2020年は新型コロナウイルスの感染拡大が世界的に起こった年だ。前年の2019年と比べ、カスタマーエクスペリエンス(CX)はどのように変化したのだろうか。
アクイアジャパン合同会社は「カスタマー・エクスペリエンス・トレンド・レポート −日本版」を公表している。
この調査により、新型コロナウイルスの感染拡大が以下に与えた影響が明らかになった。
・デジタルチャネルとの接触頻度
・オンラインでの購買行動
さらに、企業のデジタルシフトにおける今後の課題なども明らかになった。
参照元:世界8カ国8,000人に調査したカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポート発表
「以前よりもAmazonを使用している」45%、頻繁に利用するデジタルチャネルは「Webサイト」
新型コロナウイルス感染拡大後の、企業とのオンラインエクスペリエンスの変化について調査した結果が下のグラフの通りだ。
出典元:世界8カ国8,000人に調査したカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポート発表
日本で最も多かったのが、「以前よりもAmazonを使用している」の41%だった。グローバルのトップは「以前よりもオンラインで購入するようになった」の40%だ。
「対面よりもオンラインで商品を購入したい」という回答について、日本は19%であり、グローバルの16%を上回っていた。しかしその一方で、「企業とのオンラインエクスペリエンスは変わっていない」という回答が32%であり、グローバルの25%を上回っていた。
続いて「2019年と比較して2020年により頻繁に使うようになったデジタルチャネル」について消費者に回答してもらった結果が下のグラフだ。
出典元:世界8カ国8,000人に調査したカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポート発表
日本では「Webサイト」(45%)、「SNS」(35%)、「ビデオストリーミング」(32%)が上位だった。
グローバルの結果では「SNS」(45%)、「ビデオストリーミング」(44%)、「Eメール」「モバイルビデオチャットツール」(42%)、「Webサイト」(41%)が上位を占めた。
企業の49%が「デジタルチャネルを多様化させた」
消費者の生活スタイルの変化に合わせ、企業もデジタルシフトを急速に進めざるをえなくなった。顧客とのコミュニケーションに適応するため、企業が行ったマーケティング戦略についての調査結果が下のグラフだ。
出典元:世界8カ国8,000人に調査したカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポート発表
日本の結果では「デジタルチャネルを多様化させた」(49%)、「複数チャネルにわたるデジタルエクスペリエンスを統合しようと試みた(Web、モバイル、ソーシャル、カスタマーサービス等)」(45%)が上位だった。
グローバルでは「顧客エンゲージメントのために、より多くのコンテンツを作成した」(48%)がトップだった。
2020年の反省点と明らかになった課題
2020年の企業の反省点・学んだことについての調査結果は下の通りだ。
参照元:https://www.acquia.com/jp/blog/acquia-cx-trend-reports-japanese-edition
出典元:世界8カ国8,000人に調査したカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポート発表
日本の企業はソリューションの導入や顧客とのコミュニケーションに苦労していたことがわかった。
最後に、より良いデジタルマーケティングキャンペーン構築にあたり、妨げとなっている技術のギャップについて調査した結果が下のグラフだ。
出典元:世界8カ国8,000人に調査したカスタマーエクスペリエンス(CX)トレンドレポート発表
日本の調査結果・グローバルの調査結果ともに、「データ分析もしくはデータサイエンティスト」という回答が最も多かった。次いで日本で多かったのは「デジタル人材の全般的不足」であり、グローバルの33%よりはるかに多い42%だった。
必要なスキル・知識を持ったデジタル人材の確保や、また人手不足による技術ギャップを補うためのテクノロジー導入などが、今後の課題となりそうだ。