企業がホームページを作成する際、検索エンジンからの流入を増やすために行うSEO対策は、多くの企業が実践しています。そのSEO対策を意識してホームページを作成するとは、具体的にどのようなことなのでしょうか。
SEO対策は、ホームページ作成が完了してから行うのではなく、ホームページを制作する準備段階から行い、制作と同時に反映していくほうが効率が良いことが多いです。はじめからSEO対策を意識して、ホームページを作成しましょう。その具体的な方法をご紹介します。
SEO対策とは
SEO対策とは、「Search Engine Optimization」、つまり検索エンジン最適化を行う手法を指します。
検索エンジン最適化とは、主要な検索エンジンであるGoogleやYahoo! JAPANなどにおいて、検索結果の上位に表示させる手法のことです。
検索エンジンでユーザーが検索する際、検索結果の上位にあるサイトほどクリックし、訪問されやすいことから、上位表示することにより、アクセス数が多くなることが期待できます。少しでも上のほうに表示させることがSEOの目的となります。
どうすれば検索エンジンに上位表示されるのかといえば、それぞれの検索エンジンの検索結果を出すロジックにのっとって施策を施すことです。しかし、そのロジックは公開されていません。
その代わり、Googleは多数のヒントを出しています。例えばGoogle社が出している「検索エンジン最適化(SEO)スターターガイド」では、Googleで上位表示されやすいホームページの作り方が解説されています。
このような資料は、ホームページを作成する際、SEO対策の手掛かりになります。
関連記事:SEOとは?SEO対策の基礎知識と具体的な方法を詳しく解説
SEO対策を意識したホームぺージとは
とはいえ、このGoogleの資料に掲載されていることの他にも、SEO対策の有効な方法はあります。そこで、多くの企業が実践している、主なSEO対策をご紹介します。
ここでお伝えするSEO対策は、すべてホームページを作成する前から準備し、デザインやコンテンツを作成するのと同時に実施していくのを想定しています。
●検索キーワードの十分な選定
SEO対策の中心ともいえるのが、検索キーワード最適化です。自社ホームページのターゲットユーザーが検索するキーワードを想定し、そのキーワードを適切にホームページに盛り込んでいきます。しかし、ただキーワードを盛り込めば良いというわけではありません。なぜならキーワードによっては、競合サイトが強すぎることで、そのキーワードで検索したときに自社ホームページが上位表示されないケースがあるためです。また、自社ホームページにとって重要なキーワードであっても、誰も検索しないキーワードを盛り込んでも需要はありません。つまりキーワードごとに月間どのくらいの数、検索されているのかの「検索ボリューム」を知り、そのボリュームを踏まえたうえで需要のある上位表示可能なキーワードを盛り込んでいくことが基本となります。 また「1ページ、1キーワード」で最適化するのが基本といわれます。
●内部SEO施策
ホームページを作成する際には、内部SEO対策をしっかりと行っておく必要があります。検索エンジンのロボットに階層構造やコンテンツの内容を理解してもらうことが目的です。
例えば、タイトルタグ、出しタグ、箇条書きタグなどの適切な使用や、文字の画像化は極力控えて検索エンジンのロボットにテキストを読み込んでもらう、アンカーテキストは説明的に記述する、ページ内に関連リンクを設定するといったことが挙げられます。
●ユーザビリティの考慮
検索エンジンのロボットの利便性を上げても、実際の閲覧ユーザーがストレスなくコンテンツを読み進められるサイトでなければ評価されません。例えばページ表示速度については、ユーザビリティはもちろん内部SEOにもかかわることなので、十分考慮する必要があります。
特にモバイルのユーザビリティは、SEOに密接に関係しているといわれています。スマートフォンで読みやすく、使いやすいページは、掲載順位が引き上げられるという情報も、Googleは発表しています。
●分散集客型にして下層ページにも流入することを想定する
検索エンジンからユーザーがホームページに訪れる際には、必ずしもトップページとは限りません。トップページにばかり重要コンテンツを盛り込み、SEOを実施するといった「トップページ依存型」のホームページでは集客できないといわれています。サイト内のすべてのページが入口となり得るため、検索上位を獲得できるページを複数作成し、下層ページにも人を呼び込む「分散集客型」にすることも必要なSEO対策の一つになります。
●被リンクを獲得する
被リンクの多いホームページは検索エンジンに評価されやすいというのはよく知られています。しかし、かつて、被リンクを自ら膨大に設置して評価を上げようとするホームページが多くなり、問題になりました。しかし、対策が取られた今となっても、被リンクは相変わらず多いほどページ評価が上がります。適切な被リンクを多く獲得することを意識することが重要です。
●コンテンツを充実させ、定期的に情報更新する
近年は「コンテンツSEO」と呼ばれる、コンテンツ施策を中心に据えたSEO対策が注目されるようになりました。かつて、被リンクの大量設置やコピーコンテンツなどの小手先のテクニックによってSEOに成功するホームページが増えた中、Googleはアルゴリズムを改良し、こうした小手先のテクニックを施すホームページにペナルティを科しました。
その後、本当にユーザーにとって役立つ情報を掲載するホームページが評価される仕組みとなり、コンテンツ重視のコンテンツSEOが登場しました。
このことから、ユーザー視点で良質のコンテンツを多く作り、さらに定期的に情報更新していくことも、重要なSEO対策の一つとなっています。
●モバイル対応
先述の通り、モバイル対応は直接的、間接的なSEO対策になります。Googleは「モバイルファーストインデックス(MFI:Mobile First Indexing)」を発表し、実施しています。これは、すべてのWebサイトについて、モバイル版ページの評価に応じて検索順位を決める仕組みのことです。つまりモバイル対応しているホームページのほうが、Googleで検索順位が上がるということです。モバイル対応は、もはやSEO対策に欠かせないものとなっています。モバイル中心にホームページを作成するのはもちろん、モバイルユーザーにとっていかに有益なホームページであるかが問われています。
まとめ
◆SEO対策とは、「Search Engine Optimization」、つまり検索エンジン最適化を行う手法のことである。
◆多くの企業が実践している、主なSEO対策として、検索キーワードの十分な選定、内部SEO施策、ユーザビリティの考慮、分散集客型にして下層ページにも流入することを想定する、コンテンツを充実させ、定期的に情報更新するなどがある。
◆特に近年、モバイル対応がSEOに直結するようになってきたため、モバイル最適化も重要なSEO対策として実施して行くことが重要。