株式会社セールスフォース・ドットコムは「コネクテッドカスタマーの最新事情」(第4版)の日本語翻訳版を2021年1月20日に公開した。
本レポートは、世界各国の一般消費者および法人顧客15,000人以上を対象にSalesforceResearchが調査を実施し、結果とインサイトをまとめたものである。このレポートにより、コロナ禍における顧客の価値観が明らかになった。
参照元:セールスフォース・ドットコム、「コネクテッドカスタマーの最新事情」(第4版)を発表
参照元:15,000+ Consumers and Business Buyers Weigh in on the Future of Customer Engagement
コロナ禍において企業の行動が信頼のカギに
レポートでは、まず新型コロナウイルスの感染拡大により、顧客の価値観の変化を指摘している。リモートワークや外出自粛が続き、コロナの終息が見えない中、不安と混乱を感じる日々を顧客は送っている。
実際に、日本の顧客の92%が「危機の最中にどのような行動を取るかで信頼できる企業かどうかがわかる」と回答している。
顧客の価値観の変化とともに、顧客とブランドの関係性も変化しており、この時期だからこそ、企業は既存の顧客、新規の顧客関係なく、顧客との関係を構築・強化する好機であるとレポートでは説明している。
部門間の情報共有がされていないと感じるのは6割以上
さらにレポートでは、コロナ禍の不安定な状況では、顧客一人ひとりのニーズや期待、問題に対して親身な対応が重要だと説明している。
調査結果では、全世界の顧客の76%が企業に、部門間を超えて一貫したインタラクションを期待していることが分かった。
参照元:15,000+ Consumers and Business Buyers Weigh in on the Future of Customer Engagement
また、54%の顧客は全般的に営業、サービス、マーケティングの部門間で情報の共有がされていないと感じていることが分かった。さらに、日本に限定すると64%の顧客が同様の回答をしている。
顧客に対しパーソナライズされた体験を提供するうえで、企業内の情報連携を求めていることが結果に表れた。
顧客を理解し、利便性の高いコネクテッドエクスペリエンス(あらゆるタッチポイントにおいてつながりのある体験)を提供することが競合他社との差別化のポイントとなっていくうえで重要なデータである。
8割以上が企業の社会的役割が重要となっていると回答
参照元:15,000+ Consumers and Business Buyers Weigh in on the Future of Customer Engagement
ほかには、企業の社会的役割は1年前より重要になっていると回答した顧客は82%となり、2019年と比較すると9ポイント上がっている。また、日本に限定すると86%の顧客が同様の回答をしている。
また、企業が顧客の信頼を得るのは難しいと回答した顧客は61%となり、2019年と比較すると7ポイント上がっている。
コロナ禍で企業の社会的役割が変わりつつある一方で、顧客は企業に信頼を置くことが難しくなっていることも明らかになった。
企業はあらゆる社会の問題に対し、解決に向けて貢献するよう求められている。そして、顧客からの信頼を得るために企業理念を示すことがますます重要になっている。
今回の調査により、コロナ禍の影響で顧客は企業に求める期待がより強くなっていることが明らかとなった。
顧客は企業に一貫した姿勢や、部門間での情報共有を求めていることからも、顧客一人ひとりに寄り添い、一貫した対応をしていくことが他社との差別化のポイントとなってくるだろう。