展示会において、ブースへの集客を目的に活用されるのがノベルティです。展示会では多くの企業が来場者への呼び込みにノベルティを使っています。ペンやメモの文房具、資料を入れる手提げ袋・バックに企業ロゴや製品名がプリントされたノベルティを受け取ったことがあると思います。
今回は展示会におけるノベルティの目的と選定方法を紹介します。
目次
ノベルティの3つの目的
展示会でノベルティを配布する目的は大きく3つあります。
①見込み顧客・商談の獲得
ノベルティを配布する主な目的は見込み顧客・商談の獲得です。ブースの前を通りかかった来場者に対し、ノベルティをきっかけに製品・サービスを知ってもらい、会話のきっかけを作ります。製品・サービスの簡単な説明をしながら、同時に製品・サービスを導入する対象の企業かどうか、判断をします。
このようにノベルティは製品・サービスの認知とともに、クオリフィケーションの役割を果たします。対象企業であればブース内へ案内し、商談獲得を目指していきます。
②来場者の名刺獲得
ノベルティを配布する2つ目の目的は来場者の名刺獲得です。導入対象であるもののニーズが顕在化していない、または、対象の部署ではない来場者の場合、ノベルティの引き換えに名刺を獲得することで、展示会以降も継続した接点を持ち続けることができます。
展示会が終わった後は、MAなどのツールを活用しメールマーケティングを行い、定期的な情報発信しながらナーチャリングを実施していきます。対象企業ではない場合にもノベルティと引き換えに、名刺を獲得し認知を得るためのブランディングしていくこともできます。
③継続的な認知向上
ノベルティは会話のきっかけを作るだけではなく、持ち帰ってもらったノベルティを使ってもらうことで継続した認知を得ることもできます。ノベルティ自体にも認知向上の機能があります。
ノベルティ選定の3つのプロセス
ノベルティを準備していくためには3つのプロセスがあります。ノベルティによって制作期間や予算が異なってくるので、展示会の出展を決めた直後(2~3か月前)から準備をする必要があります。
①目的の明確化・KPI設定
展示会出展の目的と照らし合わせながら、ノベルティを配布する目的を明確にします。優先順位を決めることによってノベルティ選定がスムーズにいきます。上記で紹介した3つの目的から優先順位をつけても良いしょう。
下記のように目的によって、その後のノベルティを検討すべき内容が変わっていきます。
・見込み顧客・商談獲得の場合 パンフレットとセットにして配布できるノベルティ
・名刺獲得の場合 バーコードリーダーなど名刺獲得ツールを使いつつ配布できるノベルティ
・認知向上の場合 継続して使ってもらえるオリジナルのノベルティ
また、目的の明確にしたら、展示会の目標に沿ってノベルティ配布のKPIを設定します。
・見込み顧客・商談獲得 ブース内へ案内した来場者数・企業数など
・名刺獲得の場合 ノベルティの配布数、名刺獲得数など
・認知向上の場合 ノベルティの配布数など
②ターゲット設定
目的を明確にしたら、次にターゲットを設定します。注意点は製品・サービスの利用者ではなく、導入を検討する展示会の来場者をターゲットにすることです。
パート・アルバイト向けの勤怠管理システムの場合、学生や女性が主な利用者になりますが、実際に展示会に来て導入を検討するのは人事担当者です。人事担当者をターゲットとして年齢層や役職・役割などを設定していきます。
BtoBの場合、製品・サービスの導入までに複数の担当者・決裁者が携わりますが、ノベルティのターゲットは展示会に来場しない担当者(決裁者)を想定する必要はありません。あくまで展示会に来場する担当者をターゲットとしていきます。
③ノベルティ選定
ターゲットが明確になったら、ノベルティの候補をあげて選定していきます。ノベルティの候補をあげる際には、下記の4つの軸をふまえ検討していくと良いでしょう。
・ターゲットの属性
・展示会の開催時期
・配布のシチュエーション
・予算と配布数
2つほど候補のイメージを紹介します。
【見込み顧客・商談獲得】
ターゲット:40~50代男性/オフィス勤務
開 催 時 期 :夏
配布シーン:パンフレットを見せながら声かけをする
ノベルティ:制汗シート
選 定 理 由 :・展示会中は暑く、歩き回ることで汗をかきやすい
・会社に戻る、家に戻る前にすっきりとできるもの
・パンフレットと一緒にクリアファイルにも挟める
【名刺獲得】
ターゲット:30~40代男性/妻・子2人の4人家族
開 催 時 期 :秋
配布シーン:ノベルティを配布しながら、名刺獲得ツールを使う
ノベルティ:お菓子
選 定 理 由 :・展示会中は沢山のパンフレットを持ち荷物が多い
・お菓子はお土産として子どもに喜んでもらえる
・お菓子はかごに入れて、バーコードリーダーと持てる
複数の候補は表にして一覧にしたうえで、最終的に決定していきます。
ノベルティの発注から展示会当日まで
①ノベルティ発注・スケジュール策定
ノベルティが選定されたら発注します。また、展示会の開催日から逆算し、納品日、データ入稿日(デザイン決定)などのスケジュールを作成していきます。
企業ロゴを印字するのみであれば、そこまでの制作期間かかりません。リーフレットやデザインが必要なノベルティであれば、デザイン制作・入稿・校正データの確認などの制作期間が発生してきます。
また、デザインは社内にリソースがなければ外注する必要があるので、制作期間を考慮する必要があります。
②納品・配布準備
納品先は展示会の開催場所を指定することができます。主催企業が用意する展示会マニュアルに従い、納品先と納品日(展示会の前日まで)を登録します。
展示会の前日にブースの立ち合いとともに、ノベルティが無事に届いているか確認をします。そして、パンフレットと一緒にクリアファイルに挟む作業や、かごの準備などのセッティングを行います。
また、展示会中、手持ちのノベルティがなくなった際にスムーズに新しいノベルティを補充できるように、呼び込みスタッフの導線も考慮しながら、補充場所を設定しスタッフへ共有しておきます。
③会期中・終了後
会期中はノベルティをスムーズに配布できるように、ノベルティの在庫状況を定期的に確認します。そして、1日終了するごとに在庫数を確認し、配布数を確定させます。また、設定された目標の進捗状況を確認しながら、改善できることがあれば次の日から反映していきます。
すべての会期が終了したら、余っているノベルティはすべて梱包し会社へ送ります。
ノベルティの種類と単価
ノベルティはボールペンやメモ付箋などの文房具、手提げ袋・バックなどの定番のものから、お菓子・お米などの食料品、変わったものまで様々なものがあります。単価も100円未満~1000円以上など幅広いです。
どの程度の予算をかけて、どのノベルティに選定するのか、選択肢が多いゆえに判断が難しい部分があります。実際のところ、ノベルティ自体が見込み顧客や商談の獲得に大きく影響することはありません。あくまでノベルティは来場者との接点のきっかけとし、商談獲得までの導線設計を十分に検討することのほうが重要となってきます。
最終的に悩んだら、展示会の出展・ノベルティの配布目的や予算から大きくずれなければ、ターゲットがもらって嬉しいかどうか、会話のきっかけになるか、といったようにシンプルに判断していけばよいでしょう。
まとめ
・展示会でノベルティを配布する目的は、①見込み顧客・商談の獲得 ②来場者の名刺獲得 ③継続的な認知向上の3つ
・ノベルティはターゲットの属性、展示会の開催時期、配布のシチュエーション、予算と配布数の4つを軸に候補を挙げていく
・会期中は1日終了するごとに在庫数を確認し配布数を確認し、設定された目標の進捗状況を確認しながら、改善できることがあれば次の日から反映する
・ノベルティ自体が見込み顧客や商談の獲得に大きく影響することはなく、あくまで来場者との接点のきっかけとして、商談獲得までの導線設計を十分に検討することのほうが重要
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