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2020年インターネット広告費は前年比105%で増加傾向(CCI/D2C/電通/電通デジタル発表)

2021.3.30
読了まで約 3

国内電通グループのデジタル広告領域を牽引する4社(CCI/D2C/電通/電通デジタル)は「2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を2021年3月10日に発表した。2021年2月に電通が発表した「2020年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体について分析、さらに2021年の予測を加えた。

このレポートにより、2020年のインターネット広告の状況が明らかになった。

参照元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

2020年のインターネット広告媒体費は前年比105%で増加傾向

【インターネット広告媒体費の広告種別構成比】

引用元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

2020年のインターネット広告媒体費は1兆7,567億円となり、前年比105.6%と増加傾向であった。

内訳は、検索連動型広告が6,787億円(前年比101.6%)、ディスプレイ広告が5,733億円(前年比103.4%)、ビデオ(動画)広告が6,787億円(前年比121.3%)であった。特に、ビデオ(動画)広告は巣ごもり需要による動画配信の増加の影響を受け、大きく伸長した。

ほかに、成果報酬型広告が985億円(前年比93.9%)、その他のインターネット広告が200億円(前年比117.8%)であった。

運用型広告は増加。一方で、成果報酬型・予約型はコロナ禍の影響で減少

【インターネット広告媒体費の取引手法別構成比】

・運用型広告:
  検索連動型広告、および、デジタルプラットフォームやアドネットワークを通じて入札方式で取引されるもの。

・予約型広告:
  純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接広告主に販売されるもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワーク  を通じて非入札方式(固定価格)で取引されるもの。

・成果報酬型広告:
  インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告。

引用元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

続いて、取引手法別に見ていく。取引の主流となっている運用型広告は1兆4,558億円で、前年比109.7%と伸長した。一方で、コロナ禍の影響により、予約型広告は2,024億円(前年比87.5%)、成果報酬型広告は985億円(前年比93.9%)と前年より減少した。

大きく伸長したビデオ(動画)広告は運用型広告が8割

【ビデオ(動画)広告種類別構成比(左)とビデオ(動画)広告取引手法別構成比(右)】

・インストリーム広告:
  動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告。

・アウトストリーム広告:
  ディスプレイ広告枠等の動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告。  

ウェブ上の広告枠や記事のコンテンツ面等で表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含みます。

引用元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

2019年より大きく伸長したビデオ(動画)広告について詳細を見ていく。まず、広告種類では、インストリーム広告が1,800億円で46.6%のシェア、アウトストリーム広告が2,063億円で53.4%のシェアと、アウトストリーム広告がインストリーム広告をやや上回る結果となった。

取引手法では、運用型広告が3,206億円と全体の83%を占める結果となった。

SNS広告は金額も全体シェアも前年より増加傾向

【ソーシャル広告構成比推移(左)とソーシャル広告種類別構成比(右)】

・SNS系はSNSプラットフォーム、動画共有系はユーザー投稿型動画共有サイト、その他はブログや電子掲示板等。

引用元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

続いて、インターネット広告費媒体費におけるソーシャル広告の割合を見ていく。2019年は4,899億円に対し、2020年は5,678億円で116.1%と伸びた。さらに、全体のソーシャル広告の割合は、2019年29.5%から2020年32.4%と増加しており、金額もシェアも拡大している結果となった。

また、ソーシャル広告の構成を見ていくと、SNS系が2,488億円(全体43.7%)、動画共有系が1,585億円(全体27.9%)、その他が1,615億円(全体28.4%)となった。

2021年インターネット広告費予測は1兆8,912億円、前年比107.7%

【インターネット広告媒体費総額の推移(予測)】

引用元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

最後に2021年のインターネット広告媒体費の予測値を算出したところ1兆8,912億円、2020年比107.7%の増加となった。

【ビデオ(動画)広告市場の推移(予測)】

引用元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

特にビデオ(動画広告)では、2020年比110.4%の伸びを予測しており、中でもインストリーム広告が2020年比115.1%と大きく伸長すると見られている。

今回のレポートにより、コロナ禍にも関わらず、2020年のインターネット広告媒体費は前年比105%と増加傾向であることが分かった。特にビデオ(動画)広告については前年比121%と大きく伸長し、2021年もその傾向が続くと予測されている。

動画広告以外にはSNS広告の全体シェアも拡大しているなど増加傾向のメディアもあり、2021年のインターネット広告の動向に注視したい。

参照元:2020年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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