検索エンジンにとって生命線でありユーザー体験にとって最も重要な「アルゴリズム」。中でもマーケティング担当者にとって「検索アルゴリズム」は、自社のコンテンツを検索エンジンで上位表示させる指標として、押さえておきたい重要な施策の一つとなります。
Google検索などで、自社で対策をしているWebページを出来るだけ高い位置に表示させたり、そのランク(順位)をキープしたりするためには、日々変化する検索アルゴリズムの意味や仕組みを理解しておくことが大切です。
本記事では、検索エンジンの最適化やSEO対策に関連するアルゴリズムの基礎知識から表示順位決定の要素まで、詳しく解説します。
目次
アルゴリズムの意味とは?
以下ではアルゴリズムについて解説をします。
● アルゴリズムとは
● 身近なアルゴリズムの例
● コンピューターにおけるアルゴリズム
アルゴリズムとは
アルゴリズムとは、日本語では「算法」や「演算法」として直訳され、ある特定の課題を解決する「計算方法」や「処理方法」「手順」のことを指しています。いわゆる答えを導き出す方法や手順を具体的かつ明確に示したものと言えます。
そしてその方法や手順に従って答えを導き出すことで、誰でも同じ結果を得ることができます。またアルゴリズムは答えを導き出す方法や手順を少し変えるだけで、処理時間を大幅に短縮できる可能性を秘めています。
当然ながら、その逆もまた然りで場合によっては効率を悪くしてしまう可能性もあります。こういった特性から、特にコンピューターやプログラムのパフォーマンスを向上させるうえで、日々のアルゴリズム改良は欠かすことのできないものとなります。
身近なアルゴリズムの例
アルゴリズムは私たちの身近なところに存在しています。例えば、工場における作業手順や飲食店における作業マニュアル、ホテルや旅館などで必要な接客マニュアルなど、これらは一種のアルゴリズムと言えます。その他にも料理レシピやゲーム攻略法、各種取扱説明書なども同様です。
ハンバーガーを作る場合のアルゴリズム例
例えば、ファーストフード店でハンバーガーを作る場合、まずはバンズやパティ、野菜などの食材を揃えるところから始めます。そしてその食材を切る、焼くなどの加工を施してから、バンズに挟んで調味料をかけ、盛り付けをしていきます。
この段階を追った作業手順をアルゴリズムと言います。人によってはこの作業手順を改良し時短できる人もいれば、逆に作業手順が悪く思った以上に時間がかかってしまう人もいます。そのあたりがいわゆるアルゴリズムのデータ処理速度にあたる部分です。
コンピューターにおけるアルゴリズム
コンピューターにおけるアルゴリズムとは、わかりやすくいえばコンピューターを使って効率的に目的を達成させる方法を明確に示したもので、プログラムにおいてアルゴリズムはいわゆる基盤的な仕組みです。多種多様なプログラムの中で、処理能力などのパフォーマンスを向上させる役割を担っています。
いかに賢くコンピューターに計算させるかが重要となり、効率のよいプログラムを維持するには常に更新や見直しが必要です。よりよい計算方法や手順を見つけるのが、アップデートなどに伴う「アルゴリズムの改良」となります。
アルゴリズムやその意味については普段意識をしていなくても、私たちの生活のあらゆる場所で活用・改良され、便利で快適な日常と密接につながっていることが特徴です。
例えば、日常的に使用している「乗り換え案内アプリ」や「カーナビ」は、複数の到達経路からユーザーにとって最適なルートをアルゴリズムによって導き出しています。
もっとも安く、もっとも早くなど、様々なユーザーニーズに合わせた計算方法・処理方法を明確にし、提示によって課題解決を行うアルゴリズムの実装がポイントです。
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アルゴリズムとフローチャート
アルゴリズムを可視化した場合、フローチャートを用いて表すことができます。フローチャートは業務フローやプロセスなどを可視化したチャートである他、もともとコンピューターアルゴリズムなどを表した流れ図なども含まれます。
複雑化しやすいプロセスを可視化し「計画」「学習」「改善」「伝達」といった項目をフローチャートに記録していくことで、より効率的かつ効果的に結果を導き出していきます。アルゴリズムとフローチャートはこのように相性がよく、アルゴリズムのパフォーマンス向上には欠かせないツールとなっています。
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なぜアルゴリズムが必要なのか
アルゴリズムが必要な理由はさまざまありますが、主に以下が挙げられます。
● 効率化のため
● 手順を改善するため
効率化のため
アルゴリズムを活用すると、業務フローやプロセスが可視化され必要な作業が明確になるため、作業を効率化できます。一度アルゴリズムを組み立て、作業に着手する全員がそのアルゴリズムを忠実に実行することで、品質の安定が確保され業務の効率化が実現できます。
また新たに作業に加わる新人の教育も、先輩従業員と同じアルゴリズムで実行させることで作業の標準化ができ、短期間のうちに効率よく仕事を覚えさせることができます。しかしながら、作業の標準化を行えるアルゴリズムにするためには、誰が作業しても同じ作業手順、同じ結果となるように組み立てる必要があります。
手順を改善するため
作業手順や作業方法にアルゴリズムを活用して組み立てると、可視化したときにどのフェーズに問題があるのかを特定しやすくなります。そのため、作業手順を改善できることにつながります。
例えば、ポテトチップスを作ろうとしたときに、作業手順を「じゃがいもを薄くスライスして弱火でじっくりあげる」とだけ書かれていた場合、複数の人間が同じ品質のポテトチップスにできる可能性は皆無に等しい状態となります。
スライスしたじゃがいもの厚さはバラバラとなり、生焼けの状態になってしまう人、焦がしてしまう人、さまざまなケースが出てきます。ですが、アルゴリズムを活用した作業マニュアルがある場合、誰が作業しても品質を一定に保つことができます。
アルゴリズムを活用した作業マニュアルの場合
例えば、以下のようなアルゴリズムを活用したマニュアルがあれば、失敗することなく誰が作業しても同じ揚げ具合のポテトチップスとなります。
1.じゃがいもをスライサーで厚さ1ミリにスライスする
2.水気をしっかり切り乾燥させる
3.揚げ油はサンフラワーオイルを使用する
4.温度計とタイマーを使用し150度から160度の低温で2分揚げる
また例えば、仮に焦がしてしまったときでも上記のようなアルゴリズムを組み立てておくことにより、焦げた原因を比較的簡単に特定することができます。
スライサーを使用してじゃがいもをスライスしている場合、薄さの度合いに問題がないことは把握できます。また揚げ時間も2分きっかりで引き上げている場合は、揚げ時間にも問題がないことが分かります。こういったときは、揚げ時間2分の間に油の温度を一定に保つことができず、160度以上に上昇させてしまったことが焦げた原因であると特定できます。
しかしアルゴリズムを組み立てていない場合は、焦げた原因を特定することができません。じゃがいもの厚さは各人バラバラで下処理の方法も異なり、さらには油の温度も揚げ時間も異なっているためです。このようにアルゴリズムをしっかり組み立てることにより作業手順が明確化され、改善すべきところを見出していくことができます。人に依存せず属人的任らなずに作業工程を改善することができるのです。
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アルゴリズムの例
アルゴリズムの例としては主に以下が挙げられます。
● ソートアルゴリズム
● 探索アルゴリズム
ソートアルゴリズム
ソートアルゴリズムは指定した特定の条件に従ってデータを並べ替えます。アルゴリズムの中では基本と言えます。「ソート=Sort」とは「並べ替え」「整理」といった意味となり、データの集合を一定の基準に沿って並べ替えることを言います。主にソートアルゴリズムには以下があります。
● バブルソート
● クイックソート
● マージソート
● ヒープソート
● 選択ソート
● 挿入ソート
など
探索アルゴリズム
探索アルゴリズムはデータの集合の中から条件に一致した値を見つけます。もっとも有名な実用例のひとつがGoogleやYahooといった検索エンジンです。主に「二分探索アルゴリズム」と「線形探索アルゴリズム」に分けられます。
二分探索アルゴリズムはデータ群を2つに分け、どちらのグループに当該値が属しているかを判断します。これを何回も繰り返すことで探索範囲を狭めていきます。一方、線形探索アルゴリズムはデータの集合を先頭から順に、条件に照らし合わせて探索していきます。
もっともシンプルかつ原始的なアルゴリズムで、仮に当該値が最後の方にあった場合、ほぼすべてのデータを探索することになるため時間も手間もかかるというデメリットがあります。
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検索アルゴリズムとは?
以下では検索アルゴリズムについて解説します。
● 検索アルゴリズムの意味
● 検索アルゴリズムが企業にとって重要な理由
検索アルゴリズムの意味
生活のいたるところに存在する、アルゴリズムを組み込んだプログラム。その中でも、企業のマーケティング担当者から注目度が高いのはSNSやGoogle・Yahoo!などに用いられている「検索アルゴリズム」です。
例えば、X(Twitter(ツイッター))におすすめアカウントが表示されたり、Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)で関連性の高い投稿が表示されたりするなど、SNSはさまざまなアルゴリズムによって各ユーザー向けに内容がカスタマイズされていますが、トップツイートやハッシュタグなどのプログラムに実装されているのが、検索アルゴリズムです。
検索アルゴリズムとは、特定の文書などにランク(順位)をつけ、関連性が高いと判断されたものから順番に上位表示させるもので、近年SNSマーケティングが確立したことによって、XやFacebook・Instagramなどにアカウントを持つ多くの企業に重要視されています。
Webサイトにおける検索シーンにおいては、Google・Yahoo!の2大検索エンジンがあり、ユーザーが検索したキーワードに対して、どのような一定のルールに基づいた評価を検索エンジンでおこない評価されたページを上位に表示させるという検索アルゴリズムが活用されています。
検索上で順位を定義するのは、膨大な数のWebページから、ユーザーにとって質の良いコンテンツを提供し、効率よく検索の目的を果たしてもらうためです。
インターネットにおけるサーチエンジンの代表格であるGoogle・Yahoo!でも、常に検索アルゴリズムを改良することによって、数あるWebページの品質を適切に評価し、ランクをつけることができています。ユーザーにとって満足度の高い検索エンジンを提供するために、検索アルゴリズムは欠かせない存在だといえるでしょう。
検索アルゴリズムが企業にとって重要な理由
デジタル化の社会において近年ではデジタルトランスフォーメーションやコロナ禍によりユーザーとの接点はよりWEB上で行われるようになってきました。その中で自社のWebサイトやSNSなどのアカウントをつくり、多くのユーザーに情報を提供・発信することは欠かせないプロセスとなっています。
しかし、例えばGoogleで自社のWebサイトを検索したときに表示される位置が低ければ、見てもらいたい、接点を持ちたい見込み顧客に見てもらえる可能性も低くなります。一般的にユーザーは高い位置に表示されたページから順番に見ていく傾向があるため、自社のWebサイトが低い位置にある場合、アクセス数は必然的に少なくなるでしょう。
これでは企業がいくら費用や時間をかけてWebサイトをつくり運営しても、多くのユーザーに情報を提供することはできません。企業がユーザーから信用を得たり、イメージアップを図ったり、ビジネスチャンスにつなげたりなど、それぞれの目的を達成するためには、インターネットを利用している多くのユーザーに自社サイトを認知してもらう必要があります。
そのためにはWebマーケティングやSNSマーケティングの担当者が、表示ランクを定義している検索アルゴリズムの存在、意味、影響を正しく理解し、どのような処理傾向があるのかなどに注目する必要があるでしょう。
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検索アルゴリズム、順位決定の関連要素とは?
検索エンジンのプログラムに実装し、Webページの関連性や重要性を適切に評価して、その表示順位を決める検索アルゴリズム。
企業のマーケティング戦略にとってSEO(検索エンジン最適化)の対策は必須ともいえますが、具体的にアルゴリズムはどのような基準・要素によって検索表示ランクを決定しているのでしょうか。関連要素を詳しく見ていきましょう。
検索アルゴリズムの関連要素
検索アルゴリズムのロジックについて正確な情報は公開されていませんが、複数の検索アルゴリズムを活用しているといわれているGoogleのランキングシステムは、検索結果を決定づける主な要素(評価する要素)の一部を公開しています。検索アルゴリズムの仕組みとして公開されているのが次の5つです。
● 検索意図の把握
● Webページの関連性
● コンテンツの品質
● ユーザビリティ
● 現在地や検索履歴
検索意図の把握
ユーザーが検索するときに使用した語句である検索クエリの意味を分析し、関連性の高い内容のWebページを見つけます。独自のシステムで検索意図の理解を試み、その検索が特定の事柄についてなのか、幅広い意味の検索なのか、また、急上昇しているキーワードの最新情報を検索しているのかなどを、アルゴリズムによって分析。データベースから最適な検索結果を表示します。
Webページの関連性
検索クエリと一致する、ユーザーが知りたい情報が含まれたWebページを探し出します。アルゴリズムで検索クエリと同じ語句が登場する頻度や場所(本文内のタイトルや見出しなど)を分析し、関連性が高くて質のよい有用なWebページを推定しますが、サイト内における政治的偏向などの主観的な概念は評価の対象となっていないことがポイントです。
コンテンツの品質
Webページの有用性について、そのコンテンツに検索クエリと一致する語句が登場する回数、新しさ、UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーが体験するすべて)の質などを分析します。Googleは、利用価値のないスパムサイトや誤った情報を掲載している質の低いコンテンツなどを検索結果から削除するなど、信頼性の高い検索エンジンを維持するためのアルゴリズムを開発しています。
ユーザビリティ
Googleは質の高いコンテンツを検索結果として上位表示させるように、ユーザビリティ(使いやすさ)を評価しています。サイト自体がパソコン、スマートフォン、タブレットなどの異なるデバイスで最適化され正しく表示できているか、ストレスのない検索結果を提供できるかなどが重要です。
読み込み速度やサイトづくりに問題がなく、ユーザーが必要な情報へスムーズにたどり着けることがポイントになります。
現在地や検索履歴
ユーザーの位置情報や過去の検索履歴、検索の設定なども関連性を判断する大きな要素となっています。ユーザーの住まい周辺に関連するコンテンツや、最近の検索履歴に基づいたコンテンツが上位に表示されるアルゴリズムで、検索行動から検索結果をカスタマイズすることもできます。
ただし、Googleアカウントにどのようなデータを保存するのか、検索結果の表示を改善するために過去の履歴を使用するかどうかについては、ユーザー自身が設定・変更を行う必要があると覚えておきましょう。
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アルゴリズムのアップデートに対処する方法
Googleのコアアルゴリズムがアップデートされると、検索表示のランキングにも大きな変化が生じます。自社サイトと他社サイトの評価がそれぞれ高くなったり低くなったりすることで、広範囲に影響を受けることが特徴です。
アルゴリズムアップデートとは具体的にどのようなもので、万が一大きく順位を下げてしまったときの対処法はあるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。
● アルゴリズムのアップデート例
● アップデート後の対処法
アルゴリズムのアップデート例
Googleの検索アルゴリズムのアップデートでは、古くは2011年に海外で導入され、2012年に日本でも実施された、低品質コンテンツを上位から排除する「パンダアップデート」が有名です。
その後、不適切なリンクを無効化したり価値を下げたりした「ペンギンアップデート」や、文脈を読み取ってより関連性の高いページを表示させる「ハミングバードアップデート」が実施されました。2014年には、検索結果に位置情報を反映させる「ベニスアップデート」、2015年にはスマホや携帯に対応したページの順位を上げる「モバイルフレンドリーアップデート」を実施。
近年では2019年、ニュアンスの理解力を向上させる「BERT アップデート」が行われ、2021年にはモバイルフレンドリー対応のコンテンツかどうかなどを判断する「The June 2021 Core Update」や、Core Web Vitalsと呼ばれる評価指標が加わった「ページエクスペリエンスアップデート」が実施されました。
アップデート後の対処法
アルゴリズムの大規模なアップデート(Googleコアアルゴリズムアップデート)後、順位が下がったときの対処法は以下になります。
● E-E-A-Tの強化
● UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上
● コンテンツの充実
E-E-A-Tの強化
E-E-A-Tとは、以下の頭文字を取った略語となります。
● Expericence(経験)
● Expertise(専門性)
● Authoritativeness(権威性)
● Trustworthiness(信頼性)
Googleにおけるコンテンツの評価は「経験」「専門性」「権威性」「信頼性」が基準となります。テーマが深く掘り下げされていて、わかりやすく、情報の信頼性が高いコンテンツを目指すことが大切です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上
サイトの読み込みが遅いなどの不具合がないか、スマホなどのモバイル対応ができているか、重複したコンテンツをいくつも放置していないかなど、ユーザーの使い勝手を考えた仕様となっているかどうか、再度確認しましょう。
コンテンツの充実
コアアルゴリズムアップデート後に大きく順位を落としてしまった場合、基本的には自社のコンテンツを充実させ、魅力的なものに磨いていくことが必要です。ニーズの意味やユーザーの知りたい情報を正しく言語化し、SEOを意識したコンテンツを再構築してみましょう。
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まとめ
アルゴリズムとは、特定の課題を解決する「計算方法」や「処理方法」です。中でも、押さえておきたい検索アルゴリズムは、検索順位を決定する基準の意味を持ちます。
マーケティング担当者がアルゴリズムの存在や意味、重要性を理解することで、自社のWebサイトを上位に表示させる可能性が高くなります。検索アルゴリズムを常に意識し、効果的なSEOとコンテンツを充実させる対策を同時に行っていきましょう。