企業が成長していく上で欠かせないマーケティング戦略。マーケティング担当者は、日々ユーザーの動向を推察すべく、さまざまなツールを使って自社に関わるデータを収集しているだろう。機能的なデータ抽出が可能な「Googleアナリティクス」は、ほとんどの担当者が使用しているといっても過言ではないツールである。
ウェブサイトの成果を上げるために必須ともいえるGoogleアナリティクスだが、実は「何となく使っている」というマーケターも多いという。意外なことに、自身が有効活用できているかに疑問を持つこともあるようだ。「機能をどの程度使うか」など、これまで使い方を比較することがなかったGoogleアナリティクスの最適な利用法を調査・分析した。
参照元:成果を出す人がGoogleアナリティクスで使う機能は10個だけ。アクセス解析の実態調査
解析ツールは使用回数がポイント
出典元:成果を出す人がGoogleアナリティクスで使う機能は10個だけ。アクセス解析の実態調査
マーケティング担当者の使用歴やツールへのイメージ、経験などを調査したのが上図である。
調査の結果では、期間は3年以上から10年未満の使用が最も多く、次いで1年未満の使用歴が多いようだ。
注目すべきは苦手意識あり、やや苦手意識ありという回答が計30%以上もあるということ。 成果の上がるCVR改善の経験がないという回答も30%以上存在している。
これには、使用回数が多ければ多いほどCVRの改善経験も並行して上がり、使用回数が少ないほど、改善経験がないということが関係しているだろう。
同じく、使用回数が多いと苦手意識がなく、少ないと苦手意識があるという結果になった。 少ない回数で解析を行う場合もあるが、まずはツールを触る機会を増やすなど、取り組み方の見直しが課題になるのではないか。
解析ツールはどんなときに利用するか
出典元:成果を出す人がGoogleアナリティクスで使う機能は10個だけ。アクセス解析の実態調査
Googleアナリティクスを利用するのはどのような場面か。調査した結果、CVRの改善などで行った施策の効果検証で利用する場合が最も多く、次いで定期的にチェックしたり、ボトルネックや改善ポイントを探したりするのに活用していることが多かった。
マーケティング担当者はどのような機能を使って上述した点を検証しているのか。以下に調査結果をまとめた。
Googleアナリティクスで使う機能はこれだけ
出典元:成果を出す人がGoogleアナリティクスで使う機能は10個だけ。アクセス解析の実態調査
Googleアナリティクスを利用する際に「使用する機能、しない機能」などを調査した結果が上図である。○は全体の半数が1週間に1回以上使用、☓は使用しない機能、空欄(-)は○☓どちらかに割れたか、ごくまれに使用と定義した。
意外にも、ほとんどの機能を利用することなく、マーケティングを行っていたことがわかるだろう。カテゴリーでは「集客」の利用がほとんどで「行動」など、一部の機能のみを利用しているのである。さらに、改善したことがあるかないかによって、使っている機能に違いが出るのかを検証した。結果は以下である
改善経験の有無で使用する機能が異なる
出典元:成果を出す人がGoogleアナリティクスで使う機能は10個だけ。アクセス解析の実態調査
マーケティング担当者がGoogleアナリティクスで解析する際に、CVR改善経験があるかないかによって使用する機能が異なるかを検証したところ、改善の経験がない担当者ほど「リアルタイム」や「ユーザー」などを使用していることがわかった。
CVにそれほど影響が大きくないと考えられる項目に注目していることで、CVR改善のための最適なアイデアが浮かんでいない可能性があるだろう。
解析にとって最も「必要な項目」のみを「複数回」見ることが、有効に利用するポイントのようだ。必要のない項目はさっと眺める程度にするなど、目的を明確にし、効率よく利用することも大切だ。
まとめ
マーケティング担当者にとってGoogleアナリティクスは有益な解析ツールである。しかしながら、苦手意識を持ち、CVR改善に至らない場合も少なからずあることが明らかになった。
解析ツールは改善のアイデアを絞り出すための「数値の確認」でしかないのである。数ある機能を使いこなすことが目的のツールではなく、解析前と後で「どれだけの改善アイデアを生み出せたか」が重要なのではないか。