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ホームページを作成する際の助成金・補助金制度とは

2020.12.7
読了まで約 5

企業担当者がホームページを作成する際に、コスト的に懸念がある場合に、知っておきたいことがあります。それは、国や自治体がその費用を助成・補助してくれる制度があることです。最近では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、オンラインでの販促に注力していることもあるでしょう。その場合に、こうした制度はホームページを作成する際の助けとなります。

そこで助成金・補助金制度とはどのようなものなのか、現在、日本で利用できる可能性のある制度を3種、解説します。

ホームページ作成の助成金・補助金制度とは?

ホームページ作成の助成金・補助金制度とは、一定の条件により、助成金や補助金が出るものです。

助成金と補助金は、どちらも目的に応じて公的機関から支給されるお金であり、申請するには、各制度によって定められている受給条件を満たしていることが必要です。原則、返済の義務がありません。

ここで、助成金と補助金のそれぞれの意味を確認しておきましょう。

●助成金
助成金は、「法令を守りつつ、従業員の労働環境の向上を積極的に図る事業に対する報奨金」と定義づけられているものです。例えば、雇用の安定や職場環境の改善などに関する企業の取り組みを支援するお金です。ほとんど、厚生労働省が管轄しています。

●補助金
補助金は、政策を推進するために、政策の目的に合致する事業を行う企業などを支援する制度です。経済産業省や地方自治体、商工会議所などが管轄しています。

ホームページ作成の主な助成金・補助金制度

ここで、ホームページ作成の主な助成金・補助金制度をご紹介します。

1.「小規模事業者持続化補助金」
https://jizokukahojokin.info/

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が行う事業の持続的な発展をサポートするための補助金です。令和2年は「コロナ特別対応型」となっています。

地道な販路開拓などの取り組みにおける経費の一部を補助するもので、販促物の制作や販路開拓を目的としたホームページの作成やリニューアル、PRなどを含みます。

今年は、新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるために、前向きな投資を行いながら、販路開拓等に取り組む事業者への重点的な支援を図るとしています。

●作成に適するホームページ
この制度は、広告用の集客を見込んだランディングページなど、販路拡大につながるホームページの作成に適しています。

●補助対象者
補助対象は、商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいる小規模事業者や、一定の要件を満たした特定非営利活動法人です。

小規模事業者の定義は、次の通りです。

・商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)…常時使用の従業員5人以下
・サービス業のうち宿泊業・娯楽業…常時使用の従業員20人以下
・製造業その他…常時使用の従業員20人以下

●補助対象事業
補助対象となるのは、策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取り組みです。

補助対象となり得る販路開拓等(生産性向上)の取り組み事例のうち、「新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)」という例が挙がっており、ホームページも対象となっています。

そして、令和2年度については下記2つが要件となっています。

(1) 補助対象経費の6分の1以上が、以下のいずれかの要件に合致する投資であること。
「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の整備」

(2)新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越え、持続的な経営に向けた経営計画を策定していること。

その他にも要件は複数ありますので、事前によく確認して申請してください。不明点があれば直接問い合わせたほうが早い場合があります。

●補助率・補助上限額

【補助率】
・コロナ特別対応型A類型:補助対象経費の3分の2以内
・コロナ特別対応型B・C類型:補助対象経費の4分の3以内

類型は、次のどれに取り組んでいるかによって変わります。

A類型「サプライチェーンの毀損への対応」
B類型「非対面型ビジネスモデルへの転換」
C類型「テレワーク環境の整備」

【補助上限額】
100万円または150万円

屋内運動施設、バー、カラオケ、ライブハウス、接待を伴う飲食店で事業を実施する「特例事業者」のみ150万円です。また共同事業の場合は、補助上限額が異なります。

2.「IT導入補助金」
https://www.it-hojo.jp/

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するときの、経費の一部を補助してくれる制度です。その補助により、業務効率化・売上アップをサポートします。

ITツールを導入することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上、強化を図ることを目的としています。

今年は新型コロナウイルス感染症拡大を受け、その対策として、C類型という特別枠が用意されています。これは、サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備等を目的としたITツール導入に対して補助するもので、購入金額の3分の2もしくは4分の3、最大450万円という高い割合で補助金が出ます。

●対象となるホームページ
IT導入補助金でホームページ制作関連の経費の補助金を受ける場合、ホームページに関わるITツールにかかる経費に対して補助金が出ます。

しかし、どんなホームページでもよいというわけではありません。

この補助金の目的は、業務プロセスの改善、つまり業務の質の向上と効率化になります。そのため、ホームページ制作関連は「業務パッケージと連携する」ことを前提としたものでなければならないとされています。

簡単にいえば、ユーザーに対して一方的に情報を発信するだけのコーポレートサイトは補助対象外ということです。

では補助対象となるのはどのようなホームページなのでしょうか。

例えば「ユーザーとの双方向のやり取りが可能なサイト」「業務パッケージソフトとの連携があるサイト」「ECサイト」「CMSを利用したECサイト」「ショッピングモールへの出店と店舗ページ制作」などが例として挙げられています。

●補助対象者

・中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)

・小規模事業者  -商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)…従業員常勤5人以下  -サービス業のうち宿泊業・娯楽業…20人以下  -製造業その他…20人以下

C類型についてはその他にも要件がありますので、詳細は公式サイトで確認してください。

●補助対象事業
補助対象となる事業は、自社の課題やニーズに合ったITツールの導入です。ただし、特別枠のC類型はハードウェアレンタル費も対象となっています。

A類型とB類型:ソフトウェア費、導入関連費
C類型:ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費

●補助率・補助上限額
A、B、Cの3つの類型によって異なります。

・補助額
    -A類型:30万~150万円未満
 -B類型:150万~450万円
 -C類型:C類型-1は30万~150万円未満か150万~450万以内、C類型-2は30万~300万円未満か300万~450万円以内。

A類型とB類型の違いは、補助金申請額です。申請額が30万~150万円未満なら、A類型として申請し、150万~450万円ならB類型として申請します。

C類型は、補助率の異なるC類型-1とC類型-2があり、それぞれ補助金申請額の幅が2つあります。

・補助率
 -A類型:2分の1以下
 -B類型:2分の1以下
 -C類型:3分の2以内もしくは4分の3以内

C類型の補助率はITツールを取り入れる「目的」によって変わります。

3.各自治体の補助金・助成金

各自治体の補助金、助成金については、各自治体によって条件や助成額は異なります。おおむね、「新規のホームページ作成」に対して、「上限5~6万円」の補助が受けられます。

ここでは、東京都の中央区と豊島区の例を挙げます。

1.中央区「中小企業ホームページ作成費補助金」
https://www.city.chuo.lg.jp/sigoto/kigyonosinko/_user_shoukan_time.html

中央区では、中小企業者と創業予定の中小企業・個人事業主に対してホームページ作成費の補助を行っています。一般枠と創業枠があり、それぞれ、補助対象経費は次の通りです。

●補助対象経費
【一般枠】
・新規にホームページを作成するための制作経費(すでにホームページがある場合は対象外)

・既に開設しているホームページを変更する場合の変更費用

ホームページを新規で作成する場合は、ホームページ作成ソフト購入費、ホームページ作成教材購入費、ドメイン取得料を含んでいます。

【創業枠】
・新規にホームページを作成するための制作経費(すでにホームページがある場合は対象外)

ホームページ作成ソフト購入費、ホームページ作成教材購入費、ドメイン取得料を含んでいます。

●補助金額
【一般枠】
対象経費の総額の2分の1(限度額5万円・千円未満の端数は切り捨て)

【創業枠】
対象経費の総額の3分の2(限度額6万円・千円未満の端数は切り捨て)

2.豊島区「ホームページ作成支援」
http://www.toshima-biz.com/03_hojokin_hp.html

豊島区では、企業のPRや販路拡大を目的に新規で作成するホームページの経費の一部を補助します。対象者は区内中小企業者、区内中小企業者によって組織された団体、区内中小企業者となる予定の「起業予定者」です。

●補助対象経費
新たに開設する独自のホームページの作成にかかる外部委託経費。
すでに開設しているコンテンツの変更、更新、パソコン、通信経費等の設備にかかる費用は対象外となります。

●補助金額
補助対象経費(税抜)の2分の1以内で、上限5万円(千円未満は切り捨て)です。

以上、ご紹介してきた助成金・補助金制度は、それぞれ申請期間が定められています。それぞれの公式サイトを確認し、申請を行ってください。

まとめ

◆ホームページ作成の助成金・補助金制度とは、一定の条件により、助成金や補助金が出るもの。目的に応じて公的機関から支給されるお金であり、申請するには、各制度によって定められている受給条件を満たしていることが必要。

◆「小規模事業者持続化補助金」は販路開拓等の経費の一部を補助するもので、ランディングページなど、販路拡大につながるホームページの作成に適している。補助率は3分の2以内か4分の3以内、補助上限額は100万円または150万円。

◆「IT導入補助金」はITツールを導入経費の一部を補助するもので、ユーザーとの双方向のやり取りが可能、業務パッケージソフトとの連携がある、ECサイト、CMSを利用したECサイトなどが対象となる。補助率は2分の1以下、3分の2以内、4分の3以内のいずれか、補助額は30万~450万円。

◆各自治体の補助金制度は、自治体によって内容が異なるが、例えば新規ホームページ作成にかかわる経費について補助率2分の1以内、上限5万円の補助を受けられるところもある。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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