顧客の価値観が多様化する現代のマーケティングにおいて、カスタマーサクセス(顧客の成功体験)を最大化させるには、適切なシステムの導入や、そのシステムを効率よく活用するためのノウハウが重要である。自社ビジネスの見込み顧客を優良顧客へと誘導するために、ターゲットをプロファイリングし、セグメント(細分化)していくプロセスが大切だ
そのためには「有効なデータを収集すること」と、「データを自社で整理していくこと」が必須となるだろう。マーケティング担当者が「使いこなすのは難しい」と誤解しがちなオートメーションシステムについて、またそれらの導入前に踏まえておきたい点について解説する。
参照元:Salesforceプロフェッショナルサービスに聞く!マーケティングソリューション導入前に踏まえておきたいポイント (4)
MA導入で最大の効果をねらう
自社のビジネスを成功へと導くためには、デジタルマーケティングを有効に活用したデータの取り込みが重要なポイントになるだろう。例えば、見込み顧客の居住地やアドレス(連絡先)、年齢層、興味を持っていること、趣味、行動データや購買データなどの活用だ。
さまざまな顧客のデータを取り込み、解析するツールが「MA(Marketing Automation)」と呼ばれる、新しいマーケティング自動化システムである。
MAとは、見込み顧客のすべての情報を統一化(一元化)し、ウェブサイトやSNS上でのデジタルマーケティングを自動的に行うことができるシステムツールだ。
顧客の購買行動が多様化し、マーケティングが複雑化する時代において、人の手では難しくなった「情報の管理」を、効率のよいデジタルツールでオートメーション化していく。MA導入によって、従来の業務にかかっていた時間や費用を大幅に抑え、これまでにない大きな効果を目指すことができるだろう。活用ポイントを以下で解説する。
参照元:Salesforceプロフェッショナルサービスに聞く!マーケティングソリューション導入前に踏まえておきたいポイント (4)
MA導入前にやるべきこと
新しいツールは「使いこなすことが難しい」と感じる企業も少なくないが、その多くは「データを移行する際のSQL(SEQUEL:データベース言語)が難解だろう」という誤解から生じているようだ。
既存の自社データをMAに取り込む作業でポイントになるのは、導入前にデータを加工しておくことである。この準備を済ませておけば、SQLを書く必要はなくなり、スムーズなマーケティングを行うことができるだろう。
上図のように、まずはマーケティングの目的(ゴール)を明確にし、それに必要となるデータを前もって整理する。その後、データの取得方法や管理方法を設計・実装し、構築していく流れとなる。以下で、そのプロセスを解説しよう。
収集したデータの整理
出典元:Salesforceプロフェッショナルサービスに聞く!マーケティングソリューション導入前に踏まえておきたいポイント (4)
これまでのデータ管理システムから、新しいMAに移行する際のポイントを見てみよう。例えば、セールスフォースのマーケティングオートメーションシステムであるMarketing Cloudを導入する場合、上図のように、それぞれのシステムから個別に精査していないデータを取り込むと、それらのデータを連携させるのに時間がかかることがある。
すでに持っている自社データをそのまま五月雨式に追加していった場合、その中で必要なデータを抽出するために、SQLを設計しなくてはならないのだ。
スピーディーに負担なくデジタルマーケティングが行えるように、まずは、収集したままにしていたデータを整理しておくこと。自社が打ち出すマーケティング施策に必要となるデータを抽出し、利用しやすい形式に構造化しておくことがポイントである。
まとめ
企業のシステムを最適なツールでオートメーション化できれば、マーケターがアイデアを生み出す時間が増え、カスタマーサクセスを意識した、さまざまな施策を打ち出すことが可能となるだろう。
MAなどの新システム導入に取り組むことは、「最短ルートの企業成長」を目指すことにつながっているのだ。
参照元:Salesforceプロフェッショナルサービスに聞く!マーケティングソリューション導入前に踏まえておきたいポイント (4)