ECサイト構築および通販システム構築・支援を主要事業とする株式会社エルテックスは、「通信販売事業関与者の実態調査2020」を実施。
年商規模1億円以上の通販事業に関わる300名を対象に、新型コロナウイルス感染症流行下でのEC・通販事業者の意識の変化や、ビジネス課題等についてアンケート調査を行い、集計・分析結果を公開した。
参照元:「通信販売事業関与者の実態調査2020」Part2(株式会社エルテックス)
EC事業のビジネス課題は「システムの安全性」への関心が高まる
「通信販売事業の課題」の調査項目では、「事故が起きない安全なシステム強化」の回答が前年比で+11.7%の2ケタ増という結果を示した。年商別のグラフでは、年商100億円以上の企業の過半数以上(53.6%)がこの項目を選択。その他、前年比でスコアが上昇した項目では、「よく売れる商品の開発」が+8.3%、「売り上げの拡大」が+5.3%になったことを伝えている。 また、今回の調査で新たに加わった「新型コロナウイルスなどの感染症対策」の項目は、全体で31.7%が課題と捉えているものの、約2/3は課題としていないとの結果を示した。
参照元:「通信販売事業関与者の実態調査2020」Part2(株式会社エルテックス)
EC事業の困りごとは「広告メディアの使い方や広告投下の配分」が前年比増
EC・通販事業の「悩み事・困りごと」の質問項目に対して、複数回答の結果は「広告メディアの使い方や広告投下の配分」が前年比+7.3%とスコアが上昇。過去の調査からも年々増えており、2016年の約1.5倍という数値を示した。 この質問でも、「新型コロナウイルスなどの感染対策」を選択肢として追加しているが、複数回答で15.7ポイント、単一回答で2.0ポイントと低いスコア。「これら数値を見る限り、EC・通販業界では(新型コロナウイルスの)ビジネス上のインパクトは小さいと考えられる」と同社は伝えている。
参照元:「通信販売事業関与者の実態調査2020」Part2(株式会社エルテックス)
また、同様の質問項目に対する、単一回答の結果は「既存顧客の満足度の向上」が上昇傾向を示した。 一方で、「新規客の獲得や集客方法」はここ5年のトレンドで下降傾向にあり、同社では、「EC・通販で商品を買うといった経験は消費者全般に広がっており、こうした中でいかに良質の顧客体験(CX=カスタマーエクスペリエンス)を提供できるのか?といったことが、悩み事や困りごとであり、課題にもなってきていることが推測される」と分析している。