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BtoBサイトにおける最適なEFOとは?

2021.1.12
読了まで約 4

Webサイトのコンバージョン率を改善する施策のなかで、コンバージョンポイントである入力フォームの改善は数値へのインパクトが非常に大きい施策です。

BtoCのコンバージョンは売上直結のため、入力ページの改善を図ることが売上の拡大につながりますが、BtoBのコンバージョンはその後のセールス活動を考慮しながら改善を図る必要があります。

今回は、BtoBサイトにおけるEFOについて解説します。

BtoBサイトにおけるEFOとは?

EFOとはEntry Form Optimizationの略で、入力フォームの最適化を意味します。Webサイトの入力フォームを改善することで離脱率を下げ、コンバージョン率を高める施策全般を指します。

BtoCサイトでは入力フォームからのコンバージョンが売上に直結するのに対し、BtoBサイトでは入力フォームからのコンバージョンは問合せや資料請求となるため、売上に直結しないのが異なる点です。BtoBではコンバージョン後、マーケティングからセールスへリード情報(問合せしたお客様の情報)が渡り、商談~受注のプロセスを経て、最終的にカスタマーサクセスへ渡ります。

マーケティングのほかに複数の部署でリード情報が活用されることになるため、BtoBの入力フォームでは個人の情報だけではなく、入力本人が所属する企業の情報や、セールスで使用する情報も入力してもらう必要があります。

また、EFOの最適化の視点ではコンバージョン率だけではなく、商談化率や受注率を見ることも重要です。例えば、問合せや資料ダウンロードで発生したリードに対し、セールスがそれぞれのリードに対し適切なアプローチができるように、アプローチの優先順位をつける項目を加えることも改善へつながります。

このようにBtoBサイトのEFOでは、マーケティングでコンバージョン率を改善するだけではなく、セールスと連携しながら、最適な入力フォームを作っていくことが重要です。

関連記事:BtoBとは?BtoBマーケティングの特徴、BtoCとの違いをわかりやすく解説

BtoBサイトの適切な項目

EFOでまず取り組む入力フォームの項目数と内容ですが、自社にとって最適な答えをすぐに見つけるのは難しいです。適切な項目数と内容を検討するために、コンバージョン後のアプローチ設計と、マイクロコンバージョンの設置の2つの観点から解説します。

◇コンバージョン後のアプローチ設計
ある調査で、項目を1つ減らせば、コンバージョン率は2%改善すると言われています。しかし、入力項目を「名前」「メールアドレス」の2つに減らせば、コンバージョン率が上がる可能性はありますが、その2つの情報だけでは、セールスがどこの企業か分からず、アプローチの判断ができません。さらに、ドメインから企業名が分かったとしても電話番号が分からず、リアルタイムのアプローチもできません。

コンバージョン後のセールス(もしくは、インサイドセールス)のアプローチのタイミングや仕方を見据えて設計する必要があります。具体的には以下の4つのポイントで検討するのが良いでしょう。

①セールスが連絡を取るために必要な項目
 例)「氏名」「メールアドレス」「電話番号」「会社名」
②セールスがアプローチするかどうかを判断するための項目
 例)「業種業態」「企業規模」「役職」「部署名」
③セールスがアプローチする優先順位づけのための項目
 例)「業種業態」「企業規模」「役職」「部署名」
④入力の手間があるので離脱リスクを回避するために任意で設定する項目
 例)「URL」「お問い合わせ内容」

◇マイクロコンバージョンの設置
CRM、MAツールを提供しているHubSpotでは、ユーザーのマーケティングステージによって、複数のマイクロコンバージョンを設置しています。 

① 「認識ステージ」
自社の課題を認識したばかりのユーザーにメルマガの購読を提案しています。Webサイトのコンテンツを購読することで自社の課題に気づかせ、解決策があることを提示するのが狙いです。

メルマガ購読のための入力フォームは「メールアドレス」と最低限の項目になっています。

関連記事:メルマガとは?配信の目的やメリット、開封率が上がる作り方

②「検討ステージ」
自社の抱える課題を特定し、解決に向かって進もうとしているステージです。ホワイトペーパーやeBookをダウンロードしてもらい、HubSpotが提供しているソリューションを提案します。

ユーザーはホワイトペーパーやeBookの価値を認識しているため、入力フォームは「メールアドレス」「氏名」「電話番号」「会社名」「URL」「従業員規模」「競合確認」の8つの項目に設定しています。

③「決定ステージ」
ユーザーはHubSpotのソリューションを問題解決の手段の1つとして検討し始めています。このステージのユーザーにはデモの体験を提案しています。デモの体験を通じてソリューションを実際に使ってもらうだけでなく、ユーザーとの直接コミュニケーションをとるきっかけにもしています。

デモ体験のための入力フォームは「メールアドレス」「氏名」「電話番号」「会社名」「URL」「従業員規模」「競合確認」の8つの項目に設定しています。

このようにユーザーのマーケティングステージによって、適切なコンバージョンポイントを設置することで、それぞれの目的にあわせ、入力の項目数と内容を適切に設置できます。

EFOのエントリーフォーム以外の施策

① サービス資料・ホワイトペーパーの資料イメージ
資料をダウンロードするとどんなメリットを得られるのか、具体的に想像できるように、エントリーフォームに資料の中身がわかる情報を表示します。入力のハードルを低くすることが狙いです。

資料の表紙&中身の数ページのサムネイル画像をビジュアルで設置し、目次やどのような課題を持っている人向けの資料なのか、テキストで明示します。

さらに、資料イメージとエントリーフォームの並列に表示させることで、コンバージョン率が改善されたという例もあります。

② エントリーフォーム内のCTA改善
コンバージョン率最適化(CRO)の1つに、CTA(Call To Action)ボタンをページ下や固定フッターに設置する施策がありますが、入力フォームのCTAボタンの改善もあります。

まず、CTAボタンのビジュアルを目立つようにします。実際に、ボタンの色を暗い青から明るい緑に変えただけでコンバージョン率が30%以上も改善された例があります。

そして、CTAボタンの内容をユーザーが次のアクションを起こしたくなるような表記にします。問合せであれば「問い合わせをする」、ホワイトペーパーであれば「資料をダウンロードする」など、「送信」以外の明確な指示を出すことで改善が期待できます。

例えば、あるスポーツジムでは、「会員になる」から「ジムを探し、会員になる」に表記を変更した結果、200%以上もコンバージョン率が改善されました。ユーザーにとって、スポーツジムが通いやすい場所にあるかどうかは非常に重要なポイントあり、それをCTAボタンに加えることで改善につながったと言えます。

③EFOツールの活用 最近は、様々なEFOツールがあり、ツールを導入してコンバージョン率の改善を図ることができます。具体的に、郵便番号を入れると自動で住所が表示する機能、入力エラーがあれば即座に知らせるアラート機能、残りの入力項目数を自動でカウントしてくれるガイドナビゲーション機能など、ユーザーの入力をサポートするツールです。

まとめ

・BtoBサイトのEFOは、マーケティングでコンバージョン率を追うのではなく、セールスと連携しながら商談化率・受注率も追いながら、最適な入力フォームを作っていく

・適切な項目数と内容は、コンバージョン後のセールスのアプローチのタイミングや仕方を見据えて設計する

・問い合わせ以外にも、メルマガ購読、資料ダウンロードや無料デモといったマイクロコンバージョンを設置し、それぞれのコンバージョンで適切な項目を設置する

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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