ヒートマップとは、サーモグラフィー状に可視化できる機能を使用して、コンテンツを閲覧したユーザーのクリック位置や離脱位置を把握し、ユーザーのサイト内での行動を調査できるツールのことです。コンテンツのリライトや、ランディングページの最適化(LPO: Landing Page Optimization)を行う中で特に役立ちます。
本記事では、ヒートマップで分かることや効果的な活用方法を解説するとともに、ヒートマップから得られる情報による改善方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ヒートマップ(ツール)とは?
まずは、ヒートマップについてご説明します。ヒートマップは上述したように、コンテンツを閲覧したユーザーの行動を分析できるツールです。
コンテンツをより高品質なものにしようと思っても、ユーザーの行動を分析できなければ改善はできません。そこで役立つのがヒートマップです。ユーザーの行動をサーモグラフィー状に可視化することで、離脱ポイントやクリックポイントを確認できます。
ヒートマップでわかること
ヒートマップを利用することで、下記3つのユーザー行動がわかります。
● 熟読エリア
● 離脱エリア
● クリックエリア
それぞれ順番に見ていきましょう。
熟読エリア
まずは、熟読エリアです。熟読エリアとは、文字通りコンテンツのどの部分が読まれているのかを表すエリアのことで、赤色が最も読まれている箇所になります。次いで、緑、青色と寒色に近づくほど読まれていないエリアとなります。
つまり、赤色に関しては「なぜ読まれているのか」を分析し、寒色エリアに関しては「なぜ読まれていないのか」を分析できます。
離脱エリア
離脱エリアとは、コンテンツのどの部分まで読まれ、どの部分で読まれているかがわかるエリアのことです。また、コンテンツを閲覧したユーザーの何%が離脱しているのかも分析できます。
クリックエリア
クリックエリアとは、文字通りクリックされているエリアのことです。クリック回数が多い箇所は赤色で表示され、少ない箇所は緑色で表示されます。
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ヒートマップの効果的な活用方法
ここまで、ヒートマップの概要を解説してきました。ここからは、熟読エリア、離脱エリア、クリックエリアの3点に関して、確認するべきポイントと改善点をご説明します。
熟読エリアで確認するべきポイント
まず、熟読エリアでは下記2点を確認することが大切です。
● 予想以上に熟読されているエリア
● 熟読してほしいのにされていないエリア
これらを踏まえた上で、改善すべきは下記2点になります。
● 可読性を上げる
● 熟読されていない箇所は削除
それぞれ順番に解説します。
改善①:可読性を上げる
まずは、コンテンツの可読性を上げることが必要です。可読性が低いとコンテンツが読みづらく、離脱率が上がってしまいます。
可読性を上げるためには、図や表を挿入し、文字装飾をするなどの工夫が必要です。読んでほしいのに読まれていない箇所の周りに関しては、特に可読性を上げるようにしましょう。
改善②:熟読されていない箇所は削除
次に、熟読されていない箇所に関しては、基本的に削除する形で問題ありません。熟読されていない箇所が残ることで、離脱率が上がる大きな要因となってしまうためです。
熟読されていない箇所の文章を、別の場所に移動させる手段もありますが、読まれていない=ユーザーが求めていない情報である可能性が高いため、基本的に削除することを検討しましょう。
離脱エリアで確認するべきポイント
次に、離脱エリアでは下記2点を確認しましょう。
● 離脱率が高いエリア
● コンバージョンポイント
これらを踏まえた上で、下記2点の改善が必要です。
● 表示スピード
● コンバージョン(CV)のボタン周り
● コンバージョンポイント
それぞれ順番に見ていきましょう。
改善①:表示スピード
まずは、表示スピードです。稀にリード文付近で大幅に離脱しているコンテンツがありますが、これは表示スピードが遅いことが原因で、ユーザーがそもそもスクロールしていない可能性があります。
ランディングページ(LP)に関しては表示速度が遅くなることがあまりありませんが、SEOコンテンツの場合は特に表示速度を改善することが重要です。
改善②:コンバージョン(CV)のボタン周り
次に改善するべきは、コンバージョンのボタン周りです。ボタン周りで離脱されてしまうと、結果的にコンバージョンが減ることに繋がり、売上やお問い合わせに繋がりません。
例えば、ボタン周りの文言や画像を見直したり、お問い合わせへの訴求方法を検討したりしましょう。
改善③:コンバージョンポイントを見直す
最後に、コンバージョンポイントの見直しです。離脱が集中している箇所にボタンを設置してしまうと、クリック率が下がり、機会損失となります。
したがって、離脱していないエリアを見極め、そこにコンバージョンボタンを移動させるなどの対策をすることが重要です。
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クリックエリアで確認するべきポイント
次に、クリックエリアでは「ボタンがないのにクリックされている箇所」を確認することが必要です。したがって、改善点に関しても、ボタンがないのにクリックされている箇所に、ボタンを移動させることになります。
ユーザーがクリックする際は、画面を拡大したいか、ボタンをクリックしたいかの2択です。空クリックが多発すると、コンバージョン率・コンバージョン数が減るため、ボタンを空クリックの位置に移動させるなど対策をしましょう。
ヒートマップのより効果的な活用方法
ここまで、ヒートマップの効果的な活用方法を解説してきました。ここからは、より効果的な3つの活用方法をご説明します。
● 新規ユーザーとリピートユーザーの使い分け
● コンバージョンユーザーに絞り込み
● アクションボタンのチェック
それぞれ順番に見ていきましょう。
新規ユーザーとリピートユーザーの使い分け
ヒートマップでは、新規ユーザーとリピートユーザーで、それぞれのデータを分析できます。オフラインでの営業をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、新規の顧客と、リピート顧客では当然ながら対応が異なります。
したがって、それをWebコンテンツにも当てはめることが重要です。新規ユーザーとリピートユーザーそれぞれの分析を行い、それぞれに最適化したコンテンツとなるよう改善しましょう。
コンバージョンユーザーに絞り込み
上述したユーザーの使い分けと同様に、コンバージョンユーザーに絞り込むことも可能です。コンバージョンユーザーのヒートマップを確認し、どのボタンからコンバージョンしているのか、なぜそのエリアからコンバージョンしているのかを分析しましょう。
アクションボタンチェック
お問合せフォーム直前等の、アクションボタンに関してもチェックしましょう。ありがちなミスとしては、ボタンを設置しすぎてしまい、結果ユーザーに迷いを与えてしまうことです。したがって、ボタンはできる限り必要最低限に留めることが重要です。
一方で、ボタンのクリック率が上がらない場合は、ボタンを大きくしてみたり、「完全無料」等のクリック率が上がるテキストをボタン周りに配置してきましょう。
ヒートマップを利用するべきコンテンツ
最後に、ヒートマップを利用するべき2つのコンテンツを解説します。
● ランディングページ
● SEOコンテンツ
それぞれ順番に見ていきましょう。
ランディングページ
まずは、ランディングページです。ランディングページ最適化(LPO: Landing Page Optimization)を行うためには、当然ながらユーザーの行動を的確に分析することが必要になります。そこで役立つのがヒートマップで、離脱エリアを確認して文章を見直したり、クリックエリアを確認してクリック率を向上させたりします。
CVRが1%上がるだけで売上が2倍に増えることもありますので、多くのお問い合わせを獲得するためにも、ランディングページ改善には必ずヒートマップを使いましょう。
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SEOコンテンツ
次に、SEOコンテンツです。SEOコンテンツをリライトする上では、Google AnalyticsやSearch Consoleを使用するケースが多いかとは思いますが、これはあくまでページ単位でしか確認ができません。
ただし、ヒートマップではページの中の細かな箇所を可視化できるため、役立てることでより魅力的なSEOコンテンツに仕上がります。
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まとめ:ヒートマップを使いこなしてCVRを高めましょう
ヒートマップの概要や、効果的な活用方法を解説してきました。ヒートマップを使いこなすことで、ユーザーの行動を正しく分析できることに繋がり、結果的にCVRが高まります。
まずは、本記事で解説したヒートマップの使い方をマスターし、コンテンツの改善を効果的に行ってみてはいかがでしょうか。