企業がホームページを制作するには、さまざまな方法があります。
ホームページ制作会社に依頼する方法や、枠組やデザインのみ制作会社に作ってもらい、運用は自社で行う方法、一から自社で作る方法があります。
自社で作るという場合には、専門知識が必要になってきますが、より手間なく制作コストを抑えながら作る方法もあります。
その一つが、テンプレートを使ってホームページを作る方法です。
今回は、ホームページのテンプレートを使う方法とはどのようなものなのか、またテンプレート利用のメリットとデメリット、具体的な制作手順を解説します。
ホームページのテンプレートとは
ホームページテンプレートとは、ホームページの雛形(ひながた)のことです。
ホームページは、デザインを決め、HTMLやCSSといった言語を記述して構築し、画像などのコンテンツを制作するなどして構築していきます。
しかしテンプレートは、ホームページのデザインはもちろん、すでにHTMLやCSSで記述されている上に、画像が必要な箇所には画像が用意されているのです。
つまり、テンプレートを使えば、ホームページのデザインやHTML・CSSの知識や技術がないといった初心者でもホームページを制作することができます。
企業ホームページを、テンプレートを利用して作ることは、手間と時間の削減ができることから、有用な方法といえます。
実際、作るときには、テンプレートのタイトルを変更したり、必要な箇所を自社の文章に打ち換えたり、画像を自社のオリジナルの画像にしたりして、細かな調整を行うことで、ホームページを完成させていきます。たいていの場合、そのような調整も初心者でも行いやすいようになっています。
ホームページのテンプレートを使うメリット
では、企業がテンプレートを使ってホームページを作るメリットを見ていきましょう。
1.専門知識や技術がなくても優れたデザインのホームページを手軽に制作できる
ホームページテンプレートを使えば、HTMLやCSSなどのコーディングの知識や、デザインなどの技術がなくても、また、ホームページ構築のための技術的・専門的な人員がいなくとも、手軽に整ったホームページを制作できます。
テンプレートはプロのデザイナーやコーダーが作っていることが一般的ですので、プロの手によるホームページができあがります。
2.ホームページ制作時間を短縮できる
テンプレートを利用すれば時間短縮になります。
ホームページのテンプレートを利用せず、自社で作る場合は、一からデザイン、コーディング、画像制作などを行うため、その分、制作時間を要するためです。
ただし、制作会社に制作を依頼した場合は、制作会社によって納期が異なるため、一概に時間短縮になるとは言い切れません。
あくまで、自社ですべてを作る場合と比べたときに、テンプレート利用は制作時間の短縮になります。
3.デザイン制作コストを抑えられる
ホームぺージのデザインを専門の制作会社に依頼すると、当然、制作コストがかかります。特にオリジナルデザインを作ってもらうとなると、高額になります。
一方で、テンプレートは無料のこともありますし、有料であっても汎用的なデザインが一般的で、それほど高額ではないため、デザイン面では制作コストの低減につながります。
ホームページのテンプレートを使うデメリット
一方で、ホームページ制作にテンプレートを利用することは、デメリットもあります。
1.他社との差別化がしにくい
一言でいえば、テンプレートはオリジナリティに欠けるということです。
テンプレートは無料、有料ともに多くのサイトで配布されていますが、あくまでテンプレートは汎用的なデザインが多く、他の企業のホームページと代わり映えしないというところもあります。
特に同業他社のホームページもテンプレートを使って作っている場合は、似かよったデザインや雰囲気、色使いのホームページになる可能性が高いです。
企業として、他社と差別化することが必須である場合には、テンプレート利用は差別化しにくく、不向きといえるでしょう。
しかし、最優先事項がデザイン性ではなく、運用を前提としているのであれば、テンプレートは有用です。
2.デザインや構成の自由度に欠ける
テンプレートは、メインのメニューとなるグローバルナビゲーションや、画像、文章のデザインや位置などが、あらかじめ決められています。
また、サイトの構成もある程度決まっています。
そのため、自由度という意味では低いといえます。
テンプレートを改変しようと思っても、知識がないままに編集してしまうとレイアウトが崩れてしまう可能性もあるため、限られた範囲で調整する必要があります。
テンプレートを使ったホームぺージの制作方法
テンプレートを使ってホームページを制作するのを検討する際には、もう少し制作方法を具体的に知っておきたいところです。
手順としては、次のようになります。
1.テンプレート配布サイトでテンプレートを入手する(ダウンロードする)
テンプレート配布サイトは、無料と有料どちらも存在し、商用利用が可能なテンプレートを配布しているところもあります。
そこで自社のホームページのイメージや構成に最も合ったものを選び、ダウンロードします。
選定時には、提供企業が導入の目的に合った、実績含め信頼をおけるか、テンプレートのデザイン・種類や目的が自社の実現したいサイトに合っているか、スマートフォンでの表示はどのようになるのかといったことや、テンプレートにバックエンドのシステムを含む場合にセキュリティ面で安心かどうかなどを注意しましょう。
2.ダウンロードしたHTMLファイルや画像データを、自社仕様に編集する
多くの場合、テンプレートはzipファイルなどの圧縮ファイルで配布されており、その圧縮ファイルをダウンロードし、解凍して利用します。index.htmlなどのHTMLファイルや、スタイルシートが記載されたCSSファイル、gifやjpgなどの画像データが含まれています。
HTMLファイルはテキストファイルなどで開き、必要な箇所だけ編集します。
また色などを変える際には、CSSファイルも編集します。画像は、そのまま利用する場合と、自社で用意する場合とがあります。
例えば、トップページのロゴやメイン画像などは、自社で制作したものを利用するのが一般的です。
3.サーバーにデータをアップロードする
FTPソフトなどを用いて、テンプレートファイル一式と自社で独自に用意した画像データなどをサーバーにアップロードします。
微調整を繰り返しながら、ホームページを公開していきます。
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まとめ
◆ホームページテンプレートとは、ホームページの雛形(ひながた)のことで、HTMLファイルやCSSファイル、画像などのコンテンツを含む。専門知識のない初心者でも、また人的リソースが足りなくても、ホームページを手軽に作ることができる。
◆ホームページのテンプレートを使うメリットには、専門知識や技術がなくても優れたデザインのホームページを手軽に構築できる、ホームページ制作時間を短縮できる、デザイン制作コストを抑えられるといったことがあるが、デメリットとして他社との差別化がしにくい、デザインや構成の自由度に欠けるといったこともある。
◆テンプレートを使ってホームページを作るには、まずテンプレート配布サイトでテンプレートをダウンロードし、ダウンロードしたHTMLファイルや画像データを自社仕様に編集し、画像データを用意したら、サーバーにすべてのデータをアップロードする。