BtoBマーケティングにおいて、セミナーやイベントは顧客獲得の場としてマーケティング的にはリードジェネレーション、リードナーチャリングを創り出す場として最適です。一方でここで作り出されるコンテンツは、既存顧客のエンゲージメント向上に活用できる利便性の高いコンテンツです。
セミナーやイベントの集客は、メルマガやSNSが中心となります。BtoBサイトでイベント情報を掲載する場合、資料ダウンロードやお問い合わせなどの他のCVへの導線に注意しなければいけません。
今回はBtoBサイトのイベントページ作成ポイントについて、SaaS企業サイトの事例とあわせて紹介します。
目次
コロナ禍でイベント形式が多様化
コロナ以前はBtoBマーケティングで開催されるイベントは、セミナー会場を借りてオフラインでの開催が中心でしたが、コロナ禍によりオンラインで開催されるウェビナーへとシフトしました。
ウェビナーにはリアルタイムで開催されるライブ配信と、あらかじめ録画した、または過去に配信されたものを流すオンデマンド配信の2つの種類があります。ユーザーは興味のあるセミナーに対し、参加しやすい形式を選択し申し込めるようになりました。
また、ウェビナー以外にも、オンライン相談会・バーチャル展示会などオンラインで開催されるイベントの種類は増えています。
関連記事:ウェビナー(Webセミナー)とは?開催までのポイントを解説
多様な形式のイベント情報をWebサイトに掲載するには、ユーザーが分かりやすいようにするのは言うまでもありません。BtoBサイトの本来の目的は、資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVであるため、イベント情報を優先的に掲載した結果、獲得したいCVが減ってしまうのも本末転倒です。
イベント情報を掲載する際は、資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVへ影響しないよう注意が必要です。
関連記事
・リードとは?マーケティングにおける意味やリード獲得の具体的なプロセス・施策を解説
・福田康隆氏に聞くB2B SaaSの最新トレンドと日本企業を成功に導く道筋
イベントページ作成ポイント 【トップページ】
トップページでのイベント情報の掲載ポイントを紹介します。トップページでは、資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVの導線と影響しないよう注意しなければなりません。
①グロナビ+最新イベント+イベント一覧CTA
まず、グロナビでのイベント情報へ遷移する項目を掲載します。また、トップページの下部で最新セミナーも情報と、イベント一覧ページへのCTAを設置します。
薬局体験アシスタント「Musubi」のサイトでは、グロナビに「セミナー日程」があります。また、トップページの下部で最新のセミナー情報が3カラム1列で掲載され、その下には「セミナー・イベント情報をもっと見る」とイベント一覧ページへのCTAが設置されています。
Musubi(ムスビ)-電子薬歴の先をいく薬局体験アシスタント
②グロナビ+追従型バナー
イベント情報をグロナビに掲載しつつ、追従型バナーでさらに訴求するケースです。
グループウェア「サイボウズoffice」のサイトでは、セミナー情報をグロナビで「充実のセミナー」で掲載し、追従型バナーで「オンラインセミナー開催中!」とさらに訴求をしています。
サイボウズ Office | 中小企業の“チーム力”を強化するグループウェア
イベントページ作成ポイント【イベント一覧ページ】
次にイベント一覧ページの作成ポイントを紹介します。イベント一覧ページにはユーザーはイベント情報を探しに来ているため、トップページと比較すると他のCVとの導線を考慮する必要はありません。ユーザーが求めているイベントを探しやすいように検索性を高めることが重要です。
①ファーストビュー
イベント一覧ページのファーストビューで何を掲載するのか、3種類の事例があります。
カルーセルで複数のセミナー情報を掲載
エンゲージメントツール「モチベーションクラウド」のサイトではセミナー情報一覧のファーストビューで、4つのセミナー情報が動的に見られるようになっています。イベント一覧ページにアクセスして、ユーザーは最初にどんなセミナーが開催されているのか、確認することができます。
直近開催のセミナーをピックアップ
薬局体験アシスタント「Musubi」のサイトではセミナー一覧ページのファーストビューに、直近で開催されるセミナーが掲載されています。一番早く参加できるセミナーがなにか、すぐに理解できるようになっています。
イベント|Musubi(ムスビ)-電子薬歴の先をいく薬局体験アシスタント
定期開催のイベントを掲載
クラウドRPA「BizteX cobit」のサイトではセミナー・イベントページのファーストビューに毎週水曜日開催の「AI-OCR活用個別相談会」を掲載しています。定期的に開催されるイベントを掲載することで、ユーザーのスケジュールを確保しやすくなります。
【無料セミナー・イベント開催中】クラウドRPAならBizteX cobit | クラウドRPA BizteX cobit
②ターゲット別・形式別
ユーザーが自分に該当する、または、参加したい形式からイベントを探せるように、タブを設置することも検索性を高める方法です。
イベント形式で表示
請求書クラウドツール「BtoBプラットフォーム請求書」のサイトでは、イベント一覧ページで「セミナー」「オンデマンドセミナー」「展示会」の3つからイベント情報を探すことができます。イベント形式でタブを設置し、イベント情報の検索性を高めています。
利用形態で表示
desknet’s NEOのサイトでは、セミナー情報一覧で「導入をご検討中のお客様」「ご利用中のお客さま」「販売パートナーさま」とユーザーの利用形態ごとに明記しています。ターゲット別でタブを分けることで、ユーザーは自分が該当するセミナーを探すことができます。
【新規導入を検討中のお客さま】desknet’s NEOセミナー
③検索窓
「MoneyForwordクラウド」サイトのイベント一覧ページでは検索窓が設置されています。セミナー形式と対象企業とサービスなどの該当項目で検索できるようになっています。
④CTA
イベント形式によってCTAのテキスト表示を変え、ユーザーができるアクションを分かりやすく案内することができます。
電子契約サービス「CLOUDSIGN」のサイトではイベント一覧ページで、セミナー・アーカイブ動画情報が掲載されています。セミナーのCTAは「詳しくはこちら」、アーカイブ動画のCTAは「ダウンロードはこちら」とテキスト表示を分けることで、ユーザーはイベント形式の違いを理解することができます。
⑤セミナーレポート
名刺管理ツール「SANSAN」のサイトでは、イベント情報でセミナーレポートを掲載しています。音声での視聴が難しい際に、記事形式のレポートを見ることができるようになっています。
イベントページ作成ポイント【イベント詳細ページ】
最後にイベント詳細ページの作成ポイントです。イベント詳細ページには、タイトルと概要、開催日時、視聴方法、登壇者、コンテンツなどの基本情報と申込フォームが掲載されます。詳細ページでの目標はフォーム申込です。申込率を高めるための工夫がポイントです。
①申込フォーム設置
イベント情報は必要な情報を掲載すると、かなりの情報量となります。申込フォームをページ最下部に設置すると、申込フォームにたどり着くまでスクロールをしなければいけません。ページ自体が長ければ長いほど、そこにたどり着くまでの離脱率は高まります。
いかにページから離脱を予防し、申込フォームの入力に誘導するためには、フォームの設置場所や誘導がポイントです。
ファーストビューのサイドに申込フォーム
セールス・マーケティングプラットフォーム「Senses」サイトのイベント詳細ページにはバナーのサイドに申込フォームが設置されています。ページを下へスクロールしても申込フォームが追従するようになっており、ユーザーが申込フォームを探す手間が発生しません。
申込フォームへのアンカーリンクを設置
タレントマネジメントシステム「カオナビ」サイトではセミナー詳細ページで、ファーストビューのバナー下に「受付中 セミナーに申し込む」のCTAボタンが設置されています。CTAボタンをクリックすると、ページ最下部の申込フォームへ遷移します。
また、開催概要のサイドバーにも設置されており、スクロールしなくても申込フォームへ素早くたどり着くことができます。
カオナビ最新セミナー情報|カオナビ【シェアNo.1】社員の個性・才能を発掘し、戦略人事を加速させるタレントマネジメントシステム
②参加者の声
過去に開催したセミナーであれば、参加者の声を掲載します。参加者の声を通じてセミナーに参加するメリットを提示し、ユーザーの期待感を醸成させることができます。
グループウェア「desknet’s NEO」サイトのセミナー詳細ページでは、「以前に参加された方からはこんな声が寄せられています」と参加者の声が掲載されています。
③オンデマンド配信は資料の一部を掲載
オンデマンド配信のセミナー詳細ページでは資料の一部を掲載します。セミナーに関する情報を一部公開することで、ユーザーは知りたい情報と一致しているのか確認でき、また、ユーザーがもっと知りたいと、セミナーに対する期待を醸成することができます。
労務管理クラウド「SmartHR」サイトのセミナー詳細ページでは「セミナー資料を一部公開」とスライド資料の一部を掲載しています。
【情報収集にオススメ】SmartHRウェビナー アーカイブ特集
④関連セミナーの情報を掲載
イベント詳細ページにおいても、ユーザーがより求めるセミナーが探せるように、関連セミナーを掲載します。
マネーフォワードクラウドのサイトでは、セミナー詳細ページの最下部に関連セミナーが掲載されています。
まとめ
オンラインイベントが浸透し、多様な形式のイベント情報をユーザーが分かりやすいように掲載し、また資料ダウンロードやお問い合わせなどのCVへ影響しないよう注意する
トップページではグロナビにイベント一覧ページに遷移する「イベント」を設置、また、ページ下部で最新セミナーの情報とイベント一覧ページへのCTAを設置する
イベント一覧ページではトップページと比較すると他のCVとの導線は考慮する必要はなく、ユーザーが求めているイベントを探しやすいように検索性を高めることが重要
イベント詳細ページでの目標はフォーム申込であり、申込率を高めるための工夫がポイント
イベント事業のお知らせ
ProFuture株式会社では、年間を通して多数のイベントを開催しています。イベント事業では、経営・人事担当者様とHR業界関係者との情報共有・ネットワーク強化の場を提供し、HR業界およびベンダー企業様の活性化を目指しています。
企業の人材戦略・組織強化・働き方を考える専門フォーラム「HRサミット」をはじめ、大企業の経営者層が集う「HRエグゼクティブフォーラム」のほか、「新卒採用フォーラム」「キャンリクフォーラム」、そして「日本HRチャレンジ大賞」「HRテクノロジー大賞」をいったアワードも開催しています。
詳しい内容は下記ページをご参考にしてください。
関連ソリューション:ProFutureのイベント事業