実店舗でビジネスを行う企業や個人事業主の集客・広報活動に大きな影響を与える「MEO対策」をご存じでしょうか。
Google検索などで自社のサイトを上位表示させるためにSEO対策はしているけれど、「MEO対策まで必要なのか」「そもそもMEOとは何なのか」と、疑問に思ったり課題に挙げたりしている担当者も多いようです。
そこで、本記事ではMEO対策とは具体的にどのようなものなのか、MEOの意味からメリット・デメリット、注意点まで、初心者にも分かりやすく解説します。
目次
MEOとは何か？
MEO（Map Engine Optimization）とは簡単にいえば、Googleマップなどの検索で上位表示されるための施策です。Map Engine Optimizationを訳すと「マップエンジン最適化」という意味になり、その略称であるMEOという単語自体は、主に国内のみで使われる日本独自の造語です。以下でMEOの概要やMEO対策とは何かについて、詳しく確認しましょう。
MEOとMEO対策の概要
MEOとは、インターネットを通してユーザーが気になる施設や行きたい店舗を検索した際に、Googleマップなどの地図上で、その情報を上位に表示させることです。
スマートフォンなどのモバイル端末で、ユーザーが知りたい情報をいつでもどこでもすぐに検索することが主流となった現代において、MEOを正しく理解することは、実店舗ビジネスを成長・成功させるために欠かせないプロセスになっているといえます。
店舗を持つ企業や個人が、効率よく多くの人に自社の情報を知らせ集客するには、ユーザーの利用率が高いGoogleマップ上などで、できるだけ目立つ上位の位置に店舗情報を表示させるMEO対策が重要です。
これまでに多くの企業が取り入れているSEO（Search Engine Optimization：検索エンジン最適化）と同様、徹底したMEO対策で検索結果を高い位置に表示できれば、店舗の認知度が飛躍的に向上し、集客増にも期待が持てるでしょう。
MEOとSEOの違いは？
MEOとSEOの大きな違いは、MEOが地域のターゲットユーザーに直接アプローチできること。ユーザーが「地域の名前」と「関連するキーワード」をいっしょに検索するGoogleの「ローカル検索」では、店舗の詳細（店名・住所・写真・店舗カテゴリー・レビューなど）と地図が検索結果として同時に表示されます。
例えば「新宿 ランチ」のように、ユーザーがその地域とサービスをあわせて検索することで、画面上の検索結果には新宿でランチができる店の地図と詳細な店舗情報が順番にずらりと表示される仕組みです。
地域が検索によりピンポイントで限定されるため、適切なMEO対策を行えば、SEO対策と比べて上位表示させやすいともいわれています。
検索結果で自社の店舗が高い位置に表示されれば、必然的に下位の店舗よりも多くのユーザーの注目を集めることができます。対策のやり方次第では、MEOの最大の目的ともいえる「ユーザーの来店」という成果を「素早く出せる」また「出し続けられる」ような、有効で効率のよい施策になるでしょう。
ローカルSEOとの違いは？
MEOとは主に日本国内で使用している用語です。一般的に海外ではMEOと同じ意味の施策を「ローカルSEO」と呼んでいます。
MEOとローカルSEOとの違いはほぼありません。基本的にどちらも地域情報に特化している「マップエンジン最適化」です。MEOとは日本での呼称、海外では主にローカルSEOと呼んでいると理解しておきましょう。
MEO対策のメリットとデメリット
MEO対策とは、Googleマップなどの検索結果で上位をねらう施策ですが、メリット・デメリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。以下で具体的な内容を確認しましょう。
MEO対策のメリット
ポータルサイトなどに広告を掲載すると、MEO対策と比べて高額な費用（コスト）がかかります。MEO対策は専門業者などに依頼したとしてもWeb広告より安価である場合が多く、基本的に無料のツール（Googleマイビジネス）が利用できるため、内製化した場合はほぼコスト（費用）をかけずに対策ができるでしょう。自社のWebサイトをつくっていない店舗の運営者でも、わずかな作業時間だけで宣伝広告・集客活動を行えることがポイントです。
また、地図と店舗の名前が同時に表示されるため、小規模店であってもユーザーから認知されやすく、地域の顧客を獲得しやすいこともメリットの一つだといえます。
上位表示が続けば、クリック数やアクセスが飛躍的に増え、認知度も高まります。さらには、「○○といえば□□店」というような、地域でのブランディング効果にも期待が持てます。
MEO対策のデメリット
MEO対策で気をつけたいことは、良い口コミがある一方で、悪い口コミもあると、前もって理解しておくことです。口コミ自体は誰でも閲覧できるため、ユーザーの評価次第では、店側の想定を超えるネガティブな影響があるかもしれません。
良い評価は新たな顧客を呼びますが、悪い評価が続けばビジネスにおいてリスクとなります。明らかに悪意のある第三者が書いた口コミはGoogle社に「削除依頼」として報告できるものの、まずは店舗でのサービス内容に問題がないかどうか、定期的に口コミをチェックし、スタッフと責任者で情報共有することが大切です。必要があれば見直しや改善につなげていきましょう。
上位表示はやり方次第？MEOの具体的な対策とは？
MEOとは何か、なんとなくは理解できたけれど「どのように始めればよいかが分からない」という担当者も多いのではないでしょうか。MEO対策で知っておきたい手順や具体的な方法は以下になります。
Googleマイビジネスに登録
MEO対策とは「Googleマイビジネス」に店舗の情報を登録することから始まります。
Googleマイビジネスとは、オンライン上で実店舗の情報管理や発信、口コミの返信などができるGoogle社提供のサービスです。ユーザーが必要とする情報をGoogleマイビジネスに正しく入力すること、詳細として店舗イチオシのポイントやメニュー、イベントなどの情報を充実させることなどで、他店との違いをアピールできます。
Googleマイビジネスは無料で登録できることがポイントです。検索結果に表示される店舗の写真を追加・編集するなど、プロフィール管理も随時簡単に行えます。MEO対策をまずは取り入れてみたいという初心者でも、気軽に始めることができるでしょう。
MEOの具体的な対策方法
Googleはローカル検索結果の順位が決定されるアルゴリズムの指標として、関連性・距離・知名度の3点を挙げています。つまり、Googleマイビジネスで店舗を上位表示させるためには、これら3点の改善を常に行う必要があるということです。
地域的な問題としてユーザーとの距離を変えることはできないため、残りの2点である、関連性と知名度を意識してMEO対策を行いましょう。
Googleマイビジネスの口コミや評価を増やせば、Googleが指標とする検索の関連性が高まるといわれています。ユーザーが検索しそうなキーワードをGoogleマイビジネスに登録しておくことも重要です。
また、SNSを積極的に利用すれば、実店舗の詳しい情報をこまめに発信・投稿できます。そこでユーザーを増やし、知名度を上げることも有効な施策となるでしょう。
MEOの注意点
店舗を持つ企業や個人事業主にとっ取り組むメリットの大きいMEO対策ですが、自社の情報を広め、飛躍的なビジネス成長につなげたいあまりに行き過ぎた対策を行えば、Google社からペナルティーを受けることがあります。
そのペナルティー事案の多くは、口コミや評価などの「やらせ投稿」です。なりすましで口コミを投稿していたり、明らかに高評価の数が多かったりなど、Google側が店舗側の「やらせ投稿」を発見した場合、利用規約違反でアカウントを削除、または検索で店舗が表示されにくくするといったペナルティーを科すことがあります。
口コミとは、実際に利用したユーザーの声が蓄積されるため、実績として反映されるまでに一定の時間がかかります。そのため悪質なMEO対策の典型として、架空アカウントを大量に作成し、あたかも店舗を実際に利用したかのような「やらせの口コミ」を一気に投稿してしまうことが考えられます。
MEO対策に取り組む企業や個人事業主が増えている今、利用規約違反でペナルティーを受け、競合に差をつけられることがないよう「ルールを守ってリスクを回避すること」「悪質な業者にMEO対策を依頼しないこと」が大切です。
実際に店舗を利用したユーザーに口コミ投稿の特典をつけたり、定期的に口コミ投稿キャンペーンを行ったりするなど、適切なMEO対策の設定で、上位表示を目指しましょう。
まとめ
MEOとは「マップエンジン最適化」を意味し、MEO対策とは、Googleマップなどの検索で、上位表示させる取り組みのことを指しています。
無料のツール「Googleマイビジネス」に登録して店舗の詳細を入力すれば、オンライン上で、さまざまな情報を管理することができます。
対策のやり方次第では、SEOと比べて上位表示させやすいことが特徴です。
適切なMEO対策を行えば、地域での知名度を高められ、継続的なビジネス成長にも期待が持てるでしょう。
Webの担当者や店舗の責任者は「MEOとはどのようなものなのか」、その意味やメリット・デメリットを正しく理解し、集客施策の一つとして活用するとよいでしょう。
