商品やサービスの購入前に、インターネットを利用して、あらかじめ情報を取得するのが当たり前となった現代社会。企業にとっても、さまざまな情報をまとめて提供できるホームページ制作は欠かせないものとなりました。
しかしながら「作り方がわからず放置している」という企業や、「ホームページ作成になんとなく一歩踏み出せない」といった課題を抱える担当者も多いようです。
そもそもホームページとは、企業がビジネスを展開する上でどのような役割を担っているのでしょうか。
コロナ禍でオンライン化が急速に進み、ますます重要性が増している企業のホームページ制作について、必要な準備から作り方の基本まで、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
ホームページとは何か?
ビジネスを発展させる上で欠かせない、企業や組織のホームページ制作。
世界中に公開し、取り扱う「商品・サービス」の魅力や、自社そのものの「ブランド」を広く訴求できることが特徴です。
ホームページは、インターネット上に公開している「Webサイト(ウェブサイト)」と呼ばれる掲載情報のトップページ(最初に表示されるページ)にあたり、スマートフォンやパソコンなどから閲覧することができます。
Webサイトとは「Webページ」と呼ばれる複数のページをまとめたものの総称で、そのWebページのトップに表示されるのがホームページです。
ただし、日本でホームページといえば、「Webサイト」の一部ではなく全体を指していることが多いため、一般的にホームページとWebサイトは、ほとんど同じ意味であるということを理解しておきましょう。
企業や組織の担当者によっては、ホームページは「会社に必要なものなのだろう」とわかってはいても「いまひとつその重要性が感じられない」ために、ホームページ作成のはじめの一歩がなかなか踏み出せなかったり、制作後の効果が見えにくいと、放置してしまったりすることが少なくありません。
ホームページ作成の具体的なメリットには、以下が挙げられます。
●どのような企業か情報提供することで、顧客に安心感を与えられる
●自社の商品やサービスについて、広く深く情報提供ができる
●必要な人材の採用活動に活用するなど、費用をかけず継続的に発信できる
●競合他社に差をつけるブランディング(自社の価値を創造する)が行える
ホームページが必要な理由の筆頭に挙げられるのは「情報の提供が十分に行えること」でしょう。
顧客が商品やサービスを数ある中から選択する際に、インターネットを介した情報収集は、もはや必須ともいえる時代となりました。競合他社が詳細で魅力的なホームページを制作し、顧客にとって必要な情報を提供する一方で、もし自社にホームページがまったくない、またはホームページの内容が十分でないものであれば、最初の段階でビジネスの候補にすら挙がらないかもしれません。
ほかにも、顧客からの問い合わせ窓口として活用したり、自社の採用活動を強化するためのアピールの場にしたりするなど、ホームページは企業におけるさまざまな問題解決の施策となり得ます。
あらゆる面でホームページ作成のメリットは大きく、企業や組織が今すぐ取り組むべき重要課題だといえるでしょう。
ホームページ制作に必要な準備① ソフトウエアの選定
自社のホームページ制作に入る前に必要な準備として、まずは「どのような方法で作成するか」を選択していきましょう。
ホームページ制作には、大きく分けて「無料ソフト」「有料ソフト」「CMS」の3種類のいずれかを使用する方法があります。
※ソフト:ソフトウエア(コンピューターを動かしているプログラム)
●無料ソフトを活用したホームページの作り方
CSSやHTMLなど専門の知識がなくても、費用をかけずに簡単にホームページ制作が行えるソフト。
ただし、複雑な設定などへのサポートはなく、自身で調べて実装する必要があります。構成からテキスト(文章)の作成、使用する写真の加工などを行い、1ページずつデザインしましょう。
無料ソフトの多くは、ホームページに広告が掲載される仕様となっています。意図しない内容の宣伝が自社のホームページに表示される可能性もあり、注意が必要です。
●有料ソフトを活用したホームページの作り方
無料ソフトと同様に専門知識がなくても作成できます。有料ソフトは一般的に広告の表示はなく、ビジネス用の安心感のあるデザインが多いといわれています。
複雑な設定などは制作会社が担当してくれることが多く、初期費用と月額費用を支払って運営してもらう形態です。
●CMSを活用したホームページの作り方
「無料ソフト」「有料ソフト」「CMS」の3種類のうち、ホームページ作成で人気が高いといわれているのは「CMS」です。
CMSとは「Contents Management System(コンテンツ管理システム)」の略で、具体的には「WordPress」や「とりあえずHP」「Movable Type」システムなど、ホームページ制作が簡単に行えるソフトを指しています。中でも「WordPress」は、CMS市場で6割以上のシェアを誇るといわれる、世界でもトップクラスのソフトです。
有料プランもありますが、基本的には無料のソフトとなっており、レイアウト(テンプレート)やデザインなどが一元化されていること、使用するのに専門の知識を必要とせず、ホームページ作成者の中でも「使いやすい」と評価が高いこと、などで知られています。
ホームページ制作に必要な準備② サーバーの選定
「無料ソフト」「有料ソフト」「CMS」などから自社にとって最適なホームページ制作方法を決定したら、次に必要なのが「サーバー」の選定です。
サーバーとは、インターネット上で閲覧するホームページなどの情報を保管しておくための場所(いわゆるショーケース)になります。
ホームページを作っただけでは、作成者のパソコン上でしか閲覧することはできません。 広く世界に公開するためには、サーバーという場所に作成したものを置きにいく作業が必要になります。
サーバーには「有料サーバー」と「無料サーバー」が存在し、無料サーバーは、自社が作成したホームページになんらかの広告が表示されることが多いようです。
広告表示を避け、無料サーバーを活用したい場合は、インターネットサービスプロバイダー(ISP:インターネット接続事業者)の多くが無料サービスとして提供している「サーバースペース」を利用する方法があります。
ただし、データ容量(保管できる量)が少なく、いずれ不足する可能性があること、また、活用できる機能が少ないことなどから、企業や組織のホームページ制作では、サポート体制が整った有料サーバーの活用が望ましいといえるでしょう。
ホームページをつくる際にCMSのソフトを選べば、あらかじめサーバー設定などがセットになっている、初心者向けの有料プランも提供されています。
ホームページ制作に必要な準備③ ドメインの取得
サーバーを選定したら、インターネット上に置くホームページの住所となる「ドメイン」を 取得しましょう。
「http://www.○△○△.com」の「○△○△」をドメインと呼び、インターネット上にあるホームページなどのWebサイトを探す際に必要な情報です。
ドメインには「独自ドメイン」や「サブドメイン」といった種類があります。
独自ドメインは、「http://www. ○△○△.com」の「○△○△」の部分に企業名や商品名など、好きな文字列を入れることができ、顧客が覚えやすく信頼性のあることがメリットです。
一方、「サブドメイン」は「http://www. ○△○△.□□□□.com」の「○△○△」の部分に企業名や商品名などが入れられることは同じですが、多くは「□□□□」にそのサービスを提供する会社名が入り、すべてオリジナルのドメインではありません。
独自ドメインは有料となりますが「実質無料プラン」や「無料キャンペーン」などのサービスも展開しているため、企業や組織でホームページ制作に取り組む際には、オリジナルのドメインを取得することが望ましいでしょう。
ホームページの作り方
ホームページ制作に必要な準備が完了したら、構成やデザインなどを工夫して自社のホームページを作っていきましょう。
企業のホームページで、必ず入れておきたい情報が以下になります。
●会社名と概要
●事業内容
●事例と実績
●問い合わせフォーム
●よくあるご質問(Q&A)
●SNSアカウントやブログ(あれば連携)
●採用情報
●個人情報の取り扱いについて
いずれも顧客の閲覧にストレスがなく見やすいページにすることが重要です。
ホームページを開設しても、すぐにアクセス数(ホームページに訪問してくれた数)が増えるとは限りません。多くの顧客に自社を知ってもらうためには、SEO対策(GoogleやYahoo!の検索結果で高い位置に表示されるよう行う施策)が必要になります。
検索の結果で下位に表示されると、せっかく自社のホームページ作成に取り組んでも、目にする人が少ないため、広く効果的な情報提供ができません。
SEOキーワード(検索欄に入力する語句)を選定しニーズに合わせた内容のコンテンツを作ったり、ページ数を増やしてボリュームアップさせたりなど、ホームページ制作とあわせて自社で対策を施せば、費用を抑えることができます。
より確実な集客を目指したい場合は、有料となりますが、外部の専門業者に相談するとよいでしょう。
まとめ
オンライン化が急速に進む中、自社のビジネス成長を目指す上で、ホームページが担う役割は非常に大きいといえます。
ホームページの有無や、その内容によっては、企業や組織のイメージが劇的に変化するといっても過言ではありません。
まずはホームページの作り方を理解し、改善を繰り返しながら、自社の目的を達成できるクリエーティブを目指していきましょう。