マイクロモーメントとは、人が何かをしたい思ったときに、反射的にスマートフォンを手に取って調べたり、購入したりといった行動を起こす瞬間をいいます。スマートフォンがあれば、時間や場所にとらわれず、いつでもどこでも自分の欲求を満たすことができます。モバイルが広く普及したことで、マイクロモーメントは日常の至るところで発生するようになりました。
しかし、マーケティングの視点から考えると、価値あるマイクロモーメントの見極めは容易ではありません。マーケティングで活用するには、さまざまなアプローチによって絞り込んでいき、有益なマイクロモーメントを的確に見極めることが大切です。
この記事では、マイクロモーメントをマーケティングに活かす5つのポイントをご紹介します。
ポイント1. モバイルでの主要検索キーワードを洗い出す
モバイルでの主要検索キーワードを探り、モバイルから何が検索されているか動向分析することで、消費者の求めている情報や、購買行動に導くためのヒントが見えてきます。消費者の視点に立ち、どのような目的でモバイル検索が行われるのか考えることが大切です。
Googleによると、「近くのレストラン」といった「近くの○○」というキーワードは主にモバイルデバイスから検索されており、全体の88%を占めています。実店舗を持っているビジネスのマーケティングでは、このようなキーワードを的確にとらえておく必要があるでしょう。
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ポイント2. 消費者の疑問に着目し効果的なアプローチを見つける
消費者の声に耳を傾け、どのような疑問を持っているのか考えることで、ターゲットに効果的なアプローチ方法を見出します。
ブランドやカテゴリ関連の検索では、「○○とは」「いつ」「方法」などがよくある検索キーワードです。これらのキーワードは消費者が抱える疑問そのものであり、ひとつひとつ調べていくことで消費者の疑問やニーズを読み取り、マーケティングに活かすことができます。
また、スマートフォンやパソコン、タブレットなど、デバイスによって検索キーワードにどの程度の差異があるのかに着目し、モバイル検索で際立つキーワードを探すのも効果的です。
ポイント3. 消費者の興味や行動調査を活用する
消費者はいつ、なぜ、どこでスマートフォンを使っているのか、マイクロモーメントが発生する瞬間を調査することもマーケティングにおいては非常に有効です。ブランドの認知度や商品の機能だけではなく、消費者が検索する状況を調べることで、消費者の興味や行動の特徴を把握できます。
Googleによると、とあるヘアケア関連ブランドがヘアセットのコツに関する動画を制作した理由は、スマートフォンでヘアセットの方法を検索する女性が多いことがわかったからだそうです。このように、モバイル検索を活用する消費者の興味を探ることで、そのターゲットに合ったアプローチが仕掛けられます。
ポイント4. カスタマージャーニーのインサイトを収集する
カスタマージャーニーとは、消費者が商品やサービスを認知し、最終的に購入に至るまでのプロセスです。消費者が商品やサービスをどうやって認知し、なぜ関心を持ったか、購入意欲をかき立てるものは何だったかなど、購入に至るまでの消費者の心理や行動を時系列で可視化したものをカスタマージャーニーマップといいます。
カスタマージャーニーマップや過去の調査結果からこれまでに蓄積された情報を引き出すことで、消費者がモバイル検索するマイクロモーメントの発生を推測できるでしょう。
カスタマージャーニーマップのテンプレートについては、本サイトの下記ページから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。1ページ目が見本となっており、2ページ目はサンプルになっています。パワーポイント(PPTX)形式ですので、パソコンでサンプルテキストを編集することもできますし、テキスト部分を消して印刷し、手書きで書き込むこともできます。
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コロナ禍を経て、Webサイトやeコマースを含むオンラインで顧客と接するマーケットが大きく広がっています。 過去のマーケティングはテレビや雑誌、新聞といったマスメディアを通じたものが…
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ポイント5. 顧客と対話するために店頭インタビューを行う
いつでもどこでも検索できるのがモバイル検索のメリットであり、消費者は店内でスマートフォンを取り出し情報を探すことがあります。店内でどのような情報を求めているのか、検索結果は納得いくものであったかなど、店頭インタビューを実施し実際に対話することで、消費者のニーズをより的確に把握できるでしょう。
Googleによると、化粧品売り場でモバイル検索する人は商品の価格を調べているのではなく、口コミのチェックや以前購入した商品の色味を探していることがほとんどだったそうです。インタビューによる対話で消費者の検索意図を的確にとらえられたため、自社アプリに新機能を追加するといったその後のアクションにつなげられたということです。
まとめ
◆Googleが提唱するマイクロモーメントとは、人が何かをしたい思ったときに、反射的にスマートフォンを手に取って行動を起こす瞬間をいう。
◆多様化するマイクロモーメントから価値あるものを見極めるのは容易ではないが、さまざまなアプローチによって絞り込むことができる。マイクロモーメントをマーケティングに活かすポイントは以下の5つである。
1. モバイルでの主要検索キーワードを洗い出す
2. 消費者の疑問に着目し効果的なアプローチを見つける
3. 消費者の興味や行動調査を活用する
4. カスタマージャーニーのインサイトを収集する
5. 顧客と対話するために店頭インタビューを行う
参考:Google社 『マイクロモーメントを活かす5つのポイント』