CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、今やウェブサイトを構築するうえで欠かせないものとなっています。
CMSが導入されたサイトはパソコンやスマートフォンなどマルチデバイスに対応したウェブページが自動生成され、ウェブの専門知識がない人でも簡単に更新できます。CMSには「静的CMS」と「動的CMS」があり、ウェブサイトの特徴や運営体制に合わせた選定が可能です。
この記事では、静的CMSと動的CMSにはどのような違いがあるのか解説するとともに、CMS選定のポイントをご紹介します。
CMSとは
CMSとは「Contents Management System」(コンテンツ管理システム)の頭文字をとったものであり、ウェブサイトを構築するさまざまなコンテンツを一元的に管理するシステムです。
CMSが導入されたウェブサイトではテキストや画像などがDB(データベース)に保存され、これらのデータをCMSが必要に応じて組み合わせてウェブページを自動生成しています。ウェブサイトのデザインはテンプレート(雛形)を使って自動的に統一化されるため、サイトのイメージを均一に保つことができます。
ウェブサイト構築においてCMSを導入するメリットは次のとおりです。
1. 専門知識がなくてもウェブサイトを更新できる
CMSが導入されていないウェブサイトの場合、サイト更新にはマークアップ言語やプログラミング言語といった専門知識が必要です。しかし、CMSならインターフェイス上のテキスト編集だけでウェブページに反映されるため、専門知識がなくても簡単に扱えます。
2. スマートフォンに対応したウェブサイトを運営できる
CMSはマルチデバイスに対応し、スマートフォンから閲覧しているユーザーにはスマートフォン用のウェブページが自動生成されます。
3. 複数人にサイト更新の権限を付与できる
ウェブページごとにサイト更新の権限を付与することで、担当部署がそれぞれのタイミングで自由にウェブページを更新できます。
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静的CMSと動的CMSの違い
CMSはコンテンツの生成方法によって、「静的CMS」と「動的CMS」の2種類に分かれます。 ここでは、それぞれの特徴や違いをご紹介します。
●静的CMSの特徴
静的CMSでは、あらかじめ生成したHTMLファイルをウェブサーバーに転送します。ユーザーからのリクエストに対してはすでに生成済みのウェブページが表示され、動的CMSよりも速い速度でのページ表示が可能です。
また、CMSサーバーとウェブサーバーは分離されるため、セキュリティを確保しやすいメリットもあります。更新頻度が少ない企業・団体のウェブサイト、セキュリティを重視する官公庁系のウェブサイトが向いています。
●動的CMSの特徴
動的CMSでは、ユーザーからのアクセスがあったときにDBから必要な情報が引っ張られ、その都度ウェブページが生成されます。静的CMSよりもページ表示に時間がかかりますが、サイト構築の自由度が高くページの拡張や更新は比較的簡単にできます。
最新の情報をリアルタイムに表示できたり、ユーザーごとに閲覧ページを切り替えられたりすることから、物件や求人などの検索サイト、マイページ機能を持つ会員サイトに向いています。
CMS選定のポイント
CMSを導入したウェブサイトの構築にあたっては、さまざまな種類のなかからウェブサイトの内容や規模、運営体制にマッチしたCMSを選ぶことが大切です。ウェブサイトを制作・運用するにはコストがかかるため、どのようなCMSが向いているのか慎重に検討しましょう。
最適なCMS選びのポイントは次のとおりです。
●ウェブサイトの内容や規模感に合っているか
ウェブサイトの更新頻度がそれほど高くなくユーザーごとにページ表示する必要がなければ静的CMS、更新頻度が高くユーザーによってページを切り替えたい場合は動的CMSを導入するのが向いています。このように、ウェブサイトの内容に対応できるCMSを選びましょう。
また、ページ数やアクセス数といったウェブサイトの規模感に合うCMSを選ぶ必要があります。CMSのスペックによってはウェブサイトの規模に耐えられず、パフォーマンスが低下してしまうおそれがあるからです。
●セキュリティ面に不安はないか
オープンソース型(WordPress、Drupalなど)は脆弱性が見つかりやすく、サイバー攻撃を受けるリスクが高いといえます。CMSの脆弱性を狙った攻撃を回避しセキュリティを強化するには、常にCMSを最新の状態に保つことはもちろん、CMS選定においてもセキュリティ機能の高いものを選ぶことが大切です。
まとめ
◆CMSとは、ウェブサイトを構築するさまざまなコンテンツを一元的に管理するシステムである。
◆CMSはコンテンツの生成方法によって、「静的CMS」と「動的CMS」の2種類に分かれる。
◆静的CMSには表示速度が速くセキュリティを確保しやすいメリット、動的CMSには最新の情報を更新しユーザーによって閲覧ページを切り替えられるメリットがある。
◆CMS選定のポイントは次のとおり。 ・ウェブサイトの内容や規模感に合っているか ・セキュリティ面に不安はないか