株式会社サイバー・コミュニケーションズは新型コロナ禍における「インターネット広告市場」の動向に関する調査結果を2020年8月6日に発表した。調査期間は2020年7月6日~7月17日。インターネット広告市場に関係のある540人より回答を得た。
これにより新型コロナウィルス感染拡大による企業のインターネット広告予算の影響が明らかとなった。
参照元:新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表
2020年上期インターネット広告費、前年比で減少した企業は6割
まず、2020年上期(1月~6月)のインターネット広告費について、2019年上期と比較しての結果を見比べる。「大きく減少した」20.4%と「減少した」41.1%をあわせて、6割以上の企業がインターネット広告費は前年と比較して減少している。そのほか、「変わらない」は24.3%、「増加した」「大きく増加した」はあわせて14.3%となった。
参照元:新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表
最も減少したインターネット広告費は「予約型」
次に、インターネット広告費の取引手法別に増減を見ていく。「大きく減少した」「減少した」の合計が最も大きい結果となったのは、「予約型」の60.5%であった。次いで、「アドネットワーク」が41.7%、「運用型広告(動画広告)」が39.6%であるが、これらと比べても「予約型」が非常に大きな影響を受けていることがわかる。これは後述の「レジャー・交通」などの外出自粛が大きく影響していることが一因だろう。
一方で、「増加した」「大きく増加した」の合計は、「運用型広告(動画広告)」が23.9%と最も大きく、次に「ソーシャル広告」の20.2%が続く。
「検索広告」「アフィリエイト」は6割以上の企業が変わらない結果となった。
参照元:新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表
運用型広告(ディスプレイ)市場を見ていくと、3月9日週以降12週間にわたりキャンペーン費用が下落したが6月に入り回復傾向にあった。しかし、CPMはコロナ前の水準に戻っておらず、いまだ広告単価の高い大型広告主が戻ってきていないと予測される。
上述のデータで「運用型広告費(動画含む)」で広告費の増減が二極化したのは、この時期的な推移も影響しているだろう。
参照元:新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表
広告費減少は外出自粛が影響した業種が上位を占有
最後に、インターネット広告費が減少した業種を見ていこう。最多は「交通・レジャー」の43.5%であった。次いで、「化粧品・トイレタリー」23.5%、「自動車・関連品」20.2%、「ファッション・アクセサリー」19.8%と続いた。新型コロナウィルス感染予防のための外出自粛を受け、消費行動に影響を受ける業種が上位を占めている。
参照元:新型コロナ禍における2020年上期インターネット広告市場動向および2020年下期業種別出稿動向予測を発表
調査の結果、6割の企業がインターネット広告費は前年と比べ減少しており、特に、交通・レジャーなどの外出自粛の影響を受けた業種にその傾向が強く表れる結果となった。外出自粛の解除により、今後、交通・レジャーなどの業種の早期回復を期待したい。