企業マーケティングにとってZ世代・ミレニアル世代への深い理解は早急に取り組むべき課題の一つともいえる。
それぞれが持つ志向の特性・購買行動は多くの企業から注目され、今後のビジネス成長において重要な「顧客情報」となっている。
従来のマーケティング手法から生まれるキャンペーンには単純に反応することがないZ世代・ミレニアル世代の特性や世代間の違い、また、各世代への効果的なアプローチに必要な情報について解析する。
ミレニアル世代とZ世代を比較
ミレニアル世代(1980年~1995年生まれ)とZ世代(1996年~2015年生まれ)は、デジタルテクノロジーの台頭とともに誕生し、インターネットやソーシャルメディアに親和性が高いことが特徴だ。Z世代は特に、オンライン上でコミュニケーションを図ることが一般的となった社会に育ち、世界人口の4分の1がこの世代にあたるといわれている。
それぞれの世代で「ブランドとの関係」「お金の捉え方」「購買行動」が大きく異なるため、近年のマーケティング活動では、世代ごとに対策を打ち立てることが主流だ。
例えば、2世代で比較すると、ミレニアル世代の方が、優れた顧客体験によりいっそう期待感を持ち、消費者の70%以上が、「良い顧客体験を得るためにはお金を支払う」と考えている。
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企業への信頼度が低いZ世代
Z世代の特徴として、企業への信頼がミレニアル世代よりも低いことが挙げられる。
しかし、最新のカスタマーエクスペリエンス調査で、Z世代の約60%が「社会的な責任を果たす組織や企業に対して信頼できる」と回答し、ミレニアル世代がそれより低い数字だった結果にも注目したい。2世代ともに、企業の行動によっては、その信頼を高めることが可能なのである。
イノベーションをどう捉えるか
「顧客の価値観」に合わせた新商品の導入をミレニアル世代の80%が支持しているのに対し、Z世代は約10%も低く、大きな差が出る結果となった。
Z世代は時代の「イノベーションに慣れている」「イノベーションを当たり前だと捉えている」と考えられるだろう。
例えば、ミレニアル世代はDVDなどのレンタルで動画を視聴してきた世代なのに対し、Z世代は自身のスマートフォンで配信動画を視聴してきた世代である。これまでにない革命的なテクノロジーの成長に期待している世代ともいえるだろう。
Z世代とミレニアル世代の買い物の仕方
Z世代はどちらかといえば実店舗での買い物を好んでいるのに対し、ミレニアル世代はオンラインでの購入を好むという調査結果が出ている。
ミレニアル世代が商品やサービスを購入したいと感じると、すぐにスマートフォンを活用して必要なものを探し出し、オンラインで買い物するのだ。
一方で、Z世代は品質を見極めるために実際の店舗で商品を確かめたいと考えている。
気になる化粧品店で美容を学んだり、アスレチックなどの教室に通ったり、価値ある面白い体験をするために、実店舗に足を運び、買い物することを好む傾向にあるようだ。
まとめ
Z世代はテクノロジーが実生活に浸透した社会で育っている分、イノベーションは当たり前だと捉える傾向にある。企業は商品やサービスの品質の高さをアピールし、価値の高いリアルな体験をしてもらうようなアプローチが大切だ。
ミレニアル世代は、SNSなどの「口コミで広まった商品」に共感することが多いだろう。ソーシャルメディアでのマーケティングを徹底して行い、有益なメッセージを発信することがポイントになるだろう。