見込み顧客の獲得チャネルの1つに資料ダウンロードがあります。資料ダウンロードは、情報収集を目的にWebサイトに訪れた見込み顧客に対し、製品・サービスの紹介資料やお役立ち情報をまとめたホワイトペーパーを提供する引き換えに、見込み顧客の名刺情報を獲得することができます。
資料ダウンロードの後は、見込み顧客に対しナーチャリング施策で継続的な接点を持ち続けます。そうすることでニーズが顕在化した際に、見込み顧客からの問い合わせを期待できます。
今回はBtoBサイトの資料ダウンロードページ作成ポイントについて、SaaS企業のサイト事例をあわせて紹介します。
目次
資料ダウンロードの目的
BtoBサイトに資料ダウンロードを設置する目的として、リード獲得と営業の効率化の2つがあります。
①リード獲得
資料ダウンロードは、製品・サービスに興味・関心を持っている見込み顧客の名刺情報を取得し、その後のフォローまで行うことが目的です。
Webサイトに訪れる見込み顧客の目的は情報収集がメインとなります。見込み顧客の熱量の高ければ、問い合わせや無料トライアル、見積り依頼にコンバージョンしますが、そこまで高くない場合にはコンバージョンにいたりません。
熱量の高くない見込み顧客に適切なコンバージョンは資料ダウンロードです。製品・サービスや業務に役立つ情報であれば、コンバージョンする可能性は高まり、そして、オウンドメディアにアクセスした見込み顧客に対しても同様のことが言えます。
見込み顧客の熱量や検討状況に応じたコンバージョン設計をすることが重要です。
②営業の効率化
製品・サービスの認知向上と理解促進をしながら、導入までの営業活動を効率的に行うメリットもあります。また、コロナ禍で対面での営業活動が制限されているなかで、見込み顧客の情報収集はオンラインがメインとなり、資料ダウンロードの重要性は非常に高まっています。
BtoBの製品・サービスでは社内での検討が発生するため、検討の際に必要な情報が資料化された状態でWebサイトからダウンロードできると、導入までの検討をスムーズに進めることができます。
製品・サービスを紹介する資料はもちろん、導入事例集やプラン別の料金・機能比較表など、社内稟議に必要な情報を資料ダウンロートとして用意しておくと良いでしょう。
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資料ダウンロードCTAの設置場所
資料ダウンロードのCTAをサイト内のどこに設置するのが適切か紹介します。
①トップページのファーストビュー
多くの企業がトップページのファーストビューに製品・サービスの紹介資料のCTAを設置しています。タレントマネジメントシステム カオナビのサイトではトップページのファーストビューに資料ダウンロードのCTAが設置されています。
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②フッターに資料ダウンロードを設置
各コンテンツの下部にさらに詳細な情報にアクセスするために、コンテンツの文脈に沿った資料ダウンロードのCTAやフォームを設置します。
経費精算システム 楽々精算サイトの導入事例一覧ページには、各企業の導入事例の下に導入事例集のダウンロードフォームが設置されています。また、追従型バナーでも導入事例集のダウンロードを誘導しています。
③資料ダウンロード一覧ページ
資料ダウンロードが多数ある場合には、資料ダウンロード一覧ページを作成します。
Webサイト多言語ソリューション WOVNのサイトでは、トップページから資料請求・資料ダウンロードのCTAをクリックすると、資料ダウンロード一覧ページに遷移します。
資料ダウンロードのトップには、製品・サービスの紹介資料や導入事例集が並び、さらに業界別に特化した紹介資料が続きます。
フォームページの作成ポイント
資料ダウンロードのCTAをクリックした後の遷移するフォームページを作成するポイントを紹介します。
①フォームページの基本フォーマット
多くのSaaS企業のサイトでは、下記の名刺管理クラウド Sansanサイトの資料ダウンロードフォームと共通したフォーマットです。
ページの左に資料ダウンロードの詳細情報を掲載、右にフォームを設置しています。資料ダウンロードの詳細には、資料のビジュアル画像・内容をまとめ、さらに詳細を早く知りたい見込み顧客に対して電話番号を記載しています。
また、フォームページからの離脱防止を目的に、グロナビや他のCTAは設置していません。
https://jp.sansan.com/form/download_lkbook/
②複数の資料を一括ダウンロード
複数の資料ダウンロードがある際には一覧ページに掲載することができますが、フォームでも同様のことが可能です。
クラウド人事労務ソフト SmartHRのサイトの資料ダウンロードのフォームページには「すぐにわかるSmartHR資料 3点セット」と製品・サービスの紹介資料が3種あり、一括でダウンロードできるようになっています。
それぞれの資料を見比べることで、必要な情報が掲載されている、または、見やすいビジュアルなど、見込み顧客にとって情報収集しやすい体裁の資料を選ぶことができます。
③資料ダウンロードとデモをセット
ダウンロードできるコンテンツを資料だけではなく、デモとセットにすることもできます。営業支援ツール(SFA)Senses の資料ダウンロードフォームでは、製品・サービスの紹介とともに、デモ動画を案内しています。
製品・サービスの詳細とともに実際の操作画面を見ることで、見込み顧客に対しより具体的な活用イメージを醸成することができます。
成果を自動的に最大化する仕組みとは?Senses概要資料 – Senses
④資料ダウンロードまでのステップを表示
資料ダウロードできるまでのステップを明示することで、資料をダウンロードするまでに必要な手順を確認することができます。
クラウドPOSレジ スマレジのサイトの資料請求フォームでは、「1.入力」「2.確認」「3.受信メール確認」とステップが明示されています。
⑤資料ビジュアルをカルーセルで動かす
資料ダウンロードのイメージ画像をカルーセルで動かしながら、資料ダウンロードのビジュアルで訴求することができます。
上述の「楽楽精算」の導入事例・評判|「楽楽精算」上の追従型バナーをクリックすると、導入事例集のフォームページへ遷移します。左中央の資料ダウンロードのイメージ画像が動き、ダウンロードしようとしている資料のイメージを確認することができます。
https://www.rakurakuseisan.jp/form/casestudies.php
まとめ
資料ダウンロードは、製品・サービスに興味・関心を持っている見込み顧客の名刺情報を取得し、その後のフォローまで行うことが目的
コロナ禍で対面での営業活動が制限されているなかで、見込み顧客の情報収集はオンラインがメインとなり、資料ダウンロードの重要性は非常に高まっている
多くの企業がトップページのファーストビューに製品・サービスの紹介資料のCTAを設置している
資料ダウンロードのフォームページには、左に資料ダウンロードの詳細情報を掲載、右にフォームを設置する。資料ダウンロードの詳細には、資料のビジュアル画像・内容をまとめ、詳細を早く知りたい見込み顧客に対して電話番号を記載する