展示会中は多くの来場者に声をかけ名刺を獲得し、特に興味のある来場者にはブース内に案内し、商談を獲得します。展示会終了後、1件でも多くの商談を獲得したく見込み確度の高いリードには熱心にフォローしますが、見込み確度の低いリードに対してフォローを怠りがちです。
しかし、実際のところ来場者が展示会に来る目的のほとんどは情報収集です。情報収集のリードからどのように案件化につなげるかは、展示会後のアフターフォローにかかっています。
今回は展示会終了後のアフターフォローについて紹介します。
目次
アフターフォローの重要性
BtoBの製品やサービスは検討期間が長期にわたるため、展示会では数多くの商談や名刺を獲得した後、受注につなげるために重要なのがアフターフォローです。
来場者の多くが情報収集であるために、商談に繋がるのは獲得したリードのうちの一部となります。その他の多くのリードに対して、マーケティングで継続したアフターフォローをしていくことになります。継続的にフォローを行うことで、ニーズが顕在化した際に即座にアプローチし、案件化につなげていくことができるのです。
アフターフォローのプロセス
展示会が終わった後に、アフターフォローをどのように行うのか考え始めていたら、他社にアポイントや商談を先行されてしまい、適切なタイミングを失ってしまいます。
展示会が始まる前にアフターフォローをどのように行うか、準備をしておきます。
①展示会後のフォローを設計する
まずは展示会で獲得したリードをどのようにセグメントするか、決めておきます。セグメントの基準として、案件化の有無、案件化までのリード期間を見極めることを目的に、導入時期や決裁権限の有無、興味関心の度合いなど複数の判断項目を設けるとよいでしょう。
マーケティングオートメーションのように、判断項目によってスコアリングを行い、優先順位を決定する方法もあります。
セグメントをするルール・方法を決めたら、それぞれセグメントされたリードに対し、どのようにアクションを行うのか決めます。例えば、興味関心の度合いを3段階で分けるとしたら下記のようにアクションを設定します。
・興味関心の強いリード
フィールドセールスへ渡し、展示会終了すぐにアポイントを獲得する
・興味関心のあるリード
インサイドセールスへ渡し、一定期間以内に架電する
・興味関心のないリード
マーケティングでセミナーの招待やメルマガを送付し、ナーチャリングを行う
フィールドセールスやインサイドセールスにリードを渡す際には、各セールスのリソースを確認する必要があります。展示会以外にも、商談が継続している顧客の対応、WEBサイトからの問合せの対応などの業務を同時に行うからです。
必要に応じて、フィールドセールスやインサイドセールスのリソースをあらかじめ確保しておいてもよいでしょう。
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②アンケートやヒアリングの項目を決める
セグメントを行う際に重要なのはリードの詳細な情報です。詳細な情報を集めるために、アンケートシートやヒアリングシートを作成し、展示会中はこれをもとに来場者とコミュニケーションを取り、アフターフォローに活用していきます。
アンケートシートやヒアリングシートを作成する際には、BANT情報を把握できるような項目を入れるとよいでしょう。BANTの詳細と具体的な設問・回答項目について、以下に例を挙げます。
・Budget(予算):導入の想定(新規導入、リプレイスなど)
・Authority(決裁権):役職(役員・事業部長、課長・係長、主任・一般など)
・Needs(必要性):現在の課題(人材不足、コスト高騰など)
・Timeframe(導入時期):導入検討状況(3か月以内、半年以内、半年以上など)
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また、素早く顧客情報を記入・セグメントできるように、回答項目は選択式にし、チェックできるようにしておきます。
③展示会後に送付のメールを作成する
マーケティングで送付するメールを展示会の前までに作成しておきます。どの企業も来場者へのお礼メールを送付するので、どのブースの企業であるか分かるように作成するのがポイントです。お礼メールの主な構成と例文は以下の通りです。
1)ブースへ来てもらったことへのお礼
2)展示製品・サービスのリマインド
3)展示製品・サービスのWEBサイト
4)配信停止用クリック
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件名:
【株式会社〇〇〇】ABC展示会ご来場のお礼
本文:
●●●株式会社
▲▲▲部 ■■様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇〇の□□と申します。
先日はご多用の中、ABC展示会にて、
当社のブースへお立ち寄りいただき誠にありがとうございます。
当日は、弊社サービスについてご案内させて頂きました。
限られた時間でのご案内でございましたので、
弊社サービスについて改めてご案内させて頂きます。
弊社サービスは、主な特徴として3つあります。
①(1つ目の特徴を紹介)
②(2つ目の特徴を紹介)
③(3つ目の特徴を紹介)
活用事例やお役に立てる資料等、弊社のWEBサイトでご紹介しておりますので
ご興味がありましたらご覧いただければと思います。
【URL】
詳細の説明やデモのご要望がございましたら、お気軽にご連絡ください。
いくつか候補日をご提示いただけましたら、その中からご調整いたします。
どうぞ今後ともよろしく申し上げます。
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④展示会中にアンケートを取り、ヒアリングを行う
展示会中は②で決めたアンケートシートやヒアリングシートを活用し、来場者から詳細な情報を聞きます。
⑤名刺をスキャン、アンケート・ヒアリング結果はデータ化
獲得した名刺はスキャン、アンケートシートやヒアリングシートはデータ化するようにします。また、バーコードリーダーで獲得したリード情報も整備しておきます。
CRM・SFAツールにインポートしやすいように、あらかじめ取り込む項目を決めておくとよいでしょう。特にバーコードリーダーで獲得した情報は、アンケート項目と異なり自社にとって有用な情報が限られるため、展示会前にどの情報が提供されるのか確認し、どの項目を取り入れておくか決めておきます。
データクレンジングや名寄せ作業がどのくらい必要になるか、事前に確認できるとよいでしょう。
また、アンケート・ヒアリング結果は、見込み高いリードをフィールドセールスやインサイドセールスへ共有する重要な情報となるため、素早くデータ化し共有できる状態にしておきます。
⑥展示会後のフォローを実行する
①~⑤を経て、展示会の後はあらかじめ決めたセグメントに従ってリードを分けます。アクションを行えるようにフィールドセールスやインサイドセールスへ、リードと詳細な情報を素早く共有します。
また、お礼メールはすぐに送付できるように、CRM・SFAツールにリード情報をインポートします。作成しておいたメール文面を設定し、メールを送信します。
アフターフォローはお礼メールを送った後
獲得したリードのほとんどはマーケティングでナーチャリングし、案件化につなげていきます。案件化につなげていくためには、メールマーケティングが重要です。
展示会に関連するセミナーを企画し、ホワイトペーパーを送付するなどして、次のアクションへ促していきます。効果的なアクションを行うために有効なのがマーケティングオートメーションです。
マーケティングオートメーションを使って送られたメールでは、見込み顧客がそのメールコンテンツにクリックすると、見込み顧客の情報とアクションを紐づけすることができます。その後、見込み顧客のWEBサイトの行動履歴が蓄積され、見込み顧客とのタッチポイントと作っていくために重要な情報になります。
タッチポイントを作っていくためにも、展示会後の送信するメールコンテンツは見込み顧客にとって有用な情報であることが重要となります。
まとめ
・BtoBの製品やサービスは検討時間が長期にわたるため、展示会では数多くの商談や名刺を獲得した後の、案件化につなげるために重要なのがアフターフォロー
・展示会で獲得したリードをどのようにセグメントするか決め、さらにそれぞれセグメントされたリードに対し、どのようにアクションを行うのか決める
・アフターフォローに活用するアンケートシートやヒアリングシートを作成する際には、BANT情報を把握できるような項目を入れる
・獲得したリードのほとんどはマーケティングでナーチャリングを行う。展示会後の送信するメールコンテンツは見込み顧客にとって有用な情報であることが重要
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