「初心者でも分かる!マーケティングオートメーション入門」で「現在の日本では人口の減少が進み、労働生産人口が激減するという背景がある中で、昔のようにローラー方式で営業人員を抱えて一人ひとりのスキルに頼る属人的な営業活動そのものが難しくなってきました。(中略)BtoB分野においても、デジタルマーケティングを取り入れることで、属人的営業に頼っていた部分でもある商談発掘のプロセスをシステム化し、コスト削減と売上アップの両方を狙うケースが増えています。」と触れたように、営業人員の限界と、属人的な営業の見直し(プッシュ型からプル型への転換)により、マーケティングオートメーションのニーズが高まっています。
今回はマーケティングオートメーションの動向と、今後の可能性、最新情報についてもご紹介します。
マーケティングオートメーションとは何か?については
「初心者でも分かる!マーケティングオートメーション入門」こちらをご覧下さい。
MA(マーケティングオートメーション)サービスの市場動向
矢野経済研究所の最新プレスリリースによると
「2016年のMAサービスの市場規模は245億4,500万円であった。(中略)MAおよび周辺サービスに対する需要が拡大しており、同市場規模は2017年には前年比23.0%増の301億9,000万円に達すると見込む。」
(矢野経済研究所:DMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査を実施(2017年)<https://www.yano.co.jp/press/press.php/001771>より引用)
とあります。
その市場拡大の背景にあるのは「One to Oneマーケティング」と「AIの活用」です。
MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に限らず、HR(ヒューマンリソース)領域においても、2つのキーワードは非常に関連が深いです。
さらに求められていく「One to Oneマーケティング」
「One to Oneマーケティング」とは、顧客一人ひとりにあわせて展開するマーケティング活動のことであり、具体的には、顧客一人ひとりの属性や嗜好、購買履歴などから個別に最適化されたマーケティング活動を展開することを指します。
HR(ヒューマンリソース)業界では、採用領域、特に新卒採用において、その手法が顕在しています。
ここ数年、新卒採用は売り手市場が進行しており、優秀な人材は複数の企業からいくつも内定を受けるため、最終的に自社を選んでもらうためには、選考がスタートした段階から採用(マーケティング)活動が必要となってきます。
会社説明会はもちろん、選考プロセスの中にある適正検査の結果から、欲しい学生の価値観(嗜好)に合わせた採用活動が行われる事もあります。
学生に限らず、スマートフォンの普及により、メールやSNS、ブログなど様々なタッチポイントが増えたことにより受け取る情報が莫大な量となり、その情報の中から自社の目的を達成するために、その人に合せた情報提供やコンテンツが必要となってきています。
新卒採用では採用活動となりますが、BtoBマーケティングでそれを実現できるのが、マーケティングオートメーションになる訳です。
マーケティングオートメーションにおけるAIの期待
AIの台頭はマーケティングオートメーションだけでなく、HR領域においてもHRテクノロジーという形で話題になっています。
HR総研の過去の調査においては、AIが人事に及ぼす影響として「計算、入力等の作業に近い業務は全てAIやロボット等に置き換えられていき、人事業務の主流は、ヒトとしての知恵や発想が必要な「採用・タレントマネジメント・評価・管理」という軸に絞られてくることが予想される」「AIが人を判断する」などが挙げられ、実際には新卒採用のエントリーシートではAIを導入したソフトバンクの例や、従業員の離職データを蓄積し退職者予測をAIが行うサービスなどがあります。
マーケティングオートメーションにおいても、分析時間の短縮にAIが用いられるなど積極的な活用がされており、ほかにも分析精度の向上や顧客行動予測が期待されています。
まとめ
◆MA(マーケティングオードメーション)サービス市場は2017年には前年比23.0%増の301億9,000万円に達する見込み
◆受け取る情報量の拡大により「One to Oneマーケティング」がより求められており、それを実現できるのがマーケティングオートメーション
◆マーケティングオートメーションにおいて、分析時間の短縮にAIが用いられるなど積極的な活用がされているが、ほかにも分析精度の向上や顧客行動予測が期待されている