近年、Google広告の運用において自動化がどんどん進んでいます。以前は、検索キーワード1つ1つ入札調整を行ったり、曜日や時間帯、ターゲットに合わせて配信調整を行ったりと、細かなチューニングが効果を出すために必須でしたが、徐々に不要になってきています。
広告文に関しても自動化が進んでおり、レスポンシブ検索広告という配信方法がリリースされています。今回はレスポンシブ検索広告に関して効果を出す方法について紹介します。
リスティング広告の広告文作成ポイント | MarkeTRUNK
目次
レスポンシブ検索広告とは!拡張テキスト広告との相違点
レスポンシブ検索広告は、あらかじめ設定しておいた複数の「広告見出し」と「説明文」をユーザーの検索語句に対し関連性の高い内容になるよう、動的にGoogle側で組合せて表示される広告です。Google側で機械学習を行い、ユーザーの反応が良い広告を配信します。
従来の拡張テキスト広告は、広告見出しと説明文の組合せを設定し検証する必要がありました。レスポンシブ検索広告は広告の組合せの検証が不要になるだけではなく、ユーザーの使用しているデバイスにあわせて、表示する文字量を自動調整するなどのメリットがあります。
レスポンシブ検索広告は「広告見出し」と「説明文」で構成されており、まとめて「アセット」と呼びます。
①広告見出し 全角15字(半角30字)以内で、最小3個~最大15個設定可
②説明文 全角45字(半角90字)以内で、最小2個~最大4個設定可
レスポンシブ検索広告のメリット・デメリット
レスポンシブ検索広告は、これよって得られるメリット・デメリットを理解したうえで行っていく必要があります。
メリット① 広告効果が高まる
複数の広告見出しと説明文を入稿するため、ユーザーの検索語句との一致する確立が高まり入札の機会が増えます。入札の機会が増えることで、広告の表示回数(インプレッション数)を増やし、結果的にクリックやコンバージョンの獲得が増え、広告効果の向上が期待できます。
また、ユーザーが使用しているデバイスに合わせて、表示する文字数を自動的に調整するので広告の視認性が上がり、クリックされやすくなります。
メリット② 業務効率が上がる
レスポンシブ検索広告は、複数の広告見出しと説明文から、検索ワードとの関連性が高まるように何度も検索ワードをを繰り返し、最適な組合せで広告を表示してくれます。そのため、広告見出しと説明文の組合せに関する検証は不要となります。
効果検証が不要となった分、検索キーワードの分析や、広告見出しと説明文の訴求内容の分析に注力することができ、業務効率の向上につながります。
デメリット① 効果検証が限定される
レスポンシブ検索広告の成果を確認できるのは、表示回数(インプレッション)のみとなり、クリック数やCTR、コンバージョン数・CVRを確認することができません。また、設定した広告見出しや説明文それぞれのインプレッションで表示され、どの組合せに効果があったのかも分かりません。
表示回数(インプレッション)とともに、各広告見出しや説明文に対しパフォーマンス評価がでます。「最良」「良」「低」で評価され、それ以外に「調整中」「評価なし」があります。
それぞれの広告見出しや説明文の表示回数が一定以上になると「最良」「良」「低」の評価になるため、仮に「低」と評価受けたものに対しては、別のものに差替えるようにします。
デメリット② 意図しない広告が表示される
複数の広告見出しと説明文の中から、自動的に組み合わされて表示されます。そのため、広告見出しと説明文の組合せによって、意図しない文脈でユーザーに対しミスリードを招く恐れがあります。
どのテキストが組合せてもミスリードを招かないアセットを設定したり、表示を必須で設定できる「ピン留め」の機能を利用するなどして防ぐことができます。
レスポンシブ検索広告で効果を出すために大事なこと
レスポンシブ検索広告のメリットとデメリットを踏まえ、効果を出すためにどのように運用すればよいかポイントを紹介していきます。
①広告見出しと説明文のバリエーション
広告見出しは最大15個、説明文は最大4個まで設定することができます。バリエーションを分けて様々な訴求をした広告を作成すると、レスポンシブ検索広告の強みがより活かされるようになります。
最適な組合せを見つけられるように、製品・サービスの特徴や訴求ポイント、ターゲットユーザーの企業規模・業界などあらゆる角度から訴求したアセットを作ります。広告の見出しは最小でも8個以上を目安に、説明文は3個以上を設定すると良いでしょう。
②検索キーワードを取り入れる
検索語句と関連性の高いアセットを作るためには、広告見出しに検索語句(検索キーワード)を取り入れます。検索語句を取り入れることで、ユーザーが検索した際に表示されている広告を認識しやすくもなります。
③定期的なアセットのメンテナンス
レスポンシブ検索広告は、ユーザーの検索語句に対し最適な組合せの広告が表示されます。より最適な組合せを見つけるために、定期的にアセットをメンテナンスすることが重要となります。
アセットのレポートをもとに、表示回数が少ない、または、パフォーマンス評価が低いものを編集したり、新しいものを追加したり、メンテナンスを行っていきます。メンテナンスを行う場合には、既存のアセットと同じ訴求内容にならないように気をつけましょう。
④最適化案を活用する
広告運用を行うなかで、Googleから最適化案が表示されます。レスポンシブ検索広告以外にも予算の引き上げや、新しいツールの活用などの提案があります。
レスポンシブ検索広告の改善では、広告見出しの追加、よく使われているキーワードの広告見出しへの挿入、広告見出しや説明文を独自性のあるものへ変更があります。これらに従って改善することで、より最適なアセットを作っていくことができます。
レスポンシブ検索広告の効果を出すために必要な考え方
レスポンシブ検索広告はGoogle側で機械学習を行い、広告の検証を自動化しより最適な広告の組合せを表示してくれます。効果を最大化するためには、Google側の機械学習のために必要なデータが必要になります。
そのために様々なバリエーションのアセットと、最適な組合せを検証するための十分な運用期間が必要となります。
バリエーションが少なければ、組合せの数が少なくなり最適な組合せを見つけにくくなります。また、効果が出ないと十分なデータがたまる前に辞めてしまうと検証することができません。
また、機械学習の結果により出た運用成果に対し、原因を検討し次へ改善していくことが効果を出すうえでも重要となります。
まとめ
・レスポンシブ検索広告は、複数の「広告見出し」と「説明文」をユーザーの検索語句に対し関連性の高い内容になるよう自動的に組合せて表示される広告
・レスポンシブ検索広告のメリットは①広告効果が高まる、②業務効率が上がる、デメリットは①効果検証が限定される、②意図しない広告が表示される
・レスポンシブ検索広告の強みを活かすには、バリエーションを分けて様々な訴求をしたテキストを作成し、広告見出しは少なくとも8個以上、説明文は3個以上を設定すると良い
・より最適な組合せを見つけるために、定期的にアセットをメンテナンスすることが重要