長引くコロナ禍が、社会の至るところに大きな影響を及ぼしている。
ビジネスの現場でも観光業や飲食業などの業種への打撃は深刻で、倒産や閉店などのネガティブなニュースが連日報道されているとおりだ。
一方で、自動車関連分野やIT関連の業界ではいち早く復活の兆しが見られるなど、業種によって大きく明暗が分かれた状況となっている。
そして、この他に好調な業種として特筆されるのがEC(エレクトリック・コマース)に代表されるウェブマーケティングの分野だ。なかでもアパレル、医療品・化粧品は、対面消費の減少分を上回る伸びをEC売上で記録。さらに飲食料品、は対面売上の減少分をECでカバーするなど、対面からECでの展開へのいち早い移行がコロナ禍の影響を食い止め、逆に市場を伸ばす結果となったのだ。
この傾向はECに限らず、ウェブマーケティング全体に追い風が吹いている状況だといえるが、それでも伸び悩んでいたり、思ったほどの成果があげられていないという担当者も多いのではないだろうか。
もし、ウェブマーケティングにおいて伸び悩みや頭打ちの兆候が見られるなら、CV(コンバージョン)の設定を一から見直す必要があるだろう。
ウェブマーケティングに携わっている人なら誰もが一度は耳にしたり、実際に使っているであろうコンバージョンという言葉だが、マーケティング施策の最終的な費用対効果を明らかにする重要な指標であるにも関わらず、その定義や役割をよく知らないまま使っていたり、何となく設定してしまっていることも多い。
それはコンバージョンの定義や設定は、業界やサービス、ユーザーの状況によってさまざまに変化させる必要があるためと、マーケティングを行う当事者の立場や状況によっても捉え方が変わる場合があるため、ひとくちで説明することが難しいということも一因となっている。
しかし、マーケティング担当者にとっては、「コンバージョンをより効率的に獲得し、拡大させることが最大のミッションである」、ともいえるほど重要な概念なので、しっかりと理解しておく必要がある。
そこで本稿では、コンバージョンの定義や効果測定の種類から、コンバージョンのさせ方や掲載方法、コンバージョン向上の施策などを整理しながら解説していくこととする。
目次
コンバージョンの定義とその種類
コンバージョンの定義
ウェブマーケティング以外の分野でも使われることがある
コンバージョン(conversion:CV)とは、ウェブマーケティングの分野において、Webサイトにおける「購入」や「申込み」など最終的な成果のことを指す。
一方で、一般的なビジネス上のプロジェクトや施策の最終的なゴールを指す言葉としても使われたり、あるいはWeb広告などにおいて、単に広告をクリックしたこと自体をコンバージョンということもあるなど、使い勝手のいい言葉としてさまざまな分野で登場する言葉でもある。
そこで、この項ではコンバージョンをウェブマーケティングの分野で使われる意味に限定することで、その定義を明確にしていきたい。
コンバージョンの定義
前述の通り、コンバージョン(conversion:CV)とは、直訳すると、「転換」であり、「なにかを別のなにかに転換すること」がコンバージョンである。そう考えると、ウェブマーケティングの分野ではコンバージョンと定義できるポイントは無数にあることになる。
例えば製品の購入やサービスへの申し込みはもちろん、商品説明会への参加申込みや無料会員登録、メルマガ購読など、売り上げ向上に繋がる転換点は全てコンバージョンに含まれるのだ。
つまり、
「新規ユーザー → 資料請求 → 見込み顧客へ【転換】」
「ECサイトで商品を検討 → 購入 → 見込み顧客から顧客へ【転換】」
というように、売上や業績などを向上させるためにユーザーを別のステータスに【転換】させることはすべて、「コンバージョン」であるといえる。
ちなみに、人事領域の採用戦略においてもエントリーシートの提出やセミナーへの参加など、採用活動のさまざまな場面でコンバージョンを設定することが可能だ。
しかし、そうなると、どこをコンバージョンポイントに設定すればいいのか迷ってしまうことにもなりかねない。そこで、具体的な例をあげてコンバージョンの設定を見ていこう。
コンバージョンの具体例
ウェブマーケティングにおいて、以下のようなコンバージョンが設定できる。
<コンバージョンの設定例>
・商品の購入
これはコンバージョン設定の中で最もわかりやすい例だろう。
ネットショッピングでは、ウェブへの訪問者に商品を購入してもらうことが最終目標としてのコンバージョンとなる。
ネットショップを設置しない場合でも、ホームページを通じて店舗への来店につなげ、サービスや製品の購入を促すなど、売上げへの貢献がコンバージョンとなる。
・資料やサンプルの請求
なかには、資料やサンプルを請求されることをコンバージョンとして設定する業種もある。
例えば、自動車販売であれば商品カタログの請求、美容品など使い心地が購入の意思決定を左右するような商材を扱っていればサンプルの請求が有効なコンバージョンとなる。
申込みによって得た顧客情報をもとに、後日、電話やメールでフォローをし、実際の商品購入につなげていくのだ。
・相談の申し込みや問い合わせ
不動産業など、取り扱う商材が高額で購入の意思決定に時間がかかる業種や、購入に際して対面での商談が必要な業種は、ホームページからの問い合わせや相談の申込みをコンバージョンとして設定することが多い。
・見学会などへの参加申し込み
ウェブを通じて、見学会など各種イベントへの参加を募ることもコンバージョンとなる。例えば、以下のような業種別のイベントコンバージョン例(表参照)が考えられる。
◆業種別のイベントコンバージョン例
このように、業種や場面に応じてさまざまなイベントへの集客をコンバージョンとして設定することができる。更には、参加する顧客情報を事前に把握することで、イベント自体を準備しやすくでき、顧客のニーズに沿った対応ができるので売上や加入者増につなげることもできる。
また、ここまで見てくると、コンバージョンは複数設定してもよいことがわかるだろう。ウェブマーケティングで設定するコンバージョンは必ずひとつでなければならない、ということはないのだ。
例えば、問い合わせ、資料請求、セミナーへの参加申し込み、エントリーシートの提出といった4つのコンバージョンを次々と設定することで人材獲得へ導く、といったカスタマージャーニーを描くことが可能となる。
つまり、自社のマーケティング戦略をしっかりと確立したうえで、ホームページや製品サイトで実現すべきコンバージョンが何であるのか?を洗い出していくことが重要なのだ。
コンバージョンの種類
先の具体例から、ウェブマーケティングの戦略やどのようなホームページを運営しているかによって、どの数値をコンバージョンとして設定するかは異なってくることがおわかりいただけただろう。
さらに、コンバージョンという概念自体にも、いくつかの種類がある。ここでコンバージョンの種類を整理しておこう。
◆直接コンバージョンと間接コンバージョン
コンバージョンは、時としてサッカーやバスケットボールなどにおける「ゴール」「得点」に例えられることも多い。つまり、シュートを放って得点した場合を1コンバージョンと数える考え方だ。
この例えに沿って考えると、シュートを放った本人の得点は「直接コンバージョン」であり、パスを出してアシストした数のカウントは「間接コンバージョン」ということができる。
直接コンバージョンとは、言葉の通り、Webサイトを訪れたユーザーが一度もサイトを離れることなく、コンバージョンに至った場合をカウントする。
リスティング広告を例にあげると、広告をクリックしたユーザーが、そのまま商品を購入した場合は直接コンバージョンに当たり、サイトを訪問したユーザーが、その場ではコンバージョンをせず、再訪した時にコンバージョンしたケースは間接コンバージョンとなる。
間接コンバージョンをカウントすることで、顕在化しているユーザーだけを重視するのではなく、潜在的なユーザーに対してもアプローチすることが可能となるのだ。
◆総コンバージョンとユニークコンバージョン
「総コンバージョン」とは、コンバージョンに至った回数をすべてカウントする考え方だ。
例えばネットショップで、あるユーザーが商品「A」と「B」を購入した場合、2つの商品の購入をコンバージョンとしてカウントし、コンバージョン数を「2」とみなす。
「ユニークコンバージョン」は、ユーザー単位でのコンバージョン数を指す。
先ほどの例をユニークコンバージョンで考えると、1人のユーザーが商品「A」と「B」の2つを購入した場合でも、それは同一のユーザーの行動であるため、コンバージョン数は「1」とカウントすることになる。
総コンバージョンは売上を伸ばしたい時に有効な指標で、ユニークコンバージョンは顧客を獲得したい時に有効な指標だ。
戦略によってどちらを採用するか決めれば良い。
◆クリックスルー・コンバージョンとビュースルー・コンバージョン
「クリックスルー・コンバージョン」(Click Through Conversion:CTC)とは、広告をクリックしたユーザーがwebサイトを訪れ、そこでコンバーションした数を指す。
これに対して「ビュースルー・コンバージョン」(View Through Conversion:VTC)とは、
広告を見たがクリックはしなかったユーザーが、別のルートからWebサイトを訪れ、コンバージョンした数を指す。
これまで、ほとんどのサイトではWeb広告によってユーザーに興味をもってもらい、広告をクリックしてからサイトに来訪してもらうという経過をたどっていた。このため、クリックスルーコンバージョンを広告の効果として考えることが主流となっていた。
しかし、その場ではクリックされずとも、あとから製品名やサービス名を検索され、コンバージョンのきっかけとなった広告を評価する指標がビュースルーコンバージョンなのだ。
ウェブマーケティングにコンバージョンを活かすには、コンバージョンにもさまざまな種類があることを理解した上で、施策の効果を検証し、効果をさらに高めるためのPDCAを回していくことが重要となる。
関連記事:コンバージョン(CV)とは?Webマーケティングにおける定義と意味
コンバージョン設定のポイント
コンバージョンに至るまでの流れ
コンバージョンを取り巻く概念
前項ではコンバージョンの定義や種類を見てきたが、近年ではウェブマーケティングにおいて「コンバージョン」といった場合、「コンバージョン率」のことを指す場合も多くなっていて、このため、より言葉の定義が混乱しているという状況もある。
そこで、ここではコンバージョンとそれを取り巻く概念を正しく理解するために、ユーザーが「コンバージョン」に至るまでの流れと関連用語を整理しておこう。
1. 訪問数
ユーザーがアクションを起こすための着地ページ(ランディングページ)に訪れた数。アクセス数ともいう。
2. CPC(Cost Per Click)
有料ネット広告におけるクリック1回あたりの料金。クリック単価と表現することもある。
3. コンバージョン数
コンバージョンを獲得した件数。
4. CPA(Cost Per Acquisition)
コンバージョン1件の獲得にかかったコスト。 広告を出稿した際の費用に対して、どの程度の顧客単価でコンバージョンを獲得できたのかを判断する時に使用する指標である。
5. CVR:コンバージョン率(Conversion Rate)
訪問数に対し、コンバージョンに至った件数の割合。コンバージョンレート、転換率ともいう。
CVRを指標として扱う場合は、どの数値を母数として判断するかを明確にする必要がある。通常は、サイトを訪れた訪問数全体のなかで、何人がコンバージョンに至ったかの率を示す。
コンバージョン数を軸にするのではなく、訪問数やユーザー数を母数とする場合もある。目的によっては、特定のページを閲覧した人のなかで何人がコンバージョンに至ったかを見る場合もある。
コンバージョンをシミュレーションする
では、これらの言葉をベースとして、コンバージョンに至る流れをシミュレーションしてみよう。
以下はネットショップで、ある商品を売っていると仮定したストーリーだ。
まず、コンバージョンを「コンバージョン=商品の購入」と定義する。
そして、このサイトの
1. 訪問数が1000件
2. CPCが、広告1クリックあたり100円
3. コンバージョン数は50(50人が商品を購入)だった
とした場合、広告費の総額は 100円✕1000件で100,000円
※1クリックを課金対象としている外部出稿、広告を前提とした場合。
これをコンバージョン数で割ると
4. CPAは 100,000÷50=2000円
この数字が商品の単価や粗利などと比較して割に合う数字なのかどうかを検証していくこととなる。
また、1000件の訪問者数のうち50がコンバージョンしたことになるので、
5. コンバージョン率は
1000件÷50=5%となる
これは自社のマーケティング戦略上、コンバージョン率として高いのか低いのかを見極めるなど、コンバージョンをさまざまな面から分析していくことで、施策全体の設計に立ち返り、PDCAを回していくための重要な指標とすることができるのだ。
◆訪問数とコンバージョン数からCPAを算出する
コンバージョンの計測方法
なぜ計測が必要なのか?
コンバージョンの計測をすることで、事業やWebサイトの最終目標達成に役立つ。
コンバージョンに限らず、ビジネスにおいて目標の設定とモニタリングが重要なことは言うまでもない。コンバージョンを日々計測することで、その数値が目標に近づいているのか?設定した期限までに達成できそうか?を可視化することができる。
コンバージョンの基本的な計測方法
コンバージョンを計測する方法の1つに、「Googleアナリティクス」がある。
Googleアナリティクスは、アクセス解析ツールで、Webサイトにどんな属性のユーザーがどれくらい訪れたのか、どんなアクションを起こしたのかを確認することができる。
コンバージョンを測定するために必要な手順は次のとおりだ。
1. Googleアナリティクス内の画面左下にある「管理」タブをクリック
2. 「新しい目標」をクリックして、目標設定をする
関連記事:Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは?設定方法や使用用途を解説
コンバージョンを最大化するには
では、ウェブマーケティングでコンバージョンを最大化するために有効なアプローチにはどのようなものがあるだろう。
ここでは、マーケティング効率の見直しや課題を洗い出すために有効な、ロジックツリーとマイクロコンバーションについて見てみよう。
ロジックツリーで要素を細分化
ロジックツリーとは、一つの命題から、課題や問題をツリー状に分解していく理論上のアプローチだ。この手法を用いることにより、課題やその解決策が見つかりやすくなるため、さまざまな分野で応用されている。
以下ではマーケティング分野での活用例として、ネットショップのマーケティングを例に挙げて、ロジックツリーで考えてみたい。
◆ロジックツリーの例
ロジックツリーを用いることで、「売上の増加」という最終目的に到達するまでのファクターをひとつひとつ掘り下げながらロジックをたどっていくことができる。
1. まず、「売上の増加」に対しては、「顧客数」か「顧客単価」を増加させることが有効であることがわかる。
2. 次に「顧客数」の増加を目標とするなら、「来訪者」を増加させるか、来場者数はそのままでも「CVR」を向上させることで顧客を増やすという選択肢があることがわかる。
3. そして「来訪者」の増加には「SEO」や「ネット広告」の強化、「CVR」の向上には「施策別のCVR」を分析して対策を施し、その施策に対して予算を投下したり、強化策を施すことか、Webサイトの「階層別にCVR」を分析し、CVRの低い階層があれば、来訪者の導線の検討やコンテンツの見直しを行う、といった改善策を実施することができる。
ここでは解説のためにできるだけ単純化した例を提示したが、それぞれのファクターを段階的に掘り下げることによって、問題をより細かく分解し、明確化することがおわかりいただけただろうか。
ロジックツリーを用いることによって、CVR効率を改善するためには何を優先して行うべきなのか、が見えてくる。それと同時に、マーケティングにかかるコストやリソースの配分を最適化することができるのだ。
マイクロコンバーションが有効なケースとは
ウェブマーケティングでは、業種に応じて、商品購入やサンプル請求などをコンバーションとして設定することが一般的だ。
しかし、不動産や高級な宝飾品など単価が高かったり、購入までに時間がかかる商品においては、その敷居の高さからコンバーション自体の母数が少なく、Webサイトや広告の分析をしようにも数が少ないために検証結果にブレが生じて正しい結果が出てこないなど、PDCAサイクルを回すことができなかったり、そのスピードが遅くなってしまうというケースも多い。
◆Webサイトの内容とコンバージョン
こうしたときは、マイクロコンバーションを設定することによって、最終的なコンバージョンに至るまでの道筋を細分化し、「中間コンバーション」を指標として利用することが可能となる。
例えば高級な宝飾品をネットショップで販売している場合、「購入完了」という最終的なコンバーションが少ないため分析のための母数としては少なくても、それ以前にユーザーが行う、「製品詳細の閲覧」などといったアクションをマイクロコンバーションに設定し、その指標を材料として検証することで、スピード感をもったPDCAサイクルを確立できるのだ。
◆マイクロコンバージョン
ただし、なんの根拠もなしにマイクロコンバーションを設定しても改善を期待することはできない。マイクロコンバーションを設定するには、ボリュームのあるユーザー層やその行動特性をしっかりと把握していることが前提となる。
例えば、「商品検索」から「商品の詳細」を閲覧する流れをイメージしていても、実際にはすでにブランドが確立していて「商品検索」ページはほとんど閲覧されず、「商品の詳細」を読んだだけで「カート」に流入する数が多いのであれば、「商品検索」はマイクロコンバーションに設定せず「商品の詳細」だけを設定する、という判断が必要になるのだ。
マイクロコンバーションを設定する際は、サイト内におけるユーザー層やサイト内での行動特性を明確に理解した上で設定することが重要だ。
CVRを向上させるには
では、CVRを向上させ、有効なコンバージョンを獲得するには具体的にどのような施策があるだろうか。
まず、CVRが悪いということは、Webサイトは閲覧しているのにコンバージョンにつながっていないということを意味する。そのため、最初にチェックすべきはWebサイトの中身に問題があるかどうか、という点だ。そこに問題があればユーザーがコンバージョンしやすいWebサイトに改善していく必要がある。
具体的な対策を立てるには、何をコンバージョンとして設定しているかによっても異なり、すべてのページを分析するわけにはいかないので、ここでは、CVR改善に有効な施策として、おさえるべき基本的なポイントを3つ紹介しよう。
1. LPOによるランディングページの改善
ユーザーがWebサイトで最初に見る入口ページはランディングページと呼ばれる。これは、サイト改善で必ず分析するべき項目だ。
ランディングページはサイト閲覧を続けるかどうかの最初の分かれ道なので、ユーザーを惹きつける内容である必要がある。ランディングページはいわばWebサイトの「顔」であり、ここでの離脱率が高ければその後のサイト閲覧はありえないため、CVR低下の最も大きな原因となる。
ランディングページの改善には、LPO(Landing Page Optimization)が有効だ。一般的に「ランディングページ最適化」といわれる施策で、ランディングページをユーザーのニーズに合わせて最適化し、ページのCVRを上げるという対策だ。
パーソナライズされたランディングページの制作、成果の出るランディングページのテスト検証、評価など、さまざまな対策を複合的に行うことで直帰率を下げたり、ページのCVRを向上させたりすることができる。
関連記事:LPO~ユーザーを導きCVRを最大化させる秘訣を徹底解説します!
2. ツールを活用したSEO対策の改善
SEO(Search Engine Optimization)による「検索エンジン最適化」は多くのサイトに取り入れられていて、企業などにおいては、オーガニック検索において自社サイトを上位表示させるためにさまざまな対策を行っている。
CVR向上のためにもSEO対策はかなり重要な施策で、Webサイトへの検索流入量を増やし、コンバージョンを向上させて売上アップにつなげることなどを目的に行うことが多い。SEO対策にはこまめな情報チェックと、それを反映した迅速な検索対応が求められる。
このため、SEO対策を実施する際には、SEO対策に必要な情報が得られるツールも登場しているので活用するのも有効な手段となる。
自前で情報を集めるより、そうしたツールを活用することで、よりスピーディーかつ効率的に成果に結びつけることができるからだ。
なかでも、無料で使いやすいツールとして「SEOチェキ!」がある。このツールは、ソフトウェアをインストールする必要がなく、Webサイト上ですぐに利用することが可能だ。URLを入力するだけで、そのホームページの内部の情報や、キーワードごとの順位計測など、SEO対策に役立つ情報が多数取得できることが特長だ。
さらに詳しい特長や実際の使い方などは以下を参考にすると良いだろう。
関連記事:「SEOチェキ!」とは?使い方もチェック!初心者に最適な無料ツール
3. EFOによる入力フォームの改善
最後に、コンバージョン手前のページでの離脱率が高い場合は、情報入力フォームや問い合わせフォームなどを見直す必要がある。
あと一歩でコンバージョンというところまで来ても、情報入力ページで記入する情報が多かったり、記入方法が煩雑だと離脱の原因になり、結果としてCVRを低下させてしまうことになる。必要十分な情報の入力量と、ユーザーが面倒に感じない程度の量の間で折り合いをつけることが重要となってくる。
こうした入力フォームの最適化を行うのがEFO(Entry Form Optimization)「入力フォーム最適化」だ。コンバージョン目前のユーザーが、入力が面倒で途中でやめてしまったり、離脱してしまったりすることを防ぐためのさまざまな対策を施す。
入力フォームに問題があると、コンバージョン一歩手前のユーザーのポレンシャルの高さが、入力フォームが使いにくいというだけで一気に下落し、ユーザーが当初企業に対して抱いていた信頼感が一気にマイナスに転じてしまうことにもなりかねない。
EFOを駆使したユーザー目線のサイト設計がCVRの最大化と企業の信頼度アップへとつながるのだ。
関連記事:BtoBサイトにおける最適なEFOとは?
まとめ
・コンバージョンは、ウェブマーケティングに携わっている人なら誰もが一度は耳にしたり、実際に使っている言葉だが、重要な指標であるにも関わらず、その定義や役割をよく知らないまま使っていたり、何となく設定してしまっていることも多いので、本稿ではその基本を解説した。
・コンバージョンには設定のポイントや設定に至るプロセスなど、押さえるべき項目が多く、分かりにくい概念だが、コンバージョンをしっかりと設定することがウェブマーケティングの成否を左右することは間違いない。
・ランディングページの改善とSEO対策の改善、そして離脱につながらないような入力フォームの改善の3つのポイントをしっかりと行うだけでもCVRの向上が望める。もし、コンバージョンが伸び悩んでいたり、頭打ちになってしまっているようなら、基本に立ち返ってコンバージョンのあり方をさまざまな角度から点検することをおすすめしたい。