2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大で多くの人々が影響を受け、従来の生活からニューノーマル時代の新たな生活様式へと対応をせまられた年となった。
日常生活に欠かせないショッピングについても、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といったオンライン化への取り組みが各企業で進められ、ECサイト利用が急速に普及している。
消費者による「買い物」のスタイルはコロナ禍でどのように変化していったのか。 ネットショッピングにおける状況調査の結果をもとに、売れ筋の商品や今後の買い物スタイルについて分析・解説する。
参照元:コロナで変わるネットショッピング~利用世帯が初の50%超え
ネットショッピングが過去最大の利用率に
出典元:コロナで変わるネットショッピング~利用世帯が初の50%超え/総務省統計局 家計消費状況調査ネットショッピングの状況について
パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンで時間や場所を問わず、気軽に買い物ができるネットショッピング。さまざまなECサイトが急速に発達し、幅広い商品の購入が可能になった。
総務省の調査によると、その利用世帯は2020年に初めて50%を突破。上図では2019年の約42%から増加率約9%と、大きく躍進していることが見てとれるだろう。
外出自粛要請や店舗の時短営業などで、実店舗での買い物を控える消費者が増えたこと、また、商品を買い占めて高く売る転売問題などが勃発し、品薄になる前にネットで「買いだめ」しておきたいという消費者心理も、少なからず影響したと考えられる。
支出額も過去最大に
出典元:コロナで変わるネットショッピング~利用世帯が初の50%超え/総務省統計局 家計消費状況調査ネットショッピングの状況について
ネットショッピングの利用率が増加したことで、その支出額も過去最大となっている。 2019年と比較して、支出額は約38%の増加。1世帯あたりの支出額でも約14%と、大きな伸びを見せたといえるだろう。
売れている商品は?
出典元:コロナで変わるネットショッピング~利用世帯が初の50%超え/総務省統計局 家計消費状況調査ネットショッピングの状況について
実際にネットショッピングで消費者に人気がある商品、売れている商品とはどのようなものなのか。 調査結果によると、以前はチケットの購買や旅行予約などが約30%だったのに対し、コロナ禍ではこの2種の消費が激減。代わりに「食品」「衣類・履物」「家電」などの増加が目立っている。
ネットショッピング全体の名目増減率に対する名目寄与度が約10%だった「食品」については、実店舗での外食機会の減少が影響したと考えられるだろう。
まとめ
2020年に利用世帯の割合が50%を超えたネットショピングだが、反対から見れば、まだ半数の世帯が実店舗で買い物を済ませているということだ。
今回の調査では、日本のネットショッピングの「伸び代」がまだまだあることが明らかになったといえるだろう。
各ECサイトは自社のビジネス成長を目指し、どのようなアプローチを行っていくかがポイントだ。