企業がホームページを構築する際、サーバーやドメインを準備したり、WordPressなどのCMSを設置したりと、セキュリティ対策を施したりと、インフラ周りを整える際には、企業ホームページだからこそ、やるべきことや注意すべきことがあります。
そこで今回は、ホームページ構築で必要なインフラや、構築する際の注意点を解説します。
企業がホームページを構築する際に必要なインフラとは?
ホームページを構築する際には、事前にさまざまなインフラを整える必要があります。
インフラとは、英語の「infrastructure(インフラストラクチャー)」の略で、一般的に生活を支える道路や鉄道、上下水道、電気、電話網、通信網といった社会基盤のことを指します。そのインフラをホームページにあてはめ、ホームページの基盤となる必要不可欠なものを、ホームページのインフラと言うことがあります。
ホームページのインフラには、物理的、構造的な観点から、下から順に次のようなものがあります。
1. コロケーション
PC、ラック、電源、サーバーなどの物理的な格納場所のことです。必要に応じてデータセンターも構築が必要です。
2. ネットワーク
ホームページを閲覧、テストするために必要なインターネット接続回線などのネットワーク環境です。
3. ハードウェア
インターネット用のネットワーク機器のほか、自社でサーバーを用意する場合には、そのサーバーが相当します。
4. OS
WindowsやmacOSといったオペレーティングシステムです。必要に応じてLinuxを導入するケースもあります。
5. ミドルウェア
企業ホームページに必要なミドルウェアには、MySQL、サーバー、ストレージ、ドメイン、DNS、SSL証明書などがあります。
6. アプリケーション
企業ホームページで使用するアプリケーションです。例えばCMSのWordPressなどが挙げられます。自社で独自開発する、製品やオープンソースを利用するなどの選択肢があります。
上記はインフラを構成するパーツであり、あくまで道具に過ぎません。これらをすべて用意した上で、セキュリティ対策や、ホームページへのアクセスが集中したときに備えた対策と処理方法、ページ表示速度の最適化などを考慮して構築していくことが、企業ホームページのインフラ構築といえます。
企業ホームページのインフラを整える際の注意点
企業ホームページは、企業が発信しているホームページであることから、特に信頼性やパフォーマンス、稼働性が重要視されます。そこで企業ホームページのインフラを整える際に、企業担当者が特に注意したい点を解説します。
●サーバーが可能な限り停止しない環境を作る
ホームページを置くサーバーは、ほとんどの場合レンタルサーバーを利用するケースが多いでしょう。法人向けのレンタルサーバーを利用するにしても、その稼働率や不具合が生じたときの復旧までの時間、災害対策のほか、日頃の運用や保守の品質などのレベルをよく吟味して選ぶことが重要です。サーバーの品質によっては、ホームページを利用する顧客の評価や満足度を下げてしまうこともあるためです。
●セキュリティ対策を万全にする
企業ホームページにおいて、セキュリティ対策は非常に重要です。近年サイバー攻撃が増加しており、巧妙化していることから、あらゆる攻撃を想定して対策をとっておく必要があります。例えば、個人情報流出を防止するSSL証明書で暗号化するのはもちろんのこと、データベースを不正に操作することで個人情報の窃取やホームページの改ざんを行う「SQLインジェクション」などへの予防策も必要です。そうした企業ホームページへのセキュリティを守るインフラを整えることが重要です。
例えば、CMSなどのアプリケーションはセキュリティ対策の施された最新版を導入する、常に最新版を保つ、「WAF(Web Application Firewall/Web・アプリケーション・ファイアウォール)」を導入する、ホームページに大量のアクセスをかけて、サーバーを機能停止に追い込む「DoS攻撃」を防止する「IPS(Instruction Prevention System)」という侵入防止システムを導入するなどが考えられます。
●拡張性も考慮する
企業ホームページは、企業の事業が拡大する、新規プロジェクトが発足するといった場合、ホームページを拡張させることになったり、新しいサービスサイト等が必要になったりするケースもあります。そのような拡張性を考慮して、サーバーの契約プランの選定やホームページの構造作りを行っていくことが重要です。
まとめ
◆企業がホームページを構築する際に必要なインフラを構成する要素には、コロケーション、ネットワーク、ハードウェア、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどがある。
◆インフラを構成する要素をすべて用意した上で、企業ホームページとして充分なパフォーマンスを維持できるように構築していくことが、企業ホームページのインフラ構築である。
◆企業ホームページのインフラを整える際の注意点として、サーバーが可能な限り停止しない環境を作ること、セキュリティ対策を万全にすること、拡張性も考慮することが重要。