一般社団法人ウェブ解析士協会の公式サイトでは、同協会および小川卓氏(株式会社HAPPY ANALYTICS)が主催する「ウェブ分析論」ゼミナールにおいて、上級ウェブ解析士・芹澤和樹氏(株式会社ADKマーケティング・ソリューションズ)が発表したタグマネージャー利用調査結果を公表している。
事業会社、代理店・ベンダー、コンサルタントの176名を対象に、タグマネージャーの利用状況と課題をアンケート調査し、分析した結果を示している。
参照元:タグマネージャー利用調査と方向性について(一般社団法人ウェブ解析士協会)
タグマネージャーの利用状況について
今回の調査は、事業会社、代理店・ベンダー、コンサルタントの176名を対象に、Google フォームを利用し2020年5月に実施された。
参照元:タグマネージャー利用調査と方向性について(一般社団法人ウェブ解析士協会)
タグマネージャーの利用状況について、「使えない(管理画面での操作ができない)」の回答は全体の17%、事業会社では22%という結果を示した。
参照元:タグマネージャー利用調査と方向性について(一般社団法人ウェブ解析士協会)
この結果に対して、小川卓氏は「タグマネは難易度が大きく分けて3つある」と指摘。「決まったタグを特定のページ条件で発火する」「イベントやトリガーなど既に実装されているものを元に設定する」「新たな実装を行った上で設定を行う」の三段階であり、JavaScriptやPHPなどの知識が求められる二段階目から三段階目へのステップアップが困難であると述べている。
一方で、全員が高度な操作方法を習得する必要はなく、仕組みを理解しそれを元に適切に指示ができれば良いのではないかと見解を示している。
タグマネージャー活用の悩みについて
タグマネージャーの実装時に困ることがあるかという質問には、約8割がなんらかの困っている場面に直面しているという回答を示している。
参照元:タグマネージャー利用調査と方向性について(一般社団法人ウェブ解析士協会)
また、活用の実態についてのコメントをカテゴリで分けたところ、約9割が計測確認と知識について課題をもっていることが示された。
参照元:タグマネージャー利用調査と方向性について(一般社団法人ウェブ解析士協会)
これらの課題に対して小川氏は、知識に関しては必要な実装に応じて覚えていき、調べる能力があれば問題ないとの見解を示している。 また、常に意識すべきことは「より効率が良いデータ取得方法が無いか」を考えることであると提言している。
さらに、最も課題の多い「計測方法」については、以下4つのアドバイスを示している。
①いっぺんに実装をしない。1種類ずつ確認をしていく。
②タグマネのプレビューモードとブラウザの開発モードを両方使って検証を行う事。それによって、何が原因で取れていないかを特定しやすくなる。
③計測ができない理由は「そもそも実装されていない」「実装されているが記述が間違っている」「変数の設定が間違っている」「トリガーの設定が間違っている」「タグの条件や書き方が間違っている」「アクセス解析側で設定がされていない」のいずれか。上記の順番にひとつずつ検証する。
④それでも分からない場合は相談・頼れる人を見つけておく。
一般社団法人ウェブ解析士協会の公式サイト内では、小川氏の具体的なアドバイスや芹澤氏がまとめた事業会社、代理店・ベンダー、コンサルタントそれぞれの立場において求められるタグマネージャーの知識が掲載されている。