スマートフォンの普及により利用が拡大し、日常生活に大きく浸透したソーシャルメディア。発信者と受信者がつながることで距離が近くなり、情報の拡散が期待できるサービスだが、近年はその力を生かし、自社のカスタマーサービスとしてソーシャルメディアを活用する企業が増加している。
SNSで企業アカウントを作成し、運営を成功させるにはどのような点に注意するべきなのか。本記事ではカスタマーサービスでソーシャルメディアを活用するメリットや具体的な活用ステップ、運営の注意点などについて詳しく解説する。
参照元:カスタマーサービスでソーシャルメディアを活用する3ステップ
企業がソーシャルメディアを活用するメリットとは?
インターネットやスマートフォンの利用が拡大し、SNSで企業アカウントをどのように活用し、どんな内容の発信を行っていくのかが企業成長につながる重要な鍵となっている。
企業がソーシャルネットワークサービスを積極的に活用するメリットとは何なのか。 具体的な利点は以下である。
●顧客の本音を知ることができる
大きなメリットの一つに挙げられるのが「顧客の本当の気持ちがわかること」だ。
企業側が行うカスタマーサポートでも日々の顧客対応からさまざまな意見を聞き取りや、顧客の問題解決のためにアンケートなどを実施しているが、実際の本音にまでたどりつかないケースがある。
企業側に寄せられる貴重な意見の他に、意見を直接伝えることをしない、声なき顧客の考えがSNSの口コミになることがあるのだ。
企業アンケートにはなんとなく答えづらいが、実は商品・サービスに不満を持っている、といった顧客の本当の声を知ることができるだろう。
●顧客とリアルタイムのコミュニケーションが行える
SNSでは、顧客が今考えていることに反応し、知りたい情報をスピーディーに提供することができる。
例えば、顧客が欲しいと思っている商品がオンライン上で売り切れとなっている、自社のサイトが何らかの理由でサーバーダウンが起きているなど、リアルタイムで情報を取得し迅速に対応できるのがポイントだ。
素早い対応やコミュニケーションは顧客満足度の向上にもつながるため、自社に関わる口コミは重要である。
●より良い体験の拡散ができる
顧客が自社とのコミュニケーションでより良い体験ができれば、口コミとしてSNSで拡散される可能性がある。SNSの特徴である拡散力により、多くの消費者に良い情報が広がって、ポジティブな企業ブランディングが行えるだろう。
ブランド力は商品やサービスの購入を後押しすることにつながるため、イメージアップとなる優れた顧客体験の提供が重要だ。
●ネガティブな風評・意見を把握する
SNSを活用してカスタマーサポートを行うことで、今まで発見できなかったネガティブな風評や必要な意見にすぐさま対応ができる。口コミなどが事実と異なる場合はていねいな説明をすることで炎上などのリスクを最小限に抑えることも可能だろう。
まずは情報発信に細心の注意を払い、自ら火種をつくらないことが大切だが、万が一ネガティブな問題が拡散された際には誠意をもって早めに対応することがポイントだ。
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ソーシャルメディアを活用するときのステップとは?
企業がSNSで自社のアカウントをつくり、情報発信を行うにはどのようなステップが必要なのか。アカウント運営のステップは以下である。
●利用するソーシャルメディアを決定する
「YouTube」「Twitter」「Instagram」「TikTok」など、あらゆるメディアの中からマーケティングで自社のターゲット層が利用するSNSを選び出す。まずは少数からスタートし、徐々に対応メディアを増やしていけばよいだろう。
SNSを選んだら、担当者や担当範囲・配信時間を決め、顧客からのメッセージなどにも対応していこう。
●自社にふさわしい「トーン&マナー」をルール化する
SNSでは、顧客やその他の第三者から見られていることを意識した運営が大切である。 メッセージなどのやりとりや口調には注意し、自社にふさわしい「トーン&マナー(トンマナ)」をルール化しておくとよいだろう。
言葉の方向性を間違うとブランド力の低下につながりかねない。顧客とのコミュニケーションや情報発信に最適な「トーン&マナー」を設定することが重要だ。
●最終的な問題解決への導線を設ける
SNSでは投稿できる文字数が決まっているケースが多い。顧客とのやりとりで最終的な問題解決に至らない場合は、自社サイトの「問い合わせフォーム」などに誘導するような体制をあらかじめつくり上げておくことが大切だ。
SNSでのカスタマーサービスでは、常にわかりやすく便利な企業アカウントを構築していく必要があるだろう。
まとめ
カスタマーサービスの一環としてSNSを活用することは、企業成長に欠かせない施策である。顧客との距離が近くなることで生まれる注意点を意識しながら、コミュニケーションを積極的にとり、拡散力などのメリットを活用しよう。