「BIZTEL(ビズテル)」などを提供する株式会社リンクは「カスタマーサクセスに関する認知度調査」の結果を2021年3月16日に発表した。調査期間は2021年1月19日~2021年1月26日。IT企業の経営者を対象に374社より回答を得た。
この調査により、カスタマーサクセスの認知度と取り組み状況が明らかになった。
参照元:【IT企業経営者374名を対象としたカスタマーサクセス認知度調査結果】約3割のIT企業経営者がカスタマーサクセスは「経営戦略的に重要」と回答
カスタマーサクセスを知っている経営者は3割未満
カスタマーサクセスとは、企業の製品・サービスに対する「顧客の成功体験(達成感)」や「満足する気持ち」を引き出すことを目指し、その取り組みを積極的に行うことを表す。
具体的には、自社の製品にまつわる顧客の悩みを解決しサポートする。従来のカスタマーサポートと異なる特徴は、企業側から「自発的」に成功まで導くための取り組みを行っている点にある。
顧客に必要なプランを企業側が先に提案できるような取り組みや概念が「カスタマーサクセス」であり、顧客と信頼関係を築きながら、成功体験(達成感)までサポートすることが大きなポイントである。
引用元:【IT企業経営者374名を対象としたカスタマーサクセス認知度調査結果】約3割のIT企業経営者がカスタマーサクセスは「経営戦略的に重要」と回答
今回の調査では、まず「カスタマーサクセス」について聞いたことがあるか問いかけた結果、「はい」と回答した経営者は28.6%であった。近年、注目が高まっているとは言え、カスタマーサクセスの認知度はまだまだ低いことが分かった。
カスタマーサクセスの事業戦略における重要性を7割の経営者が認識
引用元:【IT企業経営者374名を対象としたカスタマーサクセス認知度調査結果】約3割のIT企業経営者がカスタマーサクセスは「経営戦略的に重要」と回答
次にカスタマーサクセスを知っている経営者に対し、事業においてカスタマーサクセスの重要性を聞いた。「事業戦略として重要」が72.0%となり、7割以上の経営者がカスタマーサクセスの重要性を感じている結果となった。
また「情報が不足していて判断できない」が14.0%となり、カスタマーサクセスのことは知っていても、事業戦略として判断しうる十分な情報が不足していることも明らかになった。
7割以上の企業で取り組んでいる、もしくは、取り組み意向あり
カスタマーサクセスの重要性は感じているものの、取り組み状況はどうだろうか。
引用元:【IT企業経営者374名を対象としたカスタマーサクセス認知度調査結果】約3割のIT企業経営者がカスタマーサクセスは「経営戦略的に重要」と回答
カスタマーサクセスについて知っている経営者にカスタマーサクセスの取り組み状況を聞いたところ、すでに「取り組んでいる」企業は40.2%となった。
「今後取り組みたい」と回答した経営者とあわせて、70%以上の企業で取り組んでいる、もしくは、取り組む意向があることが分かった。
カスタマーサクセスの取り組みに関する課題トップはノウハウの不足
引用元:【IT企業経営者374名を対象としたカスタマーサクセス認知度調査結果】約3割のIT企業経営者がカスタマーサクセスは「経営戦略的に重要」と回答
さらに、カスタマーサクセスに取り組んでいる、もしくは、今後取り組みたいと回答した経営者に対し、カスタマーサクセスの取り組みに関する課題について聞いたところ、トップは「ノウハウが不足している」が50.0%となった。
カスタマーサクセスは、顧客に寄り添いながら、積極的に自社の利益につながる提案をしていくことが求められる。
そのためには日頃から顧客に対し、ノウハウやトレンドなどの情報共有や、悩みごとや困りごとのヒアリングを行い、きめ細かくサポートをしながら、信頼関係を構築していくことが重要となる。
そのノウハウの蓄積には社内での取り組みが重要となり、この点で多くの経営者が課題を感じていることが明らかとなった。
次に「部門がない(担当者がいない)」が28.6%、「システムが不足している」が19.0%と、リソース面での課題が続いた。
今回の調査により、経営者が事業戦略上、カスタマーサクセスを重要と感じていることが分かった。カスタマーサクセスに取り組むにあたっては、ノウハウやリソース面での課題があるものの、その認知度は3割未満と留まっていることも明らかになった。
ノウハウやリソース面での課題をクリアし、カスタマーサクセスに取り組み、顧客の成功体験を実現することができれば、競合他社の差別化を図るとともに自社の競争力を高めることができるだろう。
参照元:【IT企業経営者374名を対象としたカスタマーサクセス認知度調査結果】約3割のIT企業経営者がカスタマーサクセスは「経営戦略的に重要」と回答