2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、予想もしなかった変化が世界中で巻き起こった年となった。
企業のマーケティング活動では、従来の常識を白紙にするような新たな施策が求められ、日々変化し続ける消費者の購買行動に合わせた柔軟な対応が必要となっている。
マーケターは今後のトレンドをどのように把握し、マーケティング戦略を練り上げていけばよいのか。
本記事では、2021年の広告業界における傾向を予測し、企業に求められる対策を紹介する。
QRコードが復活
新しい生活様式となったニューノーマル時代には予測もつかない商品やサービスがトレンドになることがあるだろう。
例えば「QRコード」もコロナ禍で再注目されているものの一つである。 タッチフリーでコードを読み取るため、非接触サービスとして、さまざまな場所で決済などに利用されているのだ。
マーケティング活動に重要な2021年のトレンドには、他にどのようなものが挙げられるのか。具体的にまとめた予測が以下である。
2021年のトレンドとは?
マーケターが押さえておきたい2021年のトレンド予測を紹介する。
●Eコマースの拡大
コロナ禍で急速に発展するEコマース市場。外出の自粛や実店舗の営業時間短縮などを受け、日常的な買い物から特別な買い物まで、オンライン店舗を利用する消費者が増加した。消費者へのアンケートによると、全体の約40%が、新型コロナウイルス感染症が拡大したことにより、初めてオンラインで買い物をしたと答えている。
気軽に買い物ができるデジタルストアは今後もますます発展していくと予想できるだろう。
●デジタル広告の拡大
消費者にアンケートを行った結果、約半数がコロナ禍で1店舗以上のオンラインショップを見つけ、今後も利用していきたいと答えている。
また、別の調査では80%以上の消費者が今回の自粛期間中に利用したオンラインショップを今後も利用していくと回答した。
このことからも、企業はデジタルマーケティングをさらに強化し、最適な広告で顧客ロイヤルティーを高めていくべきだといえるだろう。
●コネクテッドTVの活用
Eコマースの成長により、注目されるのがコネクテッドTVだ。
コネクテッドTVとはインターネットとTVを合体させたスマートTVとも呼ばれるサービスで、米国では人気の高いプラットフォームである。
日本でもコロナ禍で配信サービスの利用率は急上昇しており、コネクテッドTV上で動画広告を展開することで多くのオーディエンスに接触することができるだろう。
●自社のブランディング
広告掲載で気をつけたいのが自社のブランドセーフティーである。フェイクニュースやヘイト記事などに、自社の広告を表示させない取り組みが重要だ。
自社のブランディングを最優先し、イメージを損ねる内容のコンテンツを制御するテクノロジーの導入が必要だろう。
●ソリューションの開発
サードパーティCookieが2022年に完全廃止することを受け、Cookieに代わる新しいソリューションの準備や開発、導入が急務である。広告プラットフォームがコラボレーションを行うなど、協力して新たなアプローチをつくり出すことが必要だ。
●実店舗の強化
2020年にはEコマースがトレンドとなったものの、一方で、実際に商品を見ながらショッピングを行いたい実店舗派の消費者が多いことにも注視したい。
今後も感染予防対策を施しつつ、快適にショッピングをしてもらうための工夫が必要だ。 滞在時間をできるだけ短縮するような取り組みなど、消費者のニーズに応える施策がポイントになるだろう。
まとめ
ニューノーマル時代には、トレンド予測を活用しながら日々の変化にも柔軟に対応するマーケティング活動が重要である。上述した内容から自社の戦略を準備し、データの分析・見直しを繰り返して、最適な施策を構築することがポイントだ。