BtoBサイトにおいて、検索エンジンからの流入を増やすために有効なページがコラムページです。コラムページは製品・サービスの詳細情報や関連情報などを記事コンテンツの形式でまとめたページです。ブログやオウンドメディアも同様の形式です。
今回は、コラムページの作成ポイントをSaaS企業のサイトの例とあわせて紹介します。
コラムページの役割
コラムページは検索エンジンからの流入を増やすSEO対策に非常に有効です。製品・サービスを知らない潜在層へのアプローチができ、かつ、WEB広告を使わず認知を得ることができます。コラムページはSEO以外にもさまざまな役割を果たします。サイト内の特長、導入事例、料金、機能など各ページでは紹介しきれない製品・サービスの情報を掲載できます。また、既存リードに対するナーチャリング施策で活用するメールコンテンツにも使えます。また、製品・サービスの開発者などの知見を言語化することで、社内外のブランディング、しいては採用にも良い影響を与えます。また、コラムを通じて発信することで、特定の業界に対してのソートリーダーを発揮することができます。
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コラムページの目的
コラムページはさまざまな役割を果たすことができるため、サイト内にコラムページを作成する際にはその目的を明確にすることから始めます。目的を明確にすることで、コラムページの構成やCTAの設置場所や内容、他のコンテンツの導線設計など最適化することができます。まずはどういうユーザー向けのコラムかターゲットを明確にします。製品・サービスを知らない潜在層、製品・サービスの導入を検討している顕在層、既存ユーザーなど分けることができます。
①製品・サービスを知らない潜在層
検索エンジンから特定のキーワードを検索した見込み顧客に対して、課題解決のために役立つ情報やツールを紹介しながら、製品・サービスの認知を促します。アクセス解析ツール User Insaigtのサイトでは、検索エンジンで「ヒートマップ」を検索するとヒートマップについて解説したページが上位表示されます。そのページをアクセスすると、ファーストビューにタイトルと製品・サービスの資料ダウンロードボタンが設置されています。そして、ヒートマップに関する解説とともに、ページ下部で資料ダウンロードのフォームが設置されています。SEO対策だけではなく、CVまでの導線設計がされています。
ヒートマップとは? – アクセス解析ツールのユーザーインサイト(User Insight)
また、組織改善クラウド モチベーションクラウドのサイトでは、検索エンジンで「HR Tech とは」 と検索すると、コラム記事「HR techとは?サービスを展開している企業について徹底解説!」のページが検索ページの1ページ目に表示されています。
そのページにアクセスすると、HR Techに関する解説とともに、サービスの会社事例として複数のHR Techサービスを紹介しています。他社のサービスと並んで、モチベーションクラウドを記載しており、一見すると比較サイトの記事のようにも見えます。HR Techを調べている見込み顧客に対し、HR Techサービスの1つとして自社のサービスを認知させています。
HR techとは?サービスを展開している企業について徹底解説! | 株式会社リンクアンドモチベーション
②製品・サービスの導入を検討している顕在層
製品・サービスについては知っており導入を検討している顕在層に向けて、導入に向けて必要な情報やお役立ち情報を提供します。製品・サービスの理解を促進しつつ、検討フェーズを導入へと進めます。
グループウェア サイボウズOfficeでは、オウンドメディア「サイボウズOffice タイムライン」でグループウェアを導入検討しているユーザーに向けて、製品・サービスの活用方法などのお役立ち情報を紹介しています。
③既存ユーザー向けのサポートサイト
すでに製品・サービスを利用している既存ユーザー向けに操作方法や活用方法を案内し、製品・サービスの利用サポートを行います。また、それぞれの既存ユーサーが目指す成功に向けて、サポートをしつつ継続的な利用を促進していきます。
タレントマネジメント カオナビは既存ユーザー向けに「サポートサイト」を用意しています。機能別ガイドや利用シーン、事例集、よくある質問といった、製品・サービスを利用するうえで必要な情報を提供しています。カスタマーサポートの時間外の対応にはコンテンツで解決できるようになっています。
コラムページの活用方法
コラムページは多様な活用ができるのもポイントです。BtoBサイトの特長、導入事例、料金、機能などのページでは、頻繁に内容が変わることはありません。
しかし、イベント情報やプレスリリース、メディア掲載などの情報は頻繁に更新されるため、CMSを導入しサイトの更新を行っているケースが多いです。製品・サービスの最新情報をコラムページで掲載することができます。
多言語・翻訳サービスのWOVN.ioはブログページで、製品・サービスの基本知識や活用目的別のお役立ち情報だけではなく、イベント・セミナー情報、プレスリリースやメディア掲載など製品・サービスに関する情報を掲載しています。
WOVN.io BLOG | 多言語・翻訳サービスのWOVN.io
コラムページ作成ポイント
コラムページの作成ポイントを紹介します。他のページと同様に意識するポイントはトップページからの導線、CTAの設置、他のコンテンツへの導線の3つです。
①トップページからの導線
トップページからコラムページへの導線は必ずしも設置する必要はありません。製品・サービスを検討している顕在層がトップページに来た際には、アクセスできるようにナビゲーションが必要です。
しかし、BtoBサイトの本来の目的は、資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVであるため、イベント情報と同様にコラムページを掲載する際は、資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVへ影響しないよう注意が必要です。
クラウドWMS ロジザードZEROサイトのトップページではグロナビに「EC・物流ノウハウ」とコラムページへの導線が設置されています。また、ページの下部に「EC・物流に関する情報」でセミナー・イベント情報やホワイトペーパーなどと一緒にコラムページへの導線があります。その下の「新着情報」でも掲載日時の新しい順番でコラムページの掲載情報が紹介されています。
クラウドWMS 倉庫管理システム ロジザードZERO 通販 卸
②CTAの設置
コラムページは特定の情報を読むためにユーザーは訪れるため、ユーザーが読むのを遮るくらいにむやみやたらにCTAを設置することは得策ではありません。サイドバーに製品・サービスを訴求するバナーや、また記事の下に記事の内容と関連するダウンロード資料を設置するように、コラムの流れを遮らない自然なCTAの設置が良いでしょう。
クラウド人事労務ソフト SmartHRでは、オウンドメディア「SmartHR ガイド」ではコラム一覧ページとコラムページともに、2カラムになっています。1カラムはメインコンテンツで、コラム一覧やコラム本文が掲載されており、もう1カラムはサイドコンテンツとして、サービスバナーや他のコラムが掲載されています。
サイドにサービス資料のCTAを設置することで、メインコンテンツを読むのを遮ることなく、CTAの存在を見込み顧客に認識させることができます。さらに、コラムページでは本文を読み進めてスクロールさせると、サイドコンテンツは資料ダウンロードのバナーが2つ追従するような形になっています。
組織課題を把握し、人材マネジメントを推進する「人事データ活用」 – SmartHR ガイド
また、ビジネスチャットツール Chatworkのサイトでは、コラムページでコラム下にそのページの内容に沿ったCTAが設置されています。
「働き方改革とは?働き方改革をわかりやすく目的から企業がすべきことを解説」のコラムページでは、働き方改革に関する解説を読み終えると、「マンガでわかる!「働き方改革」」というホワイトペーパーのCTAが設置されています。
働き方改革とは?働き方改革をわかりやすく目的から企業がすべきことを解説 | ビジネスチャットならChatwork
③他のコンテンツへの導線
BtoBプラットフォーム請求書のサイトでは、コラムページの下部に関連コラム、活用事例、人気機能、サービス資料ダウンロードのCTAが設置されており、コラムを読んだ見込み顧客が次に興味のあるコンテンツへアクセスしやすいような導線設計になっています。
電子請求書とは? 導入のメリットとポイントを解説|BtoBプラットフォーム 請求書
まとめ
・コラムページは検索エンジンからの流入を増やすSEOに非常に有効。SEO以外にも既存リードに対するナーチャリング施策や、既存ユーザー向けのサポートなど多様な役割を果たす
・コラムページ作成の目的を明確にすることで、コラムページの構成やCTAの設置場所や内容、他のコンテンツの導線設計など最適な形で作成することができる
・更新頻度の高い製品・サービスの最新情報をコラムページで掲載することができる
・コラムページ作成で意識するポイントはトップページからの導線、CTAの設置、他のコンテンツへの導線の3つ