DNX Venturesとセールスフォース・ベンチャーズ(米国のセールスフォース・ドットコムの戦略投資部門)は、2020年7月から8月にかけて、国内のスタートアップ企業39社を対象に、「新型コロナウイルスのSaaS企業への影響に関する実態調査」を実施。その調査結果を公表した。
※「SaaS」(Software as a Service)はベンダーが提供するアプリケーションソフトウェアまたはそのサービスのこと。
コロナの影響で営業戦略の変更を行った企業の割合は?
コロナによって自社に何らかの営業戦略の変更があったかを問う項目では、「コロナの影響が相対的に少ない顧客業界へフォーカス」の回答が51.3%と過半数を示した。続いて「既存顧客のアップセルへの注力」の回答が続き、全体のおよそ90%の企業が何らかの形で営業戦略の変更があったことを明らかにしている。
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コロナ以前と比較した受注見通しは?
コロナの影響を受けた本年度の受注見通しについて、コロナ以前と比較して25%以上減少するとの回答はわずか18%であり、横ばいまたは増加するという見通しの企業は 33.4%であったことを明らかにした。
この結果について、コロナ禍で国内にDX推進の波が訪れた影響が大きいことから、国内のSaaS企業にとってコロナの影響は小さく、DX推進のチャンスを見出していると、同社は分析している。
また、コロナ禍で自社の新しい収益機会を見出したかどうかを問う項目では、「見出せた」と回答した企業が71.8%であったことを示した。
コロナがDXを加速する追い風となるか?
「コロナがDXを加速させ、自社の事業にとって追い風となると考えていますか?」の質問では、全体の97%(39社中38社)が「追い風になる」と回答。この結果について同社では、グローバルスケールでDXはさらに加速していく印象があり、SaaSスタートアップ企業ではこの期待が大きいのではないかと分析している。