株式会社リスキーブランドは、消費者の生活心理をリサーチする「MINDVOICE(マインドボイス)」というプログラムを実施している。同社はこのMINDVOICEを用い、一般生活者のSNSに関する動向を調査した。
この調査により、SNSを日常的に利用しているアクティブユーザー数や、各SNSのアクティブユーザーの価値観の傾向等が明らかになった。
参照元:SNSユーザーの動向と価値観。 _株式会社リスキーブランド
アクティブユーザーの数は増えている
アクティブユーザーとは、日常的にSNSを利用しているユーザーを指す。アカウントを持っているだけでほとんどSNSをチェックしないようなユーザーは除外される。そのようなアクティブユーザーの数は、昨今どのように変化しているのだろうか。
下のグラフは、リスキーブランドが調査結果から作成したものである。
参照元:SNSユーザーの動向と価値観。 _株式会社リスキーブランド
グラフを見ると、ほとんどのSNSでアクティブユーザーが増え続けていることがわかる。LINEは国民の過半数がアクティブユーザーであるとされてきたが、今回の調査では6割以上に達していた。
今回最も急激にアクティブユーザーが増えたのはYouTubeであり、前年比125%。アクティブユーザー数が国民の過半数に到達した。次点はInstagramの前年比124%であり、国民の26.6%がアクティブユーザーであると見られる。
Facebookはこれまでアクティブユーザー数が減少傾向にあったが、前年比103%と減少に歯止めがかかった。リスキーブランドは、ユーザーの価値観によるSNSの棲み分けが進み、Facebookが独自のポジションを獲得した結果なのではないかと分析する。
このようなSNSアクティブユーザー伸張の背景には、新型コロナウイルスを受けての自粛ムード(「ステイホーム」)の影響が大きいのではないかと同社は推定している。
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ユーザーの価値観による棲み分けが進むSNS
リスキーブランドはさらに、コレスポンデンス分析という手法を使い、各SNSのアクティブユーザーの価値観の傾向をマップに示した。
参照元:SNSユーザーの動向と価値観。 _株式会社リスキーブランド
このマップを見ると、ユーザーの価値観ごとに特定のSNSがブランドポジションを獲得していることが推察される。
例えば環境問題といったグローバルなことに関心があり、「知的に見られたい」と考える層にとってはFacebookがブランドポジションを持っていると考えられる。Instagramは「新しいものが好き」な流行先取り的価値観、Twitterは「今が大事」な刹那主義やネガティブ志向と結びついているようだ。
変化を求める層がInstagramやTwitterのアクティブユーザーに多いのに対し、変化を嫌う価値観の人にはLINEやYouTubeが人気であることも見て取れる。
性別や年齢による棲み分けも判明
価値観の傾向だけでなく、性別や年齢(世代)によるSNSごとの棲み分けも明らかになった。
参照元:SNSユーザーの動向と価値観。 _株式会社リスキーブランド
参照元:SNSユーザーの動向と価値観。 _株式会社リスキーブランド
両グラフを参照すると、例えばFacebookであれば「男性・中高年」、Instagramであれば「女性・若者」に好んで使われていることがわかる。
マーケティングにSNSを利用する際には、ターゲット顧客の価値観や性別・年齢層と強く結びついているSNSを見極めることも重要になるだろう。