出典元:マーケターがデータの課題に対応して成長を促進する方法
新型コロナウイルスがパンデミックを起こし、世界中の経済に影響を与えたこの半年間で、顧客のニーズは「10年分」といわれるほど大きく変化している。在宅時間が増えた消費者のオフラインからオンラインへの移動、エンターテインメントの世界における劇場から映像サービスへの移行など、これまでになかったスピードで、さまざまなビジネスの課題が生まれているだろう。
企業のマーケティング担当者は、リアルタイムで顧客を洞察する必要がある。日産自動車、デッカーズ、ロレアルの大手3社マーケターはどのように顧客ニーズを把握しているのか。成功した事例を分析・検証した。
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日産自動車/顧客トレンドを素早く察知
日産自動車のマーケティングチームはさまざまな顧客のニーズ把握を強化してきた。デジタルメディアコンサルタント「マイティハイブ」と提携し、リアルタイムでストリーミングデータを取得。組み込みの機械学習によって成果を予測しながら最新の情報を集めた。Googleのマーケティングツールを利用し全体の顧客動向をデータ化した結果、「デジタル広告で紹介したモデルが、試乗したいものであるとは限らない」ことを発見。サイト上にトレンドモデルを追加し、試乗ではよりプレミアム度の高いモデルを提案することになった。
デッカーズ/必要なクリエーティブを絞る
デッカーズブランドでは、より効果的な広告クリエーティブを顧客に提供する戦略を打ち立てた。デジタルパートナーとして「クラゲ」と提携し、費用対効果の高いデータ処理、価格を抑えたオブジェクトストレージなどで、必要なクリエーティブとビジュアルを正確に絞り込んだ。その結果、自社の広告に配置する最適な靴の数を発見。靴の数を変更したことで広告パフォーマンスが40%近く上がり、広告支出の収益は50%以上増加した。
ロレアル/顧客のアクションを予測
ロレアルは、顧客が商品を購入する際のアクション予測を強化した。効果的なマーケティングで広告の収益率アップを目指したのだ。Googleアナリティクス360や自社サイトデータ、店舗データを組み合わせて、どこからの訪問者がオフラインで商品を購入するかを徹底予測。「Cloud Auto ML」を利用し、独自の機械学習モデルでキャンペーンを行った結果、オフライン収益は2.5倍に。大幅な増加となった。
企業レベルを引き上げるためのマーケティング/まとめ
大手3社の「トレンドを素早く取り入れる分析力」「適切なクリエーティブをカスタマイズする仕組み」「顧客の行動を予測する戦略」は、これからの企業成長において重要なポイントになるだろう。
マーケターが自社の課題を分析し、変化のスピードが速い顧客ニーズに対応するには、新しいソリューションを駆使したデータの解析が重要だ。
デジタルトランスフォーメーションを浸透させ、絶えず変化に備えていく。マーケティングの徹底と競争に打ち勝てるテクノロジーの導入が、企業を飛躍させる鍵といえるのではないか。