新型コロナウイルスの影響でECサイトの需要が高まり、商品やサービスの注文数が拡大しています。
ECサイトは店舗に足を運ばずともインターネット上でいつでもアクセスでき、自宅にいながらオンラインで消費行動を完結できます。
コロナの影響下で人が集まる場所への外出が制限され、さらに消費者がECサイトの利便性を再認識しているなか、ECサイトの需要は今後ますます増えていくでしょう。
この記事では、新型コロナウイルスの影響でECサイトの注文数が拡大している点に焦点をあて、コロナ影響下におけるECサイトの必要性と今後について解説していきます。
新型コロナの影響でECサイトの活用が加速
三井住友カード株式会社が2020年5月に発表した消費行動レポートによると、新型コロナウイルスの影響によりECサイトの活用が加速していることが明らかになりました。
不要不急の外出が制限されるなか、特に高齢者層においてECサイトの利用率が大幅に増加しています。
20〜30代の若い世代よりも増加幅が大きいことから、外出をせずに必要なものを購入できるECサイトを活用し、自らの身を守る行動をとっていることが推測されます。
参考:三井住友カード株式会社『コロナ影響下の消費行動レポート~高年齢層のECサイト活用加速と変化する巣ごもり消費~』
また、商業施設の休業だけではなく、スポーツやライブといった大型イベントの自粛、観光施設やホテルの休業などもあり、消費者が自宅で過ごす時間は大幅に増加しました。消費者が自分の判断で自由に使える時間、いわゆる可処分時間が増えたことも、ECサイトの注文数が拡大した要因と考えられます。
可処分時間を利用し、ネットショップの閲覧やショップ巡りを楽しむ消費者が増えたということです。
コロナ影響下でのECサイトの必要性とは
ECサイトのEC(イーシー)とは、「Electronic Commerce」(エレクトロニック・コマース)の頭文字をとったもので、直訳すると「電子商取引」になります。つまり、ECサイトとはインターネット上で商品を売買するWebサイトのことです。
新型コロナウイルスの感染防止対策として外出自粛が要請されたことで、自宅にいながらショッピングができるECサイトの需要は急速に拡大しました。
コロナ以前もECサイトを利用していた消費者に加え、これまでは店舗で購入していた消費者もECサイトを利用するようになったことが要因だと考えられます。
また、コロナ禍で緊急事態宣言が発令されたときは、さまざまな業種の店舗が一時的な休業を余儀なくされました。
店舗での商品購入ができなくなった消費者が、ECサイトへシフトするのは自然な流れともいえるでしょう。
●消費者から見たECサイトの必要性
ECサイトを利用すれば、消費者は店舗に足を運ぶことなく、いつでもどこでも手軽に商品を購入できます。
また、コロナの影響下においては、ECサイトで商品を閲覧することが一種の「娯楽」になっているとも考えられます。
外出が制限されるなかで、イベントやジム、スポーツ観戦などに費やしていた時間を利用し、ネットショッピングを娯楽として楽しむ消費者も多いのです。
●事業者から見たECサイトの必要性
新型コロナウイルスの影響で店舗での販売が落ち込むなか、ECサイトに活路を見出すのはもはや当然の流れでしょう。
特に、これまでEC化が進んでいなかった業種にとって、新型コロナウイルスがEC化を進めるひとつのきっかけとなったのは間違いありません。
ECサイトは今後どうなっていくのか
新型コロナウイルスは収束に向かいつつありますが、一気に収束するものではないともいわれています。
人が集まる場所への外出を控えたい消費者にとってECサイトの需要は高く、今後も積極的にECサイトを利用していくでしょう。
一方で、商業施設の休業が解除され通常営業に戻ったことで、店舗へ足を運ぶ消費者が一時的に増えると予想されます。
しかし、オンラインで完結するECサイトの利便性を考えると、ECサイトの需要は一過性のものではなく、今後も続いていくと考えるべきでしょう。
また、オンラインサービスの需要が高まるなかで、新しくEC市場に参入する企業が増えることが考えられます。
そのなかで勝ち残っていくには、顧客がより使いやすいECサイトになるように、在庫調整や配送スピードといったサービスの利便性を追求していく必要があるでしょう。
さらに、コロナの影響下で高齢者層のEC利用が増加したことから、幅広い世代に対応できるECサイトの構築が求められます。
今後は、高齢者を含めどの世代でも対応できるようなわかりやすい操作性や画面構成が必要とされるでしょう。
まとめ
◆新型コロナウイルスの感染防止対策として外出を控える消費者が増えたことで、自宅で消費行動を完結できるECサイトの需要が高まっている。
◆ECサイトを利用すれば、店舗に足を運ばずにいつでもどこでも商品を購入できる。また、コロナの影響下において、ECサイトで商品を閲覧することが一種の「娯楽」にもなっている。
◆新型コロナウイルスの影響で店舗での販売が落ち込むなか、あらゆる事業者がECサイトに活路を見出すのはもはや当然の流れである。
◆ECサイトの需要は一過性のものではなく、今後も続いていくと予想される。今後は高齢者を含めたどの世代にも使いやすいECサイトの構築を進め、顧客サービスを向上していくことが求められる。