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Cookieの代替えとしてGoogleが提唱する「プライバシーサンドボックス」とは?

2020.9.29
読了まで約 3

個人情報保護の観点からCookie規制の動きが世界的に広がる中、GoogleはサードパーティCookieの提供を2022年までに廃止することを発表しました。その対策としてGoogleが考えているのが、2019年8月に発表した「プライバシーサンドボックス」の活用です。

プライバシーサンドボックスは、ユーザーのプライバシーに配慮しながらユーザーにとって最適な広告を届けるという、Cookieに依存しない新たな手法として注目されています。

この記事では、Cookieの代替えとしてGoogleが提唱する「プライバシーボックス」とはどういうものなのか、わかりやすく解説していきます。

2020年1月、Googleはウェブブラウザ「Chrome」におけるサードパーティCookieのサポートを2年以内に廃止する計画を発表しました。

サードパーティCookieとは、ユーザーが訪問したウェブサイト以外の第三者から発行されているCookieのことです。

たとえば、ユーザーがニュースサイトを閲覧しているとき、不動産投資の広告バナーが表示されたとします。この場合、不動産投資の広告運営元から発行されるCookieがサードパーティCookieです。一方、実際に閲覧しているニュースサイトの運営元から発行されるCookieは、ファーストパーティCookieと呼ばれています。

サードパーティーCookieを活用すれば、第三者であってもユーザーの関心やウェブサイト上での動きなどさまざまな情報が集められます。しかし、ユーザーの知らないところで行動履歴が追跡されてしまうため、プライバシー保護の観点から制限の動きが広がっているのです。

そこで、サードパーティーCookieの代替えとしてGoogleが考えているのが、2019年8月に発表した「プライバシーサンドボックス」です。ユーザーのデータはウェブブラウザ(Chrome)が保持するため、広告主がデータに直接アクセスすることはできません。ユーザーのプライバシーを保護しつつ、デジタル広告をサポートしていく手法です。

プライバシーサンドボックスとは、ユーザーのプライバシーを強化しながらユーザーにとって最適な広告を表示するプロジェクトです。プライバシーサンドボックスの取り組みとして、個々のユーザーデータを明らかにせずに広告の選択やコンバージョンの測定ができ、さらに詐欺的な不正行為を防止する新たなAPI(※)が公開されています。

Googleが目指すのは、広告エコシステムを維持したままユーザーのプライバシーを担保する仕組みです。

プライバシーサンドボックスでは、Cookieに変わる非特定のシグナルを利用することで、ユーザーのプライバシーに配慮しながら広告を配信できるようになります。

具体的には、個々のデータを識別できないようにする「差分プライバシー」や、ブラウザの機械学習ソフトウェアでユーザーの関心を評価する「フェデレーションラーニング」といった技術を活用します。こうした技術の活用により、個人を特定する情報をブラウザ(Chrome)外に出さずに、共通の関心を持つユーザーに広告を届けることができます。

つまり、これまではCookieによって実現してきたことを、新たなAPIの活用で置き換えようとしているのです。

(※)API:「Application Programming Interface」の頭文字をとったもの。ソフトウェア機能を共有する仕組み。

ユーザープライバシー向上のために不透明な技術は防止する

プライバシーサンドボックスを提唱する一方で、Googleはユーザープライバシー向上のために、フィンガープリントのようにユーザーにとって不透明な技術は積極的に防止する対策を行っています。

フィンガープリントとは、ブラウザから得られる情報だけで個人を特定する仕組みです。Cookieを利用しない仕組みではあるものの、ごくわずかな情報を組み合わせることでユーザーの特定にまでたどり着いてしまう上、ユーザーはそれを拒否することができません。

ユーザーが知らないうちに、許可なく情報を得ようとする試みは、当然ブロックされるべきだというのがGoogleの考えです。このようなユーザーのプライバシーを脅かす試みに対し、Googleは今後も強い姿勢で臨むことを明言しています。

まとめ

◆Googleは、ウェブブラウザ「Chrome」におけるサードパーティCookieのサポートを2022年までに廃止することを発表している。

◆Cookieに変わる新たな施策が「プライバシーサンドボックス」であり、ユーザーのプライバシーを強化しながらユーザーにとって最適な広告を表示するというプロジェクト全体を指す。

◆プライバシーサンドボックスでは、Cookieに変わる非特定のシグナルを利用することで、ユーザーのプライバシーに配慮しながら広告を配信できるようになる。

◆プライバシーサンドボックスを提唱する一方で、Googleはフィンガープリントのようにユーザーにとって不透明な技術は積極的に防止する対策を行っている。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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