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モバイルサイトとモバイルアプリの位置づけは?Googleが提供しているPWAをご紹介

2020.8.21
読了まで約 3

マーケティングにおけるモバイル戦略を考える際、マーケターはモバイルサイトとモバイルアプリのどちらを優先的に対策していくべきなのでしょうか。

Googleによると、モバイルユーザーの多くがモバイルアプリの利用に時間を費やしているという調査結果があります。しかし、明確な目的を持って検索や閲覧を行うユーザーは、アプリではなくモバイルサイトを積極的に利用する傾向があることもわかっています。

Googleが提供する「PWA」は、モバイルサイトとモバイルアプリの双方のメリットを併せ持つ新しいソリューションです。PWAを導入すれば、サイトとアプリを並列してモバイル戦略を実施することができます。

この記事では、Googleが提供する最新ソリューション「PWA」のメリットや成功事例をご紹介します。

PWA(Progressive Web Apps)とは

PWA(Progressive Web Apps)とは、 モバイルアプリが持つ機能をモバイルサイトでも使えるようにする仕組みをいいます。アプリのプッシュ通知やオフラインでの利用、ホーム画面へのアイコン表示など、アプリならではの強みをサイトに持たせることで、ユーザーエンゲージメントの強化やビジネス機会の拡大につなげるのが目的です。

モバイルアプリはユーザーエンゲージメントが高く機能的です。また、ユーザーがモバイルに費やす時間のうち、83%もの時間をアプリ利用に費やしているという調査結果も出ています。 ただし、ユーザーの多くはゲームやエンタメを楽しむためにアプリを利用しているため、マーケティングの観点からみるとターゲットが限定されてしまいます。

一方、モバイルサイトはアプリと比べ利用時間は大幅に落ちますが、明確な目的をもって検索や閲覧を行うユーザーは、サイトを積極的に利用する傾向があります。よって、アプリの利用頻度が多いカテゴリーではない場合、サイトを利用した方が成果が出やすいと考えられます。

モバイルサイトにPWAを導入することで、サイトとアプリ双方の機能性や強みを併せ持つ新しいモバイルサイトの構築が可能です。つまり、リソースの優先順位や配分といった位置づけを考える必要はなく、サイトとアプリを並列したマーケティング戦略を考えることができるのです。

PWA導入のメリット

PWAは、モバイルサイトを軸として、サイトとアプリ双方の強みを兼ね備える仕組みです。 PWAをモバイルサイトに実装することで、以下のようなメリットが得られます。

●ユーザーエンゲージメントを高める

PWAが実装されている場合、通常のサイトよりも手軽に訪問できるようになります。また、サイト側も通知などでユーザーにアピールできるため、ユーザーエンゲージメントを高めることにつながります。

<具体例>

・プッシュ通知ができる

・アイコンをホーム画面に表示できる

・オートでログインできる

・ワンタップでログインできる

●ユーザー体験を改善できる

PWAが実装されたサイトは、ユーザーの快適なサイト利用を可能にします。また、ユーザー体験の改善によって離脱を防げば、コンバージョン率の上昇につながると考えられます。

<具体例>

・ローカルキャッシュによってページの表示を高速化できる

・オフラインで使用できる

・決済を簡略化できる

PWA導入の成功事例

Googleは、PWA導入の成功事例として、住宅・不動産情報サイト「SUUMO」とアルバイト・パート情報サイト「タウンワーク」が行なった施策を紹介しています。

●SUUMO

株式会社リクルート住まいカンパニーが運営する「SUUMO」では、AndroidのChromeブラウザに「ホーム画面に追加」と「オフラインキャッシュ」の機能を追加しました。オフラインでブックマークされたウェブページの閲覧、バックグラウンドでの同期が可能です。その結果、モバイルサイトの起動時間が75%減少、プッシュ開封率が31%上昇しています。

●タウンワーク

株式会社リクルートスタッフィングが運営する「タウンワーク」では、通知やホーム画面からサイトにアクセスできるアイコンを導入しました。その結果、ホーム画面のアイコンからのコンバージョン率が213%上昇し、アルバイトやパートの応募数を増やすことに成功しています。

このように、モバイルサイトにアプリの機能を追加することで、サイトの機能だけでは得られなかった成果をあげていることがわかります。PWAの実装は、モバイル最適化を推進する上では欠かせない戦略となるでしょう。

まとめ

◆PWA(Progressive Web Apps)とは、モバイルアプリが持つ機能をモバイルサイトでも使えるようにする仕組みである。PWAを採用すれば、ウェブとアプリ双方のメリットを兼ね備えたモバイルサイトを構築できる。

◆PWAを導入することで、ユーザーエンゲージメントを高めたり、ユーザー体験をより快適に改善させたりといったメリットがある。

◆PWA導入の成功事例として、「SUUMO」や「リクルート」が行なった施策があげられる。具体的な効果は以下のとおり。

SUUMO:モバイルサイトの起動時間が75%減少、プッシュ開封率が31%上昇

リクルート:ホーム画面のアイコンからのコンバージョン率が213%上昇

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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