SNSの普及により「インフルエンサー」という言葉が広く使われるようになってきましたが、具体的な意味や定義をご存知でしょうか?
今やSNSは、他の広告媒体と肩を並べるほど力を持ち、インフルエンサーはマーケティングにおいて重要な役割を担っています。
この記事では、インフルエンサーの意味や定義の解説から、マーケティングにおいてインフルエンサーがどのような役割を持つのか、その活用方法までをご紹介します。
目次
インフルエンサーの意味
インフルエンサーという言葉は、2007年頃からブログの流行とともに頻繁に使われています。
影響、感化、勢力、効果といった意味を持つ「Influence」が語源で「世間に対して大きな影響力を与える人物」という意味を持ちます。
従来、インフルエンサーと言えばメディアに露出する芸能人が代表的でした。SNSが普及した昨今は、芸能人だけでなくTwitter、Instagram、YouTube、TikTokといったそれぞれのSNSで活躍しているインフルエンサーが急増しています。
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インフルエンサーの定義
インフルエンサーの定義は確定的なものがなく、各メディアによって多少説明が異なる場合があります。ここでは影響力を表す指標としてフォロワーの数を用いながら、大きく4つの分類に分けてご紹介します。
トップインフルエンサー
100万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーは「トップインフルエンサー」に区分されます。世間に対して絶大な影響力があるため、TVに出演している芸能人や、スポーツ選手、トップモデル、政治家といった有名人・著名人が多く該当します。特定のジャンルに限らず、幅広い層から人気を集めていることが多いのが特徴です。
広告や投稿をユーザーに届ける「リーチ力」がとても高いのがトップインフルエンサーの強みです。
ミドルインフルエンサー
作家や漫画家、美容、料理といった特定のジャンルで活躍しているインフルエンサーは「ミドルインフルエンサー」と呼ばれます。
フォロワーの数は10万人~100万人が目安で、トップインフルエンサーのようにTVといった大きな媒体での露出は多くないものの、メディアへの出演や書籍を出版しているインフルエンサーもいます。
専門分野や、特定のメディアでは大きな知名度と影響力を持っているのが特徴です。
マイクロインフルエンサー
フォロワーの数が1万~10万人ほどの「マイクロインフルエンサー」は、芸能人だけではなく会社員や一部の学生など一般人にも該当する人が増えました。読者モデルやファッション関係者など、ミドルインフルエンサーよりもさらに専門的なジャンルや狭い分野で活躍している人が多いです。
トップインフルエンサーやミドルインフルエンサーに比べ、ユーザーとの距離感が近く身近な存在であることから、フォロワーそれぞれに情報が届きやすいです。
後で説明する「インフルエンサーマーケティング」において費用対効果に優れているのも、マイクロインフルエンサーの特徴です。
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ナノインフルエンサー
数千人~1万人ほどのフォロワーを抱えたインフルエンサーは「ナノインフルエンサー」と呼ばれます。フォロワーとの関係性が密接で、投稿に対するコメントやいいねといったリアクションも起きやすく、エンゲージメント率が高い傾向が見られます。
マイクロインフルエンサーよりも専門分野に特化した人が多いため、ターゲット層に直接情報を発信することが可能です。
インフルエンサーマーケティングとは?
インフルエンサーがSNSで発信する情報を企業が活用し、広告・宣伝を行うことを「インフルエンサーマーケティング」と呼びます。
人々の商品の購入基準は時代とともに変化しており「好きなインフルエンサーがオススメしていたから」という理由で商品の購入につながるなど、インフルエンサーの発信が人々の購買行動を左右する重要な要素になっています。
インフルエンサーマーケティングの市場規模は年々伸びており、今一番注目されているマーケティング手法です。
企業広告としてインフルエンサーを起用するメリット
インフルエンサーマーケティングは、従来のマーケティングと比べてどのような違いがあるのでしょうか?ここでは、企業広告にインフルエンサーを起用することで得られるメリットを3つご説明します。
ターゲットのユーザーを狙いやすい
従来の広告も有名人を起用していますが、広告という性質上多くのユーザーにみてもらうためにターゲットを広げる必要がありました。
また、Googleなどの広告のシステムにも依存していたため、ターゲット外のユーザーに配信されるケースもありました。
その点インフルエンサーマーケティングは「ターゲットのユーザーに向けてピンポイントに情報を発信できる」というメリットがあります。
美容系インフルエンサーを例に挙げると「化粧品の実際の使い心地」や「メイクでどのような色味がでるのか」といった口コミを投稿することで、直接商品の良さを伝えることができ、ユーザーは商品を購入する決め手となります。
フォロワーの性別、年齢、趣味趣向に合わせて広告を打つことで効率よく商品やサービスを認知させることができるため、企業側もある程度の商品の購入を見込めます。
一般的な広告よりも受け入れられやすい
インフルエンサーによる商品レビューや口コミは、一般的な広告に比べて広告感が少なく、同じ消費者目線での意見としてフォロワーに受け入れられる傾向があります。
フォロワーとインフルエンサーの間には信頼関係が構築されているため、インフルエンサーが商品を利用することで、安心感を与えることができます。
関連記事:なぜインフルエンサーマーケティングが選ばれるのか?Web広告の費用と比較し解説
SNSを通して口コミと拡散が期待できる
インフルエンサーの発信した情報はSNSの機能によって拡散される可能性があるため、ブランドの認知や流行の火付け役となる場合もあります。
フォロワーからさらにそのフォロワーへと情報が拡散されて、より多くのユーザーへ情報が届きます。
このように、インフルエンサーを広告に起用することはマーケティングにおいて大きな影響力をもたらすと考えられています。
関連記事:口コミで広がるバイラルマーケティング!そのメリットや実施のポイントとは?
インフルエンサーを効果的に活用する方法
インフルエンサーの選定によりマーケティングの効果は大きく変わります。
ここでは、インフルエンサーマーケティングを行う際に注意すべきポイントを3つご紹介します。
目的とターゲット層を明確にする
SNSでは数多くのインフルエンサーが活躍していますが、得意とするジャンルや投稿のコンセプトは人それぞれです。彼らの活動やポリシーに共感したファンが存在しており、専門性に特化したコアなファンがいる場合も多いです。
そのため、企業側は商品やサービスを広告・宣伝してもらう際に「どういった層に届けたいか」という目的を明確にすることが大切です。
その上で、インフルエンサーのフォロワーの年齢層や性別、趣味趣向などがイメージに合っているかをしっかりと見極め、選ぶようにしましょう。
フォロワーの数だけで選ばない
マーケティングにおいて最も重要なことは、費用対効果を最大限に引き上げて施策を成功させることでしょう。
「起用するインフルエンサーは、フォロワーが多ければ多いほど良い」と思っていませんか?
いくらフォロワー数が多くても、商品やサービスがインフルエンサーの特徴とマッチしていないとフォロワーの反応が鈍くなることがあります。
特に、フォロワーの数が1万~10万人のマイクロインフルエンサーは、トップインフルエンサーやミドルインフルエンサーよりも比較的フォロワーとの距離が近く、一人ひとりのユーザーに対してより大きな影響力を持っています。
そのため「フォロワー数=拡散力がある」は誤りで、トップインフルエンサー1人に広告・宣伝をしてもらうよりも、マイクロインフルエンサーを複数人登用する方が高い効果が期待できます。
PRであることはしっかりと明記する
広告や宣伝であることを隠し、一般消費者の立場を装ってサービスのPRをしてもらう行為は「ステルスマーケティング(stealth marketing )」に発展する場合があり、かえってユーザーの信頼を損ねてしまいます。
インフルエンサーマーケティングを行う場合、PRであることをしっかりと明記した上で、投稿に信頼を持てるインフルエンサーを起用することが望ましいです。
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インフルエンサーのまとめ
インフルエンサーは影響力の大きさによって分類することができ、さまざまな分野で専門性をもったインフルエンサーが増えています。
検索エンジンでは膨大な量の検索結果が表示され、数えきれないほどの商品やサービスで溢れかえっています。そんなとき、自分の趣味や趣向が近かったり、憧れのインフルエンサーが商品を紹介していたら「試してみようかな」という気持ちになります。インフルエンサーマーケティングの強みは、まさにそのような形でユーザーに直接情報を届けられる点です。
一方で企業のインフルエンサー活用が増えることで、広告に対して懐疑的な見方をするユーザーもいます。
企業に対する信頼を損ねないよう、商品やサービスのイメージに合ったインフルエンサーを選定し、熱量のある投稿や発信をしてもらうことが大切です。
インフルエンサーマーケティングを初めて実施する企業は「どうやってインフルエンサーを探せば良いのか」「インフルエンサーを選ぶ決め手を知りたい」と悩んだ際に、今回の記事を参考にしてみてください。