マーケティング業務は、Webサイト改善、Web広告運用、オンラインセミナー開催、展示会出展、メルマガ配信、ホワイトペーパー作成など多岐にわたり、パソコン上で作業を行い、そして分析をすることが多いです。
それゆえに、セールスやカスタマーサクセスと比べると顧客の接点量は少なく、顧客の解像度は低くなりがちです。
今回はマーケティング担当者がターゲット顧客の解像度を高める方法を紹介します。
目次
顧客の解像度とは?
顧客の解像度とは、ターゲット顧客の業種業態や企業規模などの属性に加え、企業の置かれている環境や抱えている課題、そして、担当者や決裁者の部署・役職・役割などの情報の解像度を指します。明らかになっている情報が多ければ顧客の解像度は高まり、情報が少なければ少ないほど解像度は低くなります。
マーケティング担当者はターゲット顧客に対し様々なチャネルでコンテンツを発信し、ターゲット顧客の認知を得て、興味関心を惹かせ、資料請求や問合せなどのアクションを促します。
ターゲット顧客の解像度が低ければ、マーケティングの施策は的外れになってしまい継続的に成果を出すことが難しくなります。
顧客の解像度を上げることはターゲティングの精度を上げることであり、マーケティング施策で成果を出すために非常に重要です。
顧客を理解するために必要なツール
ターゲット顧客を理解するために必要なものとして、ペルソナとカスタマージャーニーがあります。顧客の解像度を高くすることは、ペルソナやカスタマージャーニーの精度を上げることにもつながります。
①ペルソナ
ペルソナは商品・サービスにおける、典型的で象徴的なユーザー像です。
氏名・年齢・性別・住んでいる地域・家族構成などの基本的な項目から、職業・役職・年収などの働いている環境、趣味・価値観・ライフスタイルなどのプライベートな部分まで詳細に設定し、実在する人物のように設定します。
関連記事:今さら聞けない、マーケティングにおけるペルソナの作り方とは?
②カスタマージャーニー
カスタマージャーニーはペルソナが認知から購入に至る一連のプロセス(行動、思考、感情など)を時系列化し、そのプロセスの途中でどんな体験をして、どんな心理的変化を起こすのかを見極め、マーケティングに活用するためのフレームワークです。
顧客行動プロセスを把握し、どのタイミングで、どのような情報を顧客に提供するべきなのかなどを正確に掴むために有効です。
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顧客の解像度を高める6つの方法
マーケティング担当者が幅広い業務をこなす中でも、顧客の解像度を高めていく方法を紹介します。
①導入事例インタビュー
Webサイトに掲載する導入事例コンテンツを作成する際には、導入企業へのインタビューを行います。製品・サービス導入の背景や目的、効果はもちろん、製品・サービスを認知してから導入までに至るプロセスも聞きます。
どのように製品・サービスを知って、どのようなことを調べたのか、どのような情報が足りなかったのか、また、製品・サービスの選定基準や競合他社との比較など、具体的な話を聞きながらターゲット顧客の解像度を高めていきます。
②展示会出展・イベント開催
展示会に出展したり、イベントを開催することで見込み顧客と直接会話ができます。特に展示会は、1日で数十人と話ができるのでおすすめです。
具体的なソリューションを検討するためや、情報収集のためなど来場の目的はそれぞれですが、どのような課題を持っているのか、具体的に聞くことができます。
③営業同行
商談に同行して顧客のことを理解するのに、一番手っ取り早い方法です。ターゲット顧客の商談に至った理由や課題を把握します。
④トップセールスインタビュー
営業同行が難しい場合、トップセールスにヒアリングすることもできます。商談をするなかで、顧客がどういう課題を持つ傾向にあるのか、把握することだけでも解像度が高まります。
⑤受注・失注・解約理由の分析
セールスインタビューする際には、直近の商談状況や解約理由を事前に把握すると、より解像度の高いインタビューができるようになります。
商談の受注理由や失注理由から顧客像の仮説を立て、トップセールスインタビューで検証することができます。
⑥見込み顧客インタビュー
製品・サービスを導入していない見込み顧客へのインタビューを図ることで、よりリアルな顧客像を持つことができます。
また、競合他社の製品・サービスを導入した人にも話を聞くことができるでしょう。競合他社を選んだ理由や、競合他社との比較を積極的に聞きます。
見込み顧客インタビューは対象者を募集し、有償でインタビューを行います。有償で行う分、解像度の高い顧客像を持つためにインタビュー内容の設計を入念に検討しておく必要があります。
顧客解像度をマーケティングに活かす方法
顧客解像度の高い状態でマーケティング施策を実施していくのは当たり前ですが、実際にどのようにマーケティング施策に活かしていくのか、その方法を紹介します。
①チャネル選定
顧客解像度を高めることで、ターゲット顧客が接点を持つチャネルが明確になります。新聞雑誌やWebメディア、検索エンジン、展示会など適切なチャネルを選定し、効率よくアプローチすることができます。
②コンテンツ改善
また、ターゲット顧客が抱える課題や知りたい情報なども明らかになります。それらをもとにコンテンツ企画を行い、ターゲット顧客に適したコンテンツを提供できるようになります。
③メッセージング
顧客解像度を高めたことによって明らかになった顧客の課題から、ターゲット顧客に刺さるメッセージを作成できるようになり、興味・関心を惹くことができます。
④CTA設計
ターゲット顧客が知りたい情報を整理することで、カスタマージャーニー上のそれぞれのステージで適切なCTAを設計できるようになります。
ペルソナ・カスタマージャーニーは定期的にアップデート
ビジネス環境の複雑化や急速な変化によって、顧客の抱える課題は常に変化しています。これらの変化にともない、顧客の解像度を高く維持していくためには定期的なアップデートが重要です。
ペルソナやカスタマージャーニーは一度作成してからも、半年~1年に1回の頻度でアップデートするのがおすすめです。
アップデートしたペルソナやカスタマージャーニーをチームで共有し、チーム全体の顧客解像度を上げることにより、精度の高いマーケティング施策が打てるようになります。
まとめ
・顧客の解像度とは、ターゲット顧客の業種業態や企業規模などの属性に加え、企業の置かれている環境や抱えている課題、そして、担当者や決裁者の部署・役職・役割などの情報の解像度を指す
・顧客の解像度を高くし、ターゲティングの精度を上げることが、マーケティングで成果を出す上では非常に重要
・顧客の解像度を高めていく方法は①導入事例インタビュー、②展示会出展・イベント開催、③営業同行、④トップセールスインタビュー、⑤受注・失注・解約理由の分析、⑥見込み顧客インタビューの6つある
・顧客の解像度を高く維持していくため、ペルソナやカスタマージャーニーは一度作成してからも、半年~1年に1回の頻度でアップデートするのがおすすめ