自社商品・サービスを多くのユーザーに認知し導入してもらうために、Web広告やWebサイトなど企業主体の発信では限界があります。企業以外の第三者からの発信を意図的に行うのには、メディアのタイアップ広告が有効です。
タイアップ広告は、企業とメディアが協力して作成する広告形態で、通常の広告よりも自然な形で商品やサービスを紹介できます。この手法は、ユーザーに違和感を与えずに情報を伝達できるため、近年注目を集めています。
今回はタイアップ広告について、そのメリットと効果を最大化する進め方を紹介します。タイアップ広告の特徴や利点を理解することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができるでしょう。
タイアップ広告の成功には、適切なメディア選定と綿密な企画立案が不可欠です。また、ターゲット層に合わせたコンテンツ作成や、メディアとの良好な関係構築も重要なポイントとなります。これらの要素を踏まえて、戦略的にタイアップ広告を展開することで、ブランド認知度の向上や商品・サービスの販促につなげることができます。
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目次
タイアップ広告とは
タイアップ広告は、企業が他の企業や団体と協力して制作する広告形態です。「タイアップ」(tie up)という言葉は英語で協力・提携を意味し、タイアップ広告では企業がメディアと提携してPR記事を作成します。この広告形式の特徴は、メディアの編集部が編集コンテンツと同じ形式で制作し、通常の記事と同様にメディア内で掲載することです。
タイアップ広告の利点は、ユーザーがメディアを訪れた際に、自然な流れで広告コンテンツに触れられることです。通常の編集記事と同じ体裁で作られるため、ユーザビリティを損なうことなく、タイアップ記事を読んでもらえる可能性が高くなります。
また、タイアップ広告は、企業の商品やサービスを効果的にPRする手段として注目されています。メディアの持つ信頼性や影響力を活用し、より多くのユーザーに訴求することが可能です。さらに、タイアップ広告を通じて、企業のブランドイメージを向上させたり、新規顧客の獲得につなげたりすることも期待できます。
タイアップ広告の制作プロセスでは、企業とメディアが密接に連携し、ターゲット層に適した内容や表現を検討します。この協力関係により、より効果的な広告メッセージを届けることが可能となります。
タイアップ広告のメリット
タイアップ広告のメリットは大きく3つあります。これらのメリットを活用することで、効果的なマーケティング戦略を展開できます。
①ターゲットの特長に合わせた発信
各メディアには固有のユーザー特性があります。toCメディアでは性別・年代・職業・家族構成・趣味嗜好など、toBメディアでは業界・企業規模・売上・職種・役職・取引形態などが挙げられます。タイアップ広告を活用することで、これらのメディア特性に合わせて特定のターゲットに的確にアプローチできます。メディアはユーザーの特長を熟知しているため、ユーザーの志向に合わせた文脈で企画と編集が可能となり、商品・サービスを効果的に発信できます。
②第三者による発信で、中立性・客観性を担保
タイアップ広告の特徴は、メディアが主体となって商品・サービスをPRすることです。これにより、中立性・客観性を確保することができます。また、メディアの持つ認知度やユーザーからの信頼度によって、記事を読むユーザー数の増加も期待できます。ユーザーはメディアが主体で書いた記事を客観的に読むことができ、内容にも納得感を得やすくなります。結果として、ユーザーを商品・サービスページへ自然に誘導しやすくなります。
③ユーザーの共感と態度変容を期待
先述の通り、メディアはユーザーの特長を把握しているため、ユーザーが共感しやすい企画・編集が可能です。メディアの持つブランド力と企画・編集力を活用することで、商品・サービスへの興味喚起や導入検討などの態度変容を促すことができます。タイアップ広告を通じて、ユーザーの行動変容を効果的に促進することが可能となります。
これらのメリットを最大限に活かすためには、タイアップ広告の目的を明確にし、適切なメディアを選定することが重要です。また、メディア担当者との綿密なコミュニケーションを取りながら、ターゲットユーザーに響く企画内容を検討することが成功の鍵となります。タイアップ広告を戦略的に活用することで、従来の広告手法では難しかった効果的なマーケティングアプローチが可能となり、ブランド認知度の向上や商品・サービスの導入促進につながります。
タイアップ広告の進め方
タイアップ広告の進め方は、目的・KPIの設定から、メディア選定、企画内容の検討、制作・掲載、効果測定・振り返りの5つです。制作・掲載については少なくとも1か月以上の工数が必要となるため、余裕をもって進めていく必要があります。
①目的・KPIの設定
まず、タイアップ広告の目的を明確にします。タイアップ広告の目的は主に次の2つでしょう。商品・サービスへの認知・興味喚起、または、興味喚起・検討です。ユーザーの導入フェーズにおいて、認知から検討までで効果的です。
 
目的を明確にしたらKPIの設定です。BtoCでは顧客アンケートで認知度や態度変容に関する調査を行う必要がありますが、BtoBではリード獲得数が1つの基準となります。そのほかにリード獲得単価や、商談化数・商談化率、Webサイトへ遷移している場合はアクセス数がKPIとなるでしょう。
②メディア選定
次にメディアを選定していきます。複数のメディア候補から、各メディアのユーザー属性や実際に掲載されている記事を確認して、商品・サービスのターゲットに合うメディアを絞っていきます。
このとき大手ビジネスメディアへの掲載を考えがちです。しかし、メディア主体のタイアップではなく、明確にした目的とKPIを達成するためにメディアを選定することが重要です。
メディア担当者とのコミュニケーションを取ることも選定のポイントになります。メディア担当者は、タイアップ広告の目的や要望を聞いたうえでメディアや自社の持つアセットを活用してできることを提案します。この時に伝え方や見せ方を提案してくれるメディアは信頼できるでしょう。
また、ユーザーの特性を良く把握しているメディア担当者とブレストすることによって、新たな企画がうまれることもあります。積極的なコミュニケーションがおすすめです。
③企画内容の検討
メディアが決定したら、具体的な企画内容を検討します。メディアやメディアのユーザー特性に合わせて様々なアプローチの方法があります。
ここでも、メディア担当者と積極的にコミュニケーションをとり、双方向に企画を検討していくことで商品・サービスの一方的なPRを防ぎ、ユーザーにとって読みやすく共感を招きやすいコンテンツになります。
 
 具体的なアプローチについては以下を参考にしてください。
 ・有識者や著名人を起用したインタビュー記事
 ・商品・サービス導入企業を起用した対談記事
 ・ユーザーのアンケート調査結果を取り上げた記事
 ・商品・サービスへの理解を深められるような無料トライアルキャンペーン
 ・ひとつのメディアで連載形式のタイアップ企画
 ・複数のメディアを横断したタイアップ企画
 ・ウェビナーを含めた立体的なアプローチ企画 など
④制作・掲載
企画内容も決定したら、制作に入ります。取材が伴う場合、取材・執筆・校正で1か月以上の工数が必要となります。企画によって制作スケジュールや掲載日は変わるため、企画内容を検討する段階でメディア担当者へ確認します。
実際の制作や掲載までメディアが主体的に行いますが、すべてをメディアに丸投げするのではなく、こまめにコミュニケーションを取り確認をしていきます。こまめに確認することで、コンテンツ内容が当初の目的や企画内容からずれないように防ぐことができます。
⑤効果測定・振り返り
タイアップ広告の掲載後、2週間から1か月ほどのタイミングで効果測定を行い、振り返りをします。効果測定は、②メディア選定の段階で、メディア担当者へどのような数値がレポートされるのか詳細を確認しておきます。
実際の振り返りでは数値の報告だけでなく、考察までしてくれるメディア担当者と取り組めると、次の施策に向けて改善がしやすくなります。
ユーザーは内容ではなく、発信者を見ている
インターネットでの情報収集が当たり前になった今、ユーザーの情報リテラシーは高くなっています。toCでは特にクチコミやユーザーレビューが重視されている傾向にあり、書かれている内容よりも発信者を見ているとも言われています。
このような傾向は、タイアップ広告においても重要な要素となっています。ユーザーは、単に広告内容を見るだけでなく、その情報がどのメディアから発信されているかを注視しています。信頼できるメディアによるタイアップ広告は、より高い効果を期待できるでしょう。
toBの市場でもこのような傾向は少なからず強くなっています。企業主体で発信するのか、メディアなどの第3者が発信するのか、誰が発信するのかを戦略的に考える必要があると言えるでしょう。タイアップ広告を活用する際は、ターゲットとなるユーザーが信頼を置くメディアを選択することが重要です。
また、タイアップ広告の内容だけでなく、そのメディア全体の評判や信頼性も考慮に入れる必要があります。高品質なコンテンツを提供し続けているメディアとのタイアップは、ユーザーにより好意的に受け止められる可能性が高いでしょう。
このように、タイアップ広告の成功には、コンテンツの質はもちろんのこと、発信者の選択が非常に重要な要素となります。ユーザーの目線に立ち、信頼性の高いメディアとのタイアップを通じて、効果的な広告戦略を展開することが求められています。
まとめ
- タイアップ広告は企業がメディアと協力・提携して出稿する広告形態であり、効果的なプロモーション手法として注目されています。
- タイアップ広告のメリットは主に3つあります:
 ①ターゲットの特長に合わせた発信が可能
 ②第三者による発信で、中立性・客観性を担保できる
 ③ユーザーの共感と態度変容を期待できる
- タイアップ広告の企画内容を検討する際は、メディア担当者と双方向にコミュニケーションを取りながら企画を練ることが重要です。これにより、商品・サービスの一方的なPRを避け、ユーザーにとって読みやすく共感を得やすいコンテンツを作成できます。
- 近年、ユーザーの情報リテラシーが向上しているため、タイアップ広告においても内容だけでなく発信者の信頼性が重視されています。そのため、誰が発信するのかを戦略的に考える必要があります。
- タイアップ広告の効果を最大化するには、適切なメディア選定、綿密な企画立案、そして効果測定と振り返りが欠かせません。これらのプロセスを通じて、ターゲットに効果的にリーチし、ブランド認知度の向上や商品・サービスの導入検討につなげることができます。

