株式会社セールスフォース・ドットコムは年次調査レポートである「マーケティング最新事情」(第6版)の日本語翻訳版を2020年6月16日に発表した。本レポートは、世界各国の約7,000人のマーケティングリーダーを対象に調査を実施した中で、特に日本のマーケター300名に対して調査結果についてまとめられている。
この調査により、日本のマーケターに求められる役割や、抱えている課題が明らかになった。
参照元:セールスフォース・ドットコム、 年次調査レポート「マーケティング最新事情」(第6版)日本語版を公開
今後10年間の最大のインパクトは「5G」と「オンライン人口の拡大」
まず、2030年までにマーケティングに最大の影響力を発揮すると考えられているテクノロジー・事象について、日本のマーケターは5G、オンライン事項の拡大と回答している。
参照元:セールスフォース・ドットコム、 年次調査レポート「マーケティング最新事情」(第6版)日本語版を公開
本レポートでは、日本のマーケターが担う役割の変化や、ポジションについても触れている。テクノロジーの進化により顧客の期待が高まるなか、日本のマーケターは「メッセンジャー」ではなく、購入・受注後も継続して顧客と関係構築を担う「エンゲージャー」として進化している。また、新型コロナウィルス感染拡大の影響で顧客のエンゲージメントの基準は変化しており、そのイノベーションの最前線に立っていると明らかにした。
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マーケターの最優先課題は「リアルタイムの顧客エンゲージメント」
続いて、マーケターが抱える課題を見ていく。マーケターの最優先事項には「人材の雇用と育成」がトップとなった。次に「一元化された顧客データを全ビジネスユニットで共有」と「イノベーション」が続いた。また、マーケターの最優先課題には「リアルタイムの顧客エンゲージメント」がトップ。次に「一元化された顧客データを全ビジネスユニットで共有」と「パーソナライズのレベルと顧客の快適度のバランス」が同点で並んだ。人的リソースの確保と向上と並行して、エンゲージメントを目的に顧客とのリアルタイムな関係構築が求められている結果となった。
参照元:セールスフォース・ドットコム、 年次調査レポート「マーケティング最新事情」(第6版)日本語版を公開
マーケターが重視するAIの活用ケースに「データインサイトの引き出し」
顧客のエンゲージメント向上には、個人や企業ごとのニーズにマッチした提案をするために、顧客のインサイトが重要となる。
マーケターが使用している顧客データソースについて、中央値が2019年で20、2020年で25、来年の2021年では30になると予想され、毎年増加する結果となった。また、テクノロジーの活用にAIがあるが、マーケターが重視するAIユースケースに「データインサイトの引き出し」がトップとなった。
マーケターが顧客データの収集やインサイトの分析に比重を置いていることが調査結果からも明らかになった。
参照元:セールスフォース・ドットコム、 年次調査レポート「マーケティング最新事情」(第6版)日本語版を公開
マーケターが最優先する成功指標は「収益」
最後にマーケターが最優先する成功指標はなんだろうか。トップは「収益」となり、「顧客維持率」「顧客満足度」が続いた。
マーケターは、新型コロナウィルス感染拡大により変化した顧客の価値観に寄りそった関係構築を求められるようになった。そして、顧客維持率や顧客満足度といった指標で顧客のエンゲージメントを測り、ビジネスとしての価値に置き換え、最終的なゴールである収益を目指していくのだろう。
参照元:セールスフォース・ドットコム、 年次調査レポート「マーケティング最新事情」(第6版)日本語版を公開
今回のレポートにより、新型コロナウィルス感染拡大による様々な影響を受け、日本のマーケターはこれまで以上に顧客との信頼関係の構築を強く求められていることが明らかになった。