株式会社サイカは独自の広告調査・研究レポートとして、「企業の広告宣伝担当者212名に聞いた 広告の効果測定方法に関するアンケート調査 2020年版」を実施し、その結果を発表した。
この調査で、広告の効果測定で領域横断的な分析手法へのニーズが高いこと、実際に行うにあたっては「人手不足」「分析への知見の不足」が課題になっていることが明らかになった。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
高度な分析手法へのニーズは高いが、現状では実践できていない
広告の効果測定で「現在用いている分析手法」と「今後用いたい分析手法」について調査した結果が下のグラフだ。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
現在用いている分析手法では「過去の出稿額データに基づく前年度ベースでの判断」の58.8%が最も多い回答だった。しかし、今後用いたい分析手法では「統計モデル・AI・機械学習などの技術を用いた広告効果の数値化、および最適な予算配分のシミュレーション」の49.7%が最も多かった。
ここからは、高度な分析手法での効果測定を行いたいものの、現状では実践できていないということがわかる。
2018年、2019年の調査との比較は下のグラフにまとめられている。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
「現在用いている分析手法」について、「統計モデル・AI・機械学習などの技術を用いた広告効果の数値化、および最適な予算配分のシミュレーション」の割合は少ない。ただし、2018年から2020年までに増加していることがわかる。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
「今後用いたい分析手法」についても、「統計モデル・AI・機械学習などの技術を用いた広告効果の数値化、および最適な予算配分のシミュレーション」のニーズが年ごとに増えていることがわかる。
今後は実践・ニーズの双方で「統計モデル・AI・機械学習などの技術を用いた広告効果の数値化、および最適な予算配分のシミュレーション」の拡大傾向が続くことが予想される。
領域横断的・統合的な分析のニーズが高い
続いて「現在取り組んでいる分析」と「今後取り組みたい分析」を調査した結果が下のグラフだ。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
今後取り組みたい分析としては「インターネット広告・オフライン広告に加えて外部的な影響要因も含めて統合的に分析」の36.8%、「インターネット広告・オフライン広告を領域を横断して統合的に分析」の36.8%が上位を占めた。
しかし現在取り組んでいる分析は「インターネット広告・オフライン広告を領域ごとで分けて分析」の44.3%が最上位だった。
分析についても領域横断的・ 統合的な分析へのニーズが高まっているものの、現状では実践できていないことが明らかになった。
分析についても過去の調査結果との比較のグラフを見てみる。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
領域横断的・統合的な分析へのニーズが高まる傾向にあると同時に「今後取り組みたい分析はない」という回答の割合が減り、分析の普及・高度化が求められていることがわかる。
分析に取り組む上での課題は「人手不足」と「分析への知見の不足」
分析に取り組む上での課題についての調査では下のグラフの結果になった。
参照元:企業の広告宣伝担当者に聞いた、広告の効果測定効果に関するアンケート調査
上位は「人手が足りない」の52.4%、「データ収集が難しい」の47.6%、「分析に関する知見が足りていない」の31.0%という結果になった。
「人手が足りない」「分析に関する知見が足りていない」はこの3年間で最も多くなっており、マーケティング人材の確保やデータ分析ノウハウの補完をサポートするソリューションが求められていることがわかった。
統合分析を実施すべき理由について調べた結果では「各広告施策の投資対効果を横断的に把握するため」が3年連続で最上位となった。