを支援します。
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校閲に向いている人
校閲は、膨大な情報の中から正確な情報を選び出す高度な情報リテラシー能力が求められる仕事です。疑問に感じたことや腑に落ちない点を自発的に調査できる人、調べ物が好きな人、真実を徹底的に追求したい人などに適したポジションと言えるでしょう。
校閲者には、常に客観的な立場から正確な情報を入手し、検証する姿勢が不可欠です。主観的な判断や憶測に頼るのではなく、事実に基づいた裏付けを取ることが重要です。また、細部にこだわりを持ち、些細な矛盾も見逃さない注意力も求められます。
さらに、幅広い分野の知識や一般常識を持ち合わせていることも校閲者の強みとなります。さまざまなジャンルの記事や文章を扱うため、多岐にわたる話題に対応できる柔軟性と知的好奇心も大切です。
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校正と校閲の重要性
校正と校閲は、記事やコンテンツの品質を維持し、向上させるために不可欠な作業です。これらの工程を経ることで、読者に信頼性の高い情報を提供し、Webサイト全体の価値を高めることができます。
校正と校閲が重要である理由は以下の3点に集約されます。
- 正確な情報提供による信頼性の確保
- 読者への配慮と快適な閲覧体験の提供
- Webサイト全体の品質向上
これらの要素は、個々の記事の品質を高めるだけでなく、Webサイト全体の評価にも直結します。正確で読みやすい記事は、ユーザーの満足度を高め、リピーターの獲得にもつながります。さらに、間接的にSEOにも良い影響を与え、検索順位の向上にも寄与する可能性があります。
したがって、校正と校閲は単なる作業ではなく、Webサイトの成功に不可欠な戦略的な取り組みとして捉えるべきです。一つひとつの記事に丁寧に向き合い、品質を高めていくことが、長期的にはWebサイト全体の価値を大きく向上させる鍵となるのです。
ユーザーの信頼を失墜させないよう正しい情報を提供する
正確な情報提供は、ユーザーからの信頼を維持する上で不可欠です。誤った情報を継続的に発信すると、徐々にユーザーの信頼が失われ、媒体全体の信用度が低下してしまう危険性があります。特に更新頻度の高いWebサイトでは、不正確な情報が蓄積されやすく、偽情報を発信するサイトと見なされかねません。
また、誤字脱字やスペルミス、冗長な表現が多い記事は、ユーザーに「適当に書かれている」「読みづらい」という印象を与えてしまいます。このような記事は、ユーザーの読む意欲を低下させ、Webサイトの離脱率を上昇させる要因となります。
さらに、こうした問題は間接的にSEOの評価にも悪影響を及ぼす可能性があります。ユーザーの滞在時間が短くなったり、離脱率が高くなったりすることで、検索エンジンがそのWebサイトの価値を低く判断し、検索順位が下がる恐れがあるのです。
したがって、校正・校閲作業を通じて正確な情報を提供し続けることは、ユーザーの信頼を獲得・維持するだけでなく、Webサイトの検索順位を保つ上でも重要な役割を果たします。
ユーザーに不快感を与えないよう配慮する
読んでいて不快に思う記事は、次第に読むのがつらくなってきます。差別表現や暴力的表現、卑猥表現などの他、挑戦的な表現、ふざけた表現、また冗長表現にも気をつける必要があります。
特に差別表現に関して世論はシビアで、ヘイトスピーチなどは世界中で規制する動きが顕著です。こういったユーザーに不快感を与える記事はWebサイトの離脱率が高まる他、リピーターをなくす要因にもなります。
また、不適切な表現は SNS などで拡散され、炎上に発展するリスクもあります。一度炎上してしまうと、企業イメージの低下や信頼の失墜につながる可能性があるため、細心の注意を払う必要があります。
表現の適切さを判断する際は、多様な視点を持つことが重要です。年齢、性別、文化的背景などによって受け取り方が異なる場合があるため、幅広い層の読者を想定して校正・校閲を行うことが大切です。
一つひとつの記事に対してWebサイト全体を底上げする感覚を持つ
Webサイトは「記事=コンテンツ」の積み重ねによって、一つの大きな媒体として成り立ちます。つまり、一つひとつの記事の品質を高めることは、Webサイト全体を底上げすることにつながるのです。
ユーザーにとって読みやすい記事や読了率の高い記事は、校正・校閲がしっかりと行われており、往々にしてユーザーに読みやすいよう配慮されているものです。記事一つひとつに対してこういった配慮を行い、Webサイト全体として底上げする感覚を常に持ち続けることが大切です。
この感覚を持つことで、個々の記事の品質向上だけでなく、サイト全体の一貫性や統一感も生まれます。結果として、ユーザーエクスペリエンスの向上にもつながり、サイトの評価を高める効果が期待できます。したがって、執筆者や編集者は常にこの意識を持ちながら、記事作成や校正・校閲に取り組むことが重要です。
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校正時に確認すべきポイント
校正を行う際には、以下のようなポイントに特に注意を払う必要があります。これらの項目を意識しながら丁寧にチェックすることで、高品質な文章を作り上げることができます。
- 数字の正確性
- 誤字・誤変換の有無
- 表記ゆれの統一
- 同音異義語の適切な使用
これらのポイントを一つ一つ確認していくことで、読者に分かりやすく、信頼性の高い文章を提供することができます。特に数字や固有名詞などの事実関係に関わる部分は、複数回のチェックが望ましいでしょう。
また、校正作業を効率的に進めるためには、チェックリストを作成したり、複数人で確認したりするなどの工夫も有効です。時間をおいて再度確認することで、見落としを減らすこともできます。
校正は地道な作業ですが、文章の質を大きく左右する重要なプロセスです。読者に正確で読みやすい情報を届けるため、細心の注意を払って校正を行いましょう。
数字
電話番号や金額、商品スペックやデータなどの数字の間違いは特に避けたいものです。見落とすことで大きなクレームにも繋がりかねません。
例えば、「0000000777」のように同じ数字が続く場合、数字を一つのまとまりとして捉えてしまうと、間違いに気づけず見落としてしまいます。これらは「ゼロ、ゼロ、ゼロ…」と読むのではなく、数字を一つずつ分解して「ゼロが7つ、7が3つ」というように確認します。
校正作業において数字の確認は非常に重要です。特に以下のような点に注意が必要です:
- 桁数: 大きな数字の場合、桁数が正しいか確認します。
- 単位: 円、ドル、キログラムなど、適切な単位が付いているか確認します。
- 小数点: 小数点の位置が正しいか、必要な桁数まで表示されているか確認します。
- 日付: 年月日の表記が正しいか、うるう年などの特殊なケースにも注意します。
数字の校正では、できるだけ原本や信頼できる情報源と照合することが大切です。また、同じ数字が文中で複数回出てくる場合は、全ての箇所で一致しているか確認しましょう。
誤字・誤変換
キーボードで文章を入力することが多いため、単純な打ち間違いが起こりやすいです。チェックをする際に、誤字や誤変換はあるものだと思って目を通すようにしましょう。
特に、長文を作成する場合や締め切りに追われている状況では、誤字や誤変換が増える傾向にあります。また、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での入力時は、予測変換機能によって意図しない単語に変換されてしまうこともあります。
誤字・誤変換のチェックポイントとしては、以下のようなものがあります:
- 漢字の間違い(例:「構成」を「稿成」と誤る)
- 送り仮名の間違い(例:「行なう」を「行う」と誤る)
- 同音異義語の取り違え(例:「聞く」を「聴く」と誤る)
- 類似した形の文字の混同(例:「己」と「已」、「末」と「未」)
これらの誤りを防ぐためには、文章を書き終えた後に時間を置いて再度確認することや、テキストを音読して違和感がないかチェックすることが効果的です。また、校正ツールやスペルチェック機能を活用することも有効な手段の一つです。
表記ゆれ
表記ゆれとは、同じ表現が異なる文字表記をされていることです。例えば、文章中で自社を指す言葉として「当社」や「弊社」が混在している場合、基本的にはどちらかに統一しなければなりません。
読者が読みにくいと感じてしまう混乱を避けるため、表記の統一は重要です。表記ゆれは様々な形で発生する可能性があり、主に以下のようなパターンが挙げられます:
- 送り仮名による表記ゆれ
例:申し込み/申込/申込み - 文字の種類による表記ゆれ
例:リンゴ/りんご/林檎 - 漢字による表記ゆれ
例:”会う”と”逢う”/”匂い”と”臭い”
表記ゆれを防ぐためには、執筆前に表記ルールを決めておくことが効果的です。特に複数の執筆者が関わる場合は、スタイルガイドを作成し、共有することで一貫性のある表記を維持しやすくなります。また、校正作業時には表記ゆれに特に注意を払い、見落としがないよう慎重にチェックすることが大切です。
同音異義語
同音異義語には、似たような意味の語句や見慣れているものが多いため、違和感なく読み流してしまうことがあります。
例)特徴/特長、要項/要綱、解答/回答 など
これらは事前に以下のような対策をしておくことが望ましいでしょう。
- 同音異義語の一覧表を作成し、チェックリストとして活用する
- 文脈に応じて適切な語句を選択できるよう、意味の違いを把握しておく
- 特に頻出する同音異義語については、使用する語句を統一するルールを設ける
校正時には、これらの対策を踏まえつつ、文章全体の意味を考慮しながら適切な語句が使用されているか確認することが重要です。同音異義語の誤用は、文章の意図を誤って伝えてしまう可能性があるため、特に注意が必要です。
校閲時に確認すべきポイント
校閲では文章の内容と事実が相違ないかを確認すること、また差別的表現が無いか、その文章が適切であるかを文章の内容を読み込んだ上で判断していきます。
読者にとって分かりやすい文章であることはSEOにおいても重要です。
● 固有名詞の誤り
● 歴史的事実や因果関係
● 内容の矛盾
● 差別表現のチェック
固有名詞の誤り
人名、企業名、建物名、商品名、地名などの固有名詞の誤りをチェックします。
例えば「キヤノン株式会社」の場合は「キャノン」と発音しますが、表記は「キヤノン」となります。また、人名の漢字表記には旧字体を使用することもあります。以下を正確に確認するようにしましょう。
・漢字表記なのか、平仮名表記なのか
・アルファベット表記なのか、カタカナ表記なのか
・大文字なのか、小文字なのか
歴史的事実や因果関係
歴史的事実や因果関係について記述している場合は、事実と異なったことを記載していないか調べます。引用が行われている場合、引用元を確認して同じ文章が正確に再現されているかをチェックします。
また、引用元が必ずしも正しいとは言い切れないので一つの事実に対して幾つかの引用元を調べて選定していきます。
内容の矛盾
文章が進むにつれて主張が変わっていたり、登場人物の設定がバラバラになっていたりなど、記事内容の信憑性を損なう誤りには注意が必要です。
差別表現のチェック
はっきりと分かる差別語だけでなく、それらが一切出てこない差別表現が含まれていることがあります。人権意識は社会的にも変わってきており、セクシャルマイノリティーなど多角的な目線で校閲を行なう必要があります。
校正・校閲の精度を上げるためのコツ
以下のポイントを心がけることで、校正・校閲の精度を上げることができます。
1. 出力してチェックする
2. 第三者の目線
3. 時間を置いてみる
4. チェック項目を絞る
5. ツールを活用する
1.出力してチェックする
文章をWordなどで書いている場合、チェック時はPDFに書き出して紙に出力するなど、別の目線で見たほうが誤りに気づきやすいと言われています。
2.第三者の目線
記事を作成した本人が校正・校閲することは難易度が高く、できれば自分以外の目線から見てもらう方が良いでしょう。自分の書いた文章だと客観的になれないので、おかしな言い回しや間違いに気づきにくいためです。
3.時間を置いてみる
自分で執筆した記事を校正・校閲する必要がある場合、執筆してから時間を空けたほうが客観的な目線で見ることができます。
4.チェック項目を絞る
チェック項目を、校正か校閲のどちらか一つに絞って作業をしてみるのもおすすめです。校正は文字の修正、校閲は事実確認となり、それぞれ作業が異なります。
また、注力するポイントや使用するツールなども異なるため、一緒に行おうとすれば非常に効率が悪くなります。どちらか一方を終えてからもう一方を行うやり方で作業を進めれば、非常にやりやすくなります。
5.ツールを活用する
例えば、記事中の表記を統一したり、外国語のスペルミスを防いだりする目的でツールを使用することは校正の精度を上げる一つの手段となります。無料で提供されているものでも十分使えますが、有料で高機能なものになると不適切表現や表外漢字、助詞の抜けや漏れまで指摘してくれ、さらに文章の推敲まで行ってくれるツールもあります。
また、校閲においてはAIチャットボットを活用するのも一つの手です。知りたいことをAIチャットボットに質問すれば、AIが最適と思われる回答を選別し即座に返答してくれます。ただし、間違った回答を返すことも多く、最終的には使用者の情報リテラシーが求められます。
関連記事:SEOを意識しポイントを押さえたライティングとは?
まとめ
今回は記事やコンテンツの品質につながる「校正」と「校閲」について解説していきました。
校正ができていない誤字脱字の多い記事ではPV数が下がる原因になり、校閲で事実確認を怠り誤った情報を発信してしまえば、サイト全体の信頼性を失ってしまいます。特に医療分野など人々の健康に関わる記事などは、事実誤認による健康被害なども起こりかねません。
文章表現には必ずしも正解が存在するわけではありませんが、媒体がターゲットとしている読者層を意識しながら、原稿に書かれた文章の表現が適切であるか適宜判断していくのが校正・校閲の仕事です。
校正・校閲がしっかり行われた記事は品質が底上げされ、読者に事実が正確に伝わる「信頼できる記事」となります。文章の校正や校閲を行なう際には今回解説したポイントも参考にしてみてください。