YouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームや、HuluやNetflix、Amazonプライム・ビデオなどの動画配信サービスの普及により、オンラインの動画視聴は増加し続けており、動画は身近な存在になっています。
この現状とともに、企業のマーケティング活動において、動画コンテンツの活用が重要となっています。今回は、動画コンテンツを活用したマーケティングについて紹介します。
目次
マーケティングの成果を上げる動画コンテンツ
アライドアーキテクツ株式会社が発表した「企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021」では、およそ6割の企業で、静止画コンテンツと比較して、動画コンテンツの成果やKPIが向上し、マーケティング全体の成果が改善したという結果が出ています。
具体的には、SNSにおいてフォロワーやエンゲージメントの向上が挙げられました。ほかにも、Webサイトや、オンライン展示会・イベントにおいて、顧客の反応が良くなったという効果もあります。
動画コンテンツの成果が向上したのは約6割‐企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021(アライドアーキテクツ調べ) | ProFutureマーケティングソリューション
オンラインのマーケティング・営業活動が主流となりつつある今、動画コンテンツはマーケティングの成果を上げる重要な施策として注目されています。
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動画コンテンツの特徴とメリット
動画コンテンツがマーケティングの成果を上げる理由は、動画ならではの特徴にあります。
①伝えられる情報量の多さ
テキストや写真・イラストと比較すると、動画は短時間で伝えられる情報量は格段に増えます。その情報量はおよそ5000倍にのぼるとも言われています。情報量が多い分、ユーザーの製品・サービスの理解度が高まり、記憶に残りやすくなります。
特に、SaaSサービスでは、実際に使ってみないと分からない価値や魅力を、使ったことがないユーザーに伝えるために、動画コンテンツをデモのように疑似体験させることができます。無料トライアルを設けていないSaaSサービスは非常に有効なコンテンツになるでしょう。
②誰が説明しても一定の質が担保される
当たり前ですが、動画は同じ内容で同じ説明がされるので、どのユーザーが見ても一定の理解を促すことができます。また、ウェビナー登壇やセールス、カスタマーサポート、誰が動画を活用して説明したとしても、人に依存せず一定の質が担保されます。
③SNSでシェアされやすい
SNSではテキストよりも動画のほうがシェアされやすい傾向があります。インパクトのある動画コンテンツを作成できれば、SNSでシェアされ注目されます。また、製品・サービスを知らなかったユーザーに対しても、認知する段階で製品・サービスを印象づけることができます。
動画コンテンツの種類と制作ポイント
動画コンテンツには大きく4つの種類があります。
①プロモーション動画
企業や製品のイメージを伝えるプロモーション動画はブランディング目的で活用されます。上述の調査では、半数以上の企業で活用されています。動画によって企業や製品・サービスの魅力をユーザーに対し直感的に訴求することができます。
②製品・サービス紹介動画
その名の通り、製品やサービスの詳細を紹介する動画です。同調査で、最も多い6割の企業が活用しています。
製品・サービスを知らないユーザーに対し、製品・サービスの認知と理解を同時に促すことができます。また、実際の活用場面を入れると、実際にサービスを使っているような印象を与えることが可能です。
③How To動画
How To動画は製品・サービスの使用方法などを紹介します。同調査で3割の企業が活用しています。すでに製品・サービスを知っているユーザーに対し、具体的な活用方法を見せることで、不安材料を取り除き、他社比較での強みを伝え、問合せや資料請求などの具体的なアクションへ誘導することができます。
④会社紹介動画
企業の風土や働く人を紹介する会社紹介動画は、会社ホームページなどに掲載され、おもに採用の場面で活用されます。同調査では最も少ない、2割以下の企業が活用しています。
動画コンテンツの成果が向上したのは約6割‐企業のDX推進における動画活用の実態調査 2021(アライドアーキテクツ調べ) | ProFutureマーケティングソリューション|MarkeTRUNK
また、動画コンテンツ制作のポイントとしては以下の3つです。
①目的とペルソナを明確化
動画の目的とペルソナを明確にしていきます。動画の目的は、製品・サービスの認知向上や理解促進、問合せ・資料請求の増加などあります。
また、ペルソナは動画を見る機会に限定して0から作るのではなく、ペルソナジャーニーにある、どの検討フェーズなのかをまずは明確にします。そのフェーズのユーザーがどのような行動を起こし動画を見て、動画を見た結果どのような状態にあるのか、具体的なシチュエーションをイメージしながら作成していきます。
②コンテンツの決定
目的とペルソナが明確になったら、コンテンツを決めていきます。 それぞれの目的にあったコンテンツは以下の通りです。
・認知向上 → プロモーション動画、製品・サービス紹介など
・理解促進 → 製品・サービス紹介、How to動画、導入事例動画など
・問合せ・資料請求 → 製品・サービス紹介、How to動画、導入事例動画など
③コンテンツの作成
動画の作成は最低でも数十万円の費用をかけて外注することが多かったのですが、今は動画編集ソフトを使って内製で作成している企業もあります。予算とリソースに合わせて、作成方法を選択します。
動画の作成においては、サムネイル・動画開始の5秒で関心を引くようなビジュアルに作成することがポイントです。また、動画時間は長くて3分に収まるようにしましょう。
動画コンテンツの活用ポイント
①SEO効果を最大化させる
Googleの検索エンジンはWebサイト上の画像は認識できるものの、動画の内容まで認識できるレベルではありません。そのため、動画コンテンツでSEO効果を高くするためには、動画コンテンツ単体ではなく、サイト全体で取り組む必要があります。
具体的には、サイト内のコンテンツと関連性の高い動画コンテンツを掲載します。ユーザーが動画コンテンツを見るようになった結果、滞在時間の増加や直帰率の改善がされ、間接的に検索エンジンからの評価が上がるようになります。
また、Googleでは、動画コンテンツをユーザーが見つけやすいように、動画のインデックス方法の手順を下記ページで紹介しています。
動画 SEO に関する新しいリソース | Google 検索セントラル ブログ
②SNSで活用する
ターゲットの年代に適したSNSに動画コンテンツを配信していきます。10代・20代の若年層はTwitter、40代・50代はFacebookが最も利用率の高いSNSです。SNSに適した動画の長さは、30秒~1分が適していると言われているため、SNS用に短編の動画コンテンツを用意するとよいでしょう。
③展示会・セミナーなどイベントで活用する
展示会では、動画コンテンツは来場者の目に留まりやすくブースへの誘導に有効です。また、動画コンテンツで製品・サービスの理解を促すので、ブース内での営業効率も期待できます。また、セミナーでは、セミナー途中で動画コンテンツを流すなど、視覚的な理解を促すことができます。
動画コンテンツの活用先とこれから
動画コンテンツは、マーケティング以外にも営業活動やカスタマーサポートのオンボーディング、採用活動や社内の研修にも幅広く使うことができます。
動画プラットフォームが定着し、さらに5Gの普及により通信速度の向上とともに、動画視聴の時間は増加し続けていくと思われます。それに伴って、動画コンテンツ活用の重要性はますます高まっていくでしょう。
まとめ
・動画コンテンツには、①伝えられる情報量の多さ、②誰が説明しても一定の質が担保される、③SNSでシェアされやすいといった特徴とメリットがある
・動画コンテンツには、プロモーション動画、製品・サービス紹介動画、how to動画、会社紹介動画の4種類ある
・動画コンテンツ制作のポイントとして、ペルソナは、ペルソナジャーニーのどの検討フェーズなのかをまずは明確にし、具体的なシチュエーションをイメージしながら作成していく
・動画コンテンツでSEO効果を高くするためには、動画コンテンツ単体ではなく、サイト全体で取り組む必要がある