世界情勢が急速に変化する時代において、消費者の多様化するニーズを把握することはもちろん、企業自体にもこれまでとは違った大きな変革が求められている。
Eコマースやモバイルアプリなどのデジタルチャネルの活用が一般的になったいま、企業は他社との差別化を図るために、消費者の望んでいるサービスを提供し、エクスペリエンスの向上に注力する必要があるだろう。
企業が質の高い顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)や有益なサービスを提供するためには、どのような施策に取り組むべきか。キリンやバーニーズ ニューヨークが進める独自の顧客体験施策とともに、今後のデジタルマーケティングについて、分析・解説する。
顧客体験の環境づくり
消費者の購買行動が日々変化する中で、企業は顧客を中心にした「360度のビュー環境」をつくり、さまざまなチャネルからアクセスしてもらうことが必要である。
そこで欠かせないのがAIをはじめ、自社のサービスを強化する、デジタルテクノロジーの導入だ。多様な角度から顧客情報を分析し、効果的なセグメンテーションを取り入れて、一人ひとりに合った顧客体験を提供することがポイントだろう。
以下では、「キリン」や「バーニーズ ニューヨーク」が取り組んでいる顧客体験の事例を詳しく紹介する。
参照元:デジタルマーケティングを進化させる、360度顧客ビューの効果とは?
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キリンの取り組み
酒類等、飲料製造販売の大手「キリン(キリンホールディングス株式会社)」では、商品力を高めるだけではなく、「顧客に伝わるマーケティング」を目指している。
「ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)」と呼ばれるSNSや検索サイト、ネット通販チャネルを活用し、顧客との接点を持つデジタルマーケティングを積極的に取り入れていく。
また、少子高齢化時代に合わせ、「医と食をつなぐ」健康事業を新たに展開し、顧客のセルフメディケーションなど、一人ひとりの健康管理に役立てられるサービスに取り組んでいる。
ソリューションを活用した事例では、「リアル店舗で自社の酒類がどのように飲まれているか」「ECサイトではどのように購入されているか」「量販店ではどうか」などをデジタルマーケティングで詳細に分析。「SNSにはどのような感想を投稿しているか」など、具体的な情報を収集して、顧客との接点をシナリオ化することで、態度変容にも注視した施策を行っている。
バーニーズ ニューヨークの取り組み
衣料品・雑貨・アクセサリーの取扱店、「バーニーズ ニューヨーク」を展開する株式会社バーニーズ ジャパンでは、上質なエクスペリエンスを提供する指標として、顧客は「一人ひとりが特別な存在であることを求めている」と定義。顧客に寄り添ったデジタルマーケティングに徹底し、顧客中心主義のEコマースに全面的に移行した。
「特別感」を顧客に提供するために、テクノロジーを活用して、カスタマージャーニーを正確に分析。「企業認知」から「ファン化」を実現し、パーソナライズを行って顧客行動を解析した。
実店舗での販売力が高いと評されるバーニーズ ニューヨークのリアル店舗では、オンライン店舗と情報を連携させ、上質な接客に努めている。
今後は、オンライン店舗での商品閲覧データをリアル店舗で活用できる環境をつくるなど、デジタルマーケティングによって、さらに質の高い「特別感」を提供するようだ。
参照元:デジタルマーケティングを進化させる、360度顧客ビューの効果とは?
まとめ
大きく変化する市場において、消費者に特別な体験を提供し、パーソナライズされた価値のある商品・サービスを提案することは、もはや必須の施策だといえるだろう。
企業は複数あるチャネルを一元管理できるプラットフォームを設定し、新たな消費者のニーズに応えられる環境を構築することが大切だ。