コンテンツマーケティングは、コロナ禍で最近再び注目されてきているマーケティング施策だ。多くの企業がオウンドメディア(自社メディア)を持ち、記事コンテンツなどを発信しているが、その効果を検証できている企業は多くないのかもしれない。
株式会社リクルート住まいカンパニーも複数のオウンドメディアを運営している企業だ。「Think with Google」では、同社が行った検証の事例を紹介している。
参照元:オウンドメディアの記事はコンバージョンにつながるか? SUUMO が確かめた記事コンテンツの価値
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株式会社リクルート住まいカンパニーのコンテンツマーケティング
株式会社リクルート住まいカンパニーのオウンドメディアは、検索流入からの即CV(コンバージョン)を目的とするものではないという。
これまで読者が知らなかったような情報・新しい発見のきっかけを、良質なコンテンツで提供することが目的となっているそうだ。つまり、長期的なファンの醸成・ブランディングへの寄与が目指されているということだ。
オウンドメディアの記事コンテンツ、効果の検証は困難だった
株式会社リクルート住まいカンパニーの記事コンテンツ広告は、新たな住まいを探している人や、これから住まいを探す可能性のある潜在顧客に対し、幅広くリーチすることを目指している。
また同社が扱う不動産の場合、一般的に検討期間が長い。
そのためラストクリックからの短時間におけるCVで効果を評価することは不可能だ。
初回接点からラストクリックまでの間で記事コンテンツが与えた影響についても分析されなくてはならない。
また、同社ではテレビCMやフリーペーパーといった複数種類の広告施策を行っているため、記事コンテンツの寄与を正確に把握することは難しかったという。
記事コンテンツのフィード配信がCVに大きく貢献
同社はGoogle広告のスペシャリストチームの提案を受け、「ファインドキャンペーン」「Casualimpact分析(統計分析)」を用いて効果の分析を行った。
ファインドキャンペーンはスマホ用GoogleアプリやYouTubeのホームフィードなどにインフィード広告を出稿するものだ。
調査は、日本全国をA/Bという2つに分けて行われた。Aエリアにのみ記事コンテンツのフィードを配信し、Bエリアには配信しなかった。
その結果、Aエリアの方がBエリアに比べて約35%多いCVを獲得したと推計された。また、記事コンテンツのフィード配信を停止したところ、CV数が減ったという。
以上から、記事コンテンツへの接触がCVに大きく影響していたことがわかる。
コンテントマーケティングは長期的な取り組みとなることがほとんどであり、短期的に成果が見えにくい上、効果の検証が難しいことも多い。
しかし、今回の調査結果は地道に有益な情報を発信するコンテンツマーケティングが、確かな成果につながっていることを教えてくれている。