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セグメントとは。マーケティングだけでなくビジネス全般で使われる用語の意味

2021.8.2
読了まで約 5

セグメントという言葉は「区分」「部分」などの意味を持つ英単語「segment」に由来し、ビジネス全般、マーケティング用語としてよく使用されます。本記事では、セグメントの意味や目的、セグメント設定で重要になる指標についてご紹介します。セグメントとはどのようなものであるかについて、全般的な理解ができるようにしていきましょう。

セグメントとは

セグメントという言葉は、使用される領域によって意味が異なってきます。ここでは、ビジネス全般における意味と、マーケティング用語としての意味の2つについて見ていきましょう。

ビジネス全般で使用されるセグメントとは、事業の種類や営業の対象となる地域などによって区分された一つ一つの要素のことを指します。全体の中で分けられた部分について指す言葉としてセグメントは使用されます。

一方、マーケティング用語としてのセグメントとは、ユーザーの年齢・性別・職業等で区分された顧客層のことであったり、製品に対するユーザーの認識や消費プロセスに基づく消費行動によってグルーピングができる顧客層のことを指したりします。

ビジネス全般で使用されるセグメントは、単なる区分された要素のことを指し、マーケティング用語として使用されるセグメントは、一定の条件によって区分された顧客層を指すということを覚えておきましょう。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

セグメントとその他の言葉の違い

セグメントに似た言葉として、「ターゲット」や「セグメンテーション」という言葉があります。ここでは、それらの言葉とセグメントとの違いについて見ていきましょう。

ターゲットとの違い

まずは、ターゲットとの違いについて見ていきましょう。ターゲットとはセグメントされたグループのうち、どのグループを対象にするかです。具体的に言うと「男性」と「女性」で分けられたグループをセグメント、そのうちの対象のグループをターゲットといいます。

簡単に言うと、セグメントの中にターゲットがあると言えるでしょう。

セグメンテーションとの違い

セグメントとセグメンテーションとの違いはどのようなものなのでしょうか。セグメンテーションとは、セグメントを行うという行為自体を指します。つまり、マーケティング用語としては、ある分類によって顧客層を区分することがセグメンテーションなのです。

セグメンテーションは、区分するという行為を指す言葉であり、セグメントはその行為によって分けられた顧客層のことを指す言葉になります。

関連記事:セグメンテーションの把握が多角的なマーケティングを構築する
関連記事:B to Bで重要視されるセグメンテーションの設定方法とは?STP分析との関連性も紹介

セグメントの目的

それでは、セグメントはそもそもどのような目的のもとで設定されるのでしょうか。ターゲット設定と似ていますが、セグメントは、自社の商品をより効果的にアプローチができる顧客層に向けた取り組みや施策をするために行われます。

消費者は、多様な価値観によって生きています。その多様性に対応するために多様な商品を作るということでは、限られたリソースしかない企業にとっては致命傷になりかねません。

ターゲットは、セグメントよりも細かい区分であるという説明は前述しましたが、まずは大枠として、どの顧客層に向けてアプローチをしていくのか、自社のコンセプトを明確にするためにも、セグメンテーション、つまりセグメント設定が必要になってくるのです。

このように、自社がアプローチするセグメントを設定した後で、より具体的なターゲットに向けて細かい施策を取り組んでいくという流れがマーケティングにおける定石と言えるでしょう。

セグメントを行う際の条件

ここまでは、セグメントの意味・目的について説明してきました。ここからは、セグメントを行う際の条件について解説していきます。セグメントを設定するうえで、どのような内容が影響を与えるのか、関係する変数について4つご紹介します。

行動変数

行動変数とは、ユーザーの実際の行動がどのようになっているか、曜日や時間、環境や頻度などで分類して明らかになる数値のことを指します。

そのほかにも、サービスの購買経験や購買の意思決定パターン、使用頻度といったものも行動変数に該当します。

ビッグデータに代表されるように、近年では各消費者の測定が計量可能なデータとして得ることができるようになりました。計量されたユーザーのデータを基に、精緻なセグメント設定が可能になったのです。

人口動態変数

人口動態変数とは、年齢や性別、職業、家族構成などで分類して明らかになる数値のことを指します。総務省の人口動態調査に代表される通り、消費者を分析するうえで基本となる指標と言えます。視聴率調査でよく使用される「F1」層(Fはfemaleの頭文字で、20歳から34歳までの女性のこと)などの区分もこの人口動態変数に当たると言えるでしょう。

人口動態変数を見ることで、一番基本となるセグメントを設定することが可能になるのです。

地理的変数

地理的変数とは、言葉通り地理的な相違を見て、国や地域ごとの経済状態や気候条件、宗教・政治環境などから分類して明らかになる数値のことです。

経済状態や気候条件などは、北海道や沖縄と東京では著しく異なってきます。また、欧米と日本、あるいは中東と日本など、宗教や生活習慣が著しく異なったところでは、購買行動において一定の基準で考えることができません。

それらの地理的変数を分析することで、有効なセグメント設定を導き出すことができるのです。

心理的変数

心理的変数とは、多様になったユーザーの価値観やライフスタイルなどユーザーの行動にまで現れない心理的な部分で分類して明らかになる数値のことです。別名サイコグラフィック変数と呼ばれることもあります。

行動変数と似て、個々のユーザーに依存した変数ですが、行動変数とは違い、内面で考えられているそれぞれの考え方に立脚した隠れた変数であり、分析が最も難しいものと言えるでしょう。

この心理的変数に基づいたセグメントを行うことができれば、ユーザーの承認欲求・満足感に直接アプローチできるのです。

セグメントに重要な4つのR

ここまでは、セグメントを行う際の条件について述べてきました。ここからは、さらに細分化して、効果的なセグメントを設定するための目安を紹介しましょう。一般的に、4つのRと呼ばれるものです。

Rank

Rankとは、優先順位づけの意味で、顧客層を企業の目的の重要度に応じてランクづけしているかどうか判断するものです。

複数のものを選択した場合、そこに優先順位が出てくるのは当然のことです。そのような場合、セグメントが、企業の目的達成のため、コンセプト実現のためにどれだけの重要度を持つものかということに応じてランクづけをする必要があります。

自社の方向性に合うかどうかはもちろんのこと、競合他社との差別化に向けて重要なセグメントであるかどうかということも重要な判断要因と言えるでしょう。

Realistic

Realisticとは、直訳すると現実性という意味ですが、有効規模という意味になります。セグメントを区分するうえで、十分な売上を確保できる規模があるかどうかを判断するものです。

たとえば、市場規模が少ないセグメントを作り出しても、そのセグメントは効果的なものとは言えないでしょう。大きすぎてもセグメントとしての意味は生じませんが、ある一定規模を対象とし、必要になる売上を確保できる規模のセグメントを設定できているかどうかということが重要になってくるのです。

Reach

Reachとは、到達可能性という意味で、区分された顧客に到達することができるのかどうか判断するものです。

Reachという指標で考えると、ユーザーに対する商品の到達難易度が重要になります。単純に考えると、日本国内に住んでいるユーザーよりも外国に住んでいるユーザーの方が到達可能性は低くなります。

到達可能性を判断して、適切なセグメントを設定することが自社の利益を考える際に大切になってくるでしょう。

Response

Responseとは、直訳すると反応という意味ですが、測定可能性という意味になります。セグメントによって設定された顧客層からの反応を確認できるかどうか判断するものです。

セグメントの設定には、規模や到達可能性が重要になるということは前述しました。その指標を考える際に、ユーザーからの反応が期待できるかどうかというところも重要になってきます。

マーケティング業界で口コミの重要性はよく言われることですが、ユーザーの反応が測定できるかどうかというところは、セグメント設定の適正性を評価する際にも重要になります。

マーケティングにおけるセグメントの意味

マーケティングにおいてなぜセグメントは重要なのでしょうか。セグメントを行うことは、自社の商品の求めているユーザーに対してしっかり商品を届けること、それに伴い自社の売上を効果的に上げていくために必要なことと言えます。

もしセグメントの設定の仕方を間違えてしまうと、本当は自社の商品が欲しくないユーザーに商品を届けてしまったり、環境的に満足してもらえない地域のユーザーに対して自社の商品を販売してしまったりすることになります。

このような状態が発生してしまうと、自社の商品の満足度が低くなるとともに、会社自体の評判が下がってしまうことにもつながりかねません。

自社のマーケティングを考えていく上で、明確な指標を基に、的確なセグメントを行うことが、自社の集客・売上向上の一因になるということを念頭に置き、ビジネスを展開していくようにしましょう。

まとめ

本記事ではセグメントの意味や目的、セグメントを設定するうえで考慮すべき指標について解説してきました。セグメントは、一般的には区分された一つ一つの要素のことを指しますが、マーケティング用語としては一定の条件で区分された顧客層のことを指します。

自社の集客・売上を上げるためにセグメントは重要です。4つの変数や4つのRと呼ばれる指標を念頭に、自社の商品を効果的にユーザーに届けるためのセグメント設定をするようにしましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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